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日本に帰国する際の銀行口座の取り扱いは?休眠口座に移行しないためにすべきこと

シンガポールに滞在している期間が終了し、日本に本帰国する際にはさまざまな手続きが必要になります。
出入国管理局や居住地域への届出、健康保険や年金の脱退、就労ビザのキャンセルなど、すべきことは少なくありません。
そして、銀行口座を解約すべきかについても検討する必要があります。
シンガポールから本帰国の際の銀行口座の扱い方
海外から日本に本帰国する場合、その国の銀行で開設した口座の取り扱いについては個々のケースで事情が異なり、シンガポールも同様です。
シンガポール口座は解約した方がよい?
シンガポールの主要な銀行では、日本からのオンラインバンキングや口座の解約も可能な場合があります。
そのため、すべてのケースで本帰国前に口座を性急に解約する必要はないといえます。
口座を残しておいた方がよいケース
むしろ、口座を残しておいたほうがよいケースもあります。
- クレジットカードや光熱費、電話代などは支払いが完全には完了していない
- 長期運用に口座を利用している
このような場合は、日本に本帰国した場合でも支払いのために口座は残しておいたほうが便利です。
いったん解約してしまうと、日本からは口座を開設するのは困難になります。
一方で、帰国後生活が落ち着いてから口座を維持している必要性を感じなければ、その時点で解約を判断をするとよいでしょう。
預金の最低金額を下回らなければ口座維持費はかからない
シンガポールの主要銀行各行であれば、預金の最低金額を下回らなければ、口座維持費がかかることはありません。
ただし、銀行によっては帰国する際に口座を解約するよう定めていることもあるため、そうした場合には規約に従いましょう。
銀行各社の本帰国後の口座の扱いについて
では、シンガポールの各行では、本帰国後の口座の取り扱いはどのようになっているのでしょうか。
ここからは主要銀行を例にみていきます。
なお、各行とも日本に本帰国しても口座維持は問題ありません。
銀行各社の共通事項
まず、上記各行の口座の取り扱いに関する共通事項としては、次のような点が挙げられます。
- 日本からの口座解約も可能
- 住所変更が必要(オンラインでの変更も可)
- ワンタイムパスワード利用のために日本で契約している新たな携帯電話番号の登録が必要
これらを踏まえ、各行の口座の取り扱いは以下のとおりです。
DBS Bank
DBS Bankの場合、シンガポールの主要3行のなかでは、最低預入金額を下回った場合の口座維持費用がもっとも高くなっています。
なお、オンラインバンキングでログインしていれば、休止アカウントとなることはありません。
|
口座への最低預入金額 |
1ヶ月平均SGD 3,000 最低預入金額を下回った場合には月SGD 5の口座費用が発生 |
|---|---|
|
取引がない場合 |
6カ月間取引がない場合、休止アカウントとみなされるが、取引をおこなうことでアクティブアカウントとなります。 |
|
住所変更 |
オンラインで可能 |
|
電話番号変更 |
オンラインで可能 |
Oversea-Chinese Banking Corporation
Oversea-Chinese Banking Corporationは最低預入金額を下回った場合の口座維持費用が比較的安価です。
|
口座への最低預入金額 |
1ヶ月平均SGD 3,000 最低預入金額を下回った場合には月SGD 2の口座費用が発生 |
|---|---|
|
取引がない場合 |
6カ月間取引がない場合休止アカウントとみなされるが、取引をおこなうことでアクティブアカウントとなります。 |
|
住所変更 |
オンラインで可能 |
|
電話番号変更 |
オンラインで可能 |
United Overseas Bank
United Overseas Bankでは、最低預入金額も低く、下回った場合の口座維持費用も安価で、主要3行のなかではもっとも負担が少なくなっています。
|
口座への最低預入金額 |
SGD 1,000 最低預入金額を下回った場合には月SGD 2の口座費用が発生 |
|---|---|
|
取引がない場合 |
6カ月間取引がない場合休止アカウントとみなされるが、取引をおこなうことでアクティブアカウントとなります。 |
|
住所変更 |
オンラインで可能 |
|
電話番号変更 |
オンラインで可能 |
シンガポール口座を放置して本帰国した場合
続いて、シンガポールから本帰国する際、口座の解約などの手続きをおこなわず、かつ一定期間取引もおこなわない場合、口座の扱いはどのようになるのかみてみましょう。
定期的に口座の利用があれば問題ありませんが、長期間放置してしまうと、不利益が生じる可能性もあります。
休眠口座になる可能性がある
シンガポールに限らず、銀行口座は一定期間利用せずに放置しておくと凍結され、その後は休眠口座として扱われます。
