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【最新版】シンガポールの就労ビザの要件は?学歴・年収など詳しく解説

シンガポールで働くには、就労ビザを取得しなければなりません。

 

シンガポールの就労ビザを取得したい方の中には、

 

「学歴の条件は?」

「年収の条件は?」

「新制度COMPASSとは?」

 

といった疑問をお持ちの方も多いでしょう。

 

この記事では、シンガポールの就労ビザの要件について詳しく解説します。さらに、新制度のCOMPASSについても紹介します。

 

ぜひ、最後までお読みください。

シンガポールの就労ビザ

ここでは、シンガポールの就労ビザについて見ていきましょう。

就労ビザの種類は多い

シンガポールで働くためには、適切な就労ビザを取得しなければなりません。シンガポールの就労ビザは、能力や目的に応じていくつかの種類に分けられます。

 

以下は、代表的な就労ビザの種類をまとめた表です。

種類

対象者

Employment Pass(EP)

専門職・管理職・経営者など

S Pass

中技能熟練労働者(EPの要件に満たないレベルの者)

Entre Pass

外国人起業家

Personalised Employment Pass(PEP)

高収入のEP保有者

Overseas Networks & Expertise Pass

ビジネス・芸術・文化・スポーツ・学術・研究分野でトップの人材

Work Holiday Pass(under Work Holiday Programme)

18歳〜25歳までの学生・卒業生

現在の就労ビザの要件や条件

現在の就労ビザの要件や条件は、以下のとおりです。

種類

最低月給条件

そのほかの要件

Employment Pass

(EP)

金融以外:最低5,000ドル

金融:最低5,500ドル

COMPASSで40点以上

S Pass

金融以外:最低3,150ドル

金融:最低3,650ドル

仕事のオファーがある

Entre Pass

なし

ベンチャー支援を受けている、または革新的な技術を所有するACRAに登録されている会社を起業している、もしくは起業しようとしている

Personalised Employment Pass

(PEP)

最低月給:22,500ドル

最低年収:270,000ドル

6カ月を超えて失業をしてはいけない

Overseas Networks & Expertise Pass

過去12カ月連続で最低30,000シンガポールドル
(外貨換算で同等の固定月給でもOK)

※スポーツ・芸術・文化・学術・研究分野で優れた業績がある場合は、給与条件は免除

海外からの申請の場合、基準を満たす海外企業で最低1年の就労経験が必要
(既存のビザ保有者は、シンガポールで最低1年の就労経験)

Work Holiday Pass

(under Work Holiday Programme)

なし

18歳〜25歳以下(応募時点)で、対象国の大学の学部生または卒業生である

2022年よりシンガポールの就労ビザは取得が難しくなる?

シンガポール政府は、2023年9月1日より、Employment Pass(EP)の制度を変更しました。

 

変更点について、以下で詳しく見ていきましょう。

EP取得の要件で給与の基準が変わった

EPの給与基準は、2022年9月より500ドル引き上げられました。

 

現在の給与基準は、以下のとおりです。

職種

給与基準

金融サービスを除くすべての分野

最低月給5,000ドル
(23歳から年齢とともに徐々に増加し、45歳以上では最大10,500ドル)

金融サービス

最低月給5,500ドル
(23歳から年齢とともに徐々に増加し、45歳以上では最大11,500ドル)

実際にどんなビザを取得しているのか

以下は、2023年6月時点での、シンガポールにおける外国人労働者数の表です。

ビザの種類

外国人労働者数

Employment Pass(EP)

197,300名

S Pass

177,200名

Work Permit(Total)

1,084,600名

そのほかのビザ

28,800名

合計数

1,488,000名

※参照:Foreign workforce numbers|MOM(シンガポール人材開発省)

 

Work Permitは、S Passの最低給与基準に届かないポジションに就く方を対象としています。主に、単純労働や肉体労働を担う外国人がメインの就労ビザです。

 

Work Permitには、職種に合わせて4つのタイプがあります。

 

4タイプの内、3つは国籍の要件があり、日本国籍の方は対象外です。

日本人の方は、Work Permit for performing artisteと呼ばれるタイプのみ申請ができます。

新制度のCOMPASSにより要件が変わる?

2023年9月1日にCOMPASSというポイントシステムが導入され、EPの申請プロセスが大きく変わりました。

 

EPの申請は、個人の属性と企業の属性により適格性が判断されます。

 

従来の申請では、個人の属性についてはSATと呼ばれる自己判定ツールを用いて、基準を満たしているか事前に確認できました。SATは、こちらから受けられます。

一方、企業の属性については、具体的な評価基準が公表されていませんでした。

 

COMPASSでは、個人の属性と企業の属性を項目ごとに点数化し、それぞれに明確な基準を設けています。COMPASSの導入で、従来のEPより規定が明瞭となったため、ビザ申請の透明性が確保されると期待されています。

 

COMPASSの詳細については後述するので、ぜひ参考にしてください。

新制度|COMPASSとは?