例えば、「海外赴任の際に口座を開設していたものの、赴任期間の終了で日本に本帰国したのちに長期間放置していたが、海外旅行などの機会にその口座を再度利用する」といった場合。
すでに休眠口座として凍結されてしまっているため、再利用は難しくなります。
また、日本国内の銀行口座であれば、過去10年間に入出金がおこなわれなかった場合、休眠口座となります。
一方で、海外では半年程度放置しただけでもロックされ休眠口座となってしまいます。
これは口座の預金に動きがない場合、マネーロンダリングへの利用を疑うからです。
例えば、HSBCシンガポールであれば、24か月間いずれに取引も行わない場合、口座全体が休眠口座の扱いとなり、口座へのアクセスや取引が制限されてしまいます。
休眠口座にならないためには
上記のように、シンガポールの銀行口座は一定期間利用しないと休眠口座に移行してしまいます。
しかし、日本へ本帰国しても、その後の出張などでシンガポールへの渡航の予定があり、再度利用する可能性があるのなら、口座は残しておいたほうが便利です。
休眠口座にならないための3つの対策
休眠口座にならないための対策としては、以下の3つ方法があります。
- 定期的にクレジットカードやデビットカードを利用する
- 定期的に口座への預け入れあるいは引き出し(ネットバンキングを含む)をおこなうこと
- 該当の口座から投資信託などを購入しておく
これらを行っておくことにより、休眠口座に移行されてしまうことはないでしょう。
休眠口座に移行される前に銀行から書類が届くので放置しない
休眠口座に移行される際には、銀行側からなんらかの書類が送付されていることがあります。
こうした書類には口座の取り扱いについて詳しい内容が記載されているため、休眠口座に移行してしまわないよう、日ごろから見落とさないようにしておくことも大切です。
ネットバンキングでのパスワードミスでも休眠口座になることがある
休眠口座にならなくても、ネットバンキングで一定回数パスワードを誤って入力したことで口座がロックされてしまうこともあります。
こうした場合は、メールやチャットでロックの解除手続きをしなければなりません。
しかし、ロック状態を放置するとこの手続きすらできなくなってしまいます。
このため、休眠口座になるケースと同様に注意が必要です。
なお、
休眠口座になってしまったら
休眠口座になってしまった場合、口座の利用を再開する場合は、以下の手続きをします。
- 身分証明書や住所を証明する資料を用意する
- 口座を開設したシンガポールの銀行の支店を訪れる
ただし、1の際に提示する資料などには注意点がありますので、見ていきましょう。
身分証明書として認められる書類
日本であれば、戸籍謄本や住民票が資料として信頼性を持ちますが、海外では制度自体が存在しない国もあるため、基本的には認められません。
また、パスポートについても、コピーの場合だと改ざんが容易なため、公的な資料としては認められません。
そこで、銀行で信頼される資料としては、
- 写真付きの身分証明書
- パスポートの原本
- 運転免許証
- IDカード
- 軍カードなど
これらの提示が必要となります。
住所が確認できる資料など
身分証明書とあわせて、住所が確認できる資料などが必要となりますが、こちらも条件があります。
- 住所が確認できる証明書のコピー
- 銀行の明細書
- ユーティリティ請求書
- すべて英語で示す必要がある
- すべて過去3か月以内のものでなければならない
3ヶ月以内、かつ英語で示す書類でなければならないため、ハードルが高いので要注意です。
預金は日本へ送金した方が安全
利用のない銀行口座の預金があると、休眠口座となりロックされ、預金も引き出せなくなってしまいます。
こうしたリスクを回避するため、利用が見込めない口座の預金は、あらかじめ日本へ送金しておくほうが安全です。
なお、送金の方法としては、おおまかに
- 銀行間送金
- 海外送金サービス
の2つの方法があります。
銀行間送金を利用する
シンガポールの主要銀行であれば、DBS Bank、Oversea-Chinese Banking Corporation、United Overseas Bankの3行とも、デフォルトでオンラインバンキングより海外送金が可能です。
この銀行間の送金は「SWIFT」と呼ばれる国際金融取引の仲介サービスです。
個人、法人を問わず幅広い利用がなされており、利用の際も書面などによる複雑な方法はありません。
- 送金先銀行名
- 口座名義人
- 口座番号
- 通貨
上記の項目さえわかれば、自身の口座から国際送金が可能です。
また、送金は基本的にオンラインバンキングのアプリによって登録し、通貨を選択しておこないます。
また、送金額がS$20,000を超える場合には、優遇レートでの送金も可能です。
ただし、海外送金には送金手数料が必要で、送金額は為替レートによって変動します。
なお、各行の手数料は以下のとおりです。
|
手数料割合 |
電信料 |
|
|---|---|---|
|
DBS Bank |
対象地域は無料 |
対象地域は無料 |
|
Oversea-Chinese Banking Corporation |
0.0625% |
S$30 |
|
United Overseas Bank |
0.125% |
S$20(法人S$25) |
日本への着金は、おおむね2~3日となります。
このほか、一部をのぞき、受け取り側の銀行でも手数料がかかります。
海外送金サービスを利用する
海外送金サービスは、資金移動業者が提供する海外送金に特化したサービスです。
そこには銀行の介入がないことから、中間マージンも抑制され、手数料が比較的安くなっています。
ただし、銀行のように、口座から送金することができません。
事前にアカウントを取得し、送金元と受取人の口座情報、および本人確認の登録が必要です。
また、海外送金サービスの場合、S$20,000を超えるとS$20程度の負担が生じます。
金額によっては、銀行間送金と使い分けるのがよいでしょう。
主要な海外送金サービスとしては次の3つがあげられます。
|
PayPal |
世界的に普及しているサービス。 1回につき100万円まで送金が可能。 |
|---|---|
|
Wise |
80か国以上、50通貨に対応したサービス。 送金手数料が安価で、即日着金も可能。 |
|
Western Union |
24時間365日利用可能なサービス。 受け取り側の料金は無料。 |
小切手にする方法も
銀行間送金と海外送金サービス以外にも、預金を日本へ送金する方法として、小切手もあります。
ただし、小切手は手数料面で有利ではあるものの、通常6か月の有効期限が設けられているため、注意が必要です。
銀行口座を解約するには
シンガポールの銀行口座を一定期間利用しないことが想定されるのであれば、休眠口座に移行されないためにも、口座は解約の判断をすべきです。
解約の方法は銀行によって若干異なりますが、おおむね以下のとおりです。
シンガポール出国前の場合
- パスポートを持参(シンガポール永住者はNRIC)
- 最寄りの銀行支店で解約手続き
シンガポール出国後の場合
- 出国予定の1ヶ月前を目安に郵送先住所を変更
- インターネットバンキング、書類の郵送などで解約手続き
主要各行の解約の規定
主要各行では解約については次のように規定されています。
|
DBS Bank |
オンラインで解約が可能。 |
|---|---|
|
Oversea-Chinese Banking Corporation |
オンラインでの解約は不可。 解約申込書を記入して郵送。 ただし、6か月間取引がない場合、口座は自動解約。 |
|
United Overseas Bank |
解約申請書を電話で請求後、記入して郵送が必要。 |
銀行口座に関する手続きは専門家に相談する方法も
万が一、シンガポールの銀行の預金が「休眠口座に移行してしまった」「口座を解約したい」といった場合には、行政書士などの専門家に相談するのも、ひとつの方法です。
依頼をおすすめする理由は以下の通りです。
- 煩雑な手続きをおまかせできる
- 海外銀行とのやり取りにおいて、外国語のリスニング力やスピーキング力が求められるため
- 万が一、シンガポールで手続きが必要になっても、現地に行く必要がない
国際手続きに長けた行政書士事務所であれば、英語や中国語が堪能なスタッフによるスムーズな手続きが期待できます。
行政書士が提供する主なサービスとしては、
- 口座の解約手続きのサポート
- 資金移動のない口座の休眠口座への移行の確認
- 銀行からの書面の説明や必要書類の翻訳
- 解約時の書類作成のサポート
などがあげられます。
クレジットカードの取り扱いについて
銀行口座以外にも、日本に本帰国する際に取り扱いに注意しなければならないものの例として、シンガポール国内で作成したクレジットカードがあります。
しかし、クレジットカードについては、日本へ本帰国後もそのまま利用することができます。
しかし、本帰国後、日本ではシンガポールで発行したクレジットカードは使用しないケースが多いと思われます。このため、通常は解約することになります。
この際、クレジットカードも銀行口座と同じようにオンライン、店頭、電話などで解約できます。
ただし、解約の際は使用残や未払いがないことを十分に確認しなければなりません。
まとめ
シンガポールをはじめとした、海外における金融関連の手続きは、日本の手続きとは事情が異なります。
特に、銀行口座は短期間で休眠口座に移行してしまうため注意が必要です。
ただし、海外口座の解約の手続きなどは経験したことがないケースのほうが多いのではないでしょうか。
英語でのやり取りも必要となり、手続きの際の確認書類として認められるもの、書類などの条件があります。
そのため、各銀行の条件や必要な書類や手順を十分に確認し、的確に処理する必要があります。
このため、煩雑な手続きについては、ワンストップで代行してくれる専門家を頼ることも検討してみるとよいでしょう。
プロフィール
2009年4月 行政書士個人事務所を開業
2012年8月 個人事務所を行政書士法人化し「さむらい行政書士法人」を設立
専門分野
外国人VISA・在留資格、外国人雇用・経営管理、永住・帰化申請
入管業務を専門とし、年間1000件以上の相談に対応