ここでは、COMPASSについて見ていきましょう。

制度概要

COMPASSは、2023年9月1日より導入された新しいポイント評価システムです。

給与・資格・多様性・ローカルの雇用・ボーナスの項目ごとにポイントを設定し、点数によってビザの適格性を審査します。

 

申請者はCOMPASSの評価システムに合格しないと、EPの申請ができません。合格するには、各項目の合計で40点以上が必要です。

 

COMPASSのガイドブックは、こちらから確認できます。

6つのカテゴリーについて

COMPASSでは、以下の6つのカテゴリーごとに基準が設けられています。

個人属性

企業属性

ボーナス

1. 給与

2. 資格(学歴)

3. 多様性

4. ローカル雇用

5. スキル

6. 戦略的経済優先

 

各カテゴリーの詳細は、以下のとおりです。

カテゴリー1

カテゴリー1は、給与の基準です。

 

給与の基準では、年齢・業界ごとのPMETの給与分布を基に、申請者がどの給与水準に位置しているかを点数化して評価します。

 

PMETとは、Professionals・Managers・Executives・Techniciansの略で、専門家・マネジャー・経営者・技術者を指します。

 

以下は、ポイントの表です。

分野別PMETの給与分布と申請者の給与水準の割合

ポイント

90%以上

20

65%以上90%未満

10

65%未満

0

 

PMETの給与分布は、こちらからチェックできます。

 

カテゴリー1の給与基準は、EP申請における給与条件とは異なります。EPの給与条件を満たせない方は、ビザの申請ができません。

カテゴリー2

カテゴリー2は、資格の基準です。

 

資格の基準では、主に申請者の学歴を点数化して評価します。

 

以下は、ポイントの表です。

資格

ポイント

  • QS世界大学ランキングに基づく上位100の大学、およびそのほかのアジアの評判の高い大学
  • シンガポールの自治大学
  • 特定の分野で高く評価され、関連機関から承認を受けている機関

20

学位相当の以下の資格

  • 英国の制度における学士号に相当する資格
  • 業界で広く認知され、関連部門の機関よって承認される専門資格(こちら

10

学位に相当する資格がない

0

 

上記の表で20点を獲得できる大学・機関は、こちらからチェックできます。

 

日本で20点を獲得できるクラスに分類されている大学は、以下のとおりです。

 

 

上記の表で10点を獲得できる学位相当の資格に関して、MOM(シンガポール人材開発省)は国際資格およびスキルの認定・評価を、英国国立情報センター(UK ENIC)などの国際認定機関を参照して決定しています。

 

仮に、資格のカテゴリーで0点だった場合でも、ほかのカテゴリーで合計40点のスコアを獲得できれば、COMPASSの合格は可能です。

カテゴリー3

カテゴリー3は、多様性の基準です。

 

多様性の基準では、申請者の国籍が企業のPMET従業員に占める割合を点数化し評価します。割合が少ない方が、より多くのポイントをもらえる仕組みです。

 

多様性の評価によって、企業の労働力は多様な国籍が混在し、新しいアイデアやネットワークで豊かになり、より包括的で強力になると期待されています。

 

以下は、ポイントの表です。

企業のPMETと申請者の国籍の割合

ポイント

5%未満

20

5%以上25%未満

10

25%以上

0

 

Workforce Insightsツール(こちら)を使用すれば、企業のPMETにおける国籍の割合をチェックできます。ツールの使い方は、こちらを参考にしてください。

 

日系企業は、言語や文化的な理由から日本人を採用するケースが多いです。日本国籍の従業員が多くいる日系企業が、多様性の基準でポイントを確保するには、外国籍の人材の採用も考えなくてはなりません。

カテゴリー4

カテゴリー4は、ローカル人材に対する雇用サポートの基準です。

 

ローカル人材に対する雇用サポートの基準では、企業のローカルPMET従業員が占める割合を点数化し、評価されます。

 

ローカル人材に雇用の機会を創出し、ローカル人材と外国人材の両方で構成されている組織が評価される仕組みです。

 

以下は、ポイント表です。

ローカルPMETの割合

ポイント

50%以上

20

20%以上50%未満

10

20%未満

0

 

Workforce Insightsツール(こちら)を使用すれば、企業のローカルPMETにおける割合をチェックできます。ツールの使い方は、こちらを参考にしてください。

 

例外として、企業のPMETが25人未満の場合は、ローカルPMETの割合に関係なく10点が付与されます。

カテゴリー5

カテゴリー5は、スキルボーナス(不足職業リスト)の基準です。

 

スキルボーナスの基準では、労働力が不足している高度な専門スキルを必要とする職種に就く人材に対して評価します。

 

不足職業リスト(Shortage Occupation List:SOL)はMOMが公表をしており、具体的には以下の業種が挙げられます。

 

 

以下は、ポイント表です。

スキルボーナスの付与要件

ポイント

SOLに掲載されている職種に就く
(企業のPMETにおける申請者の国籍の割合が1/3未満)

20

SOLに掲載されている職種に就く
(企業のPMETにおける申請者の国籍の割合が1/3以上)

10

 

SOLに掲載されている職種に就く場合は、ポイントを稼ぐ大きなアドバンテージになるため、自身が該当していないか確認しておきましょう。

 

SOLの詳細は、こちらからチェックできます。

カテゴリー6

カテゴリー6は、戦略的経済優先ボーナスの基準です。

 

戦略的経済優先ボーナスの基準では、以下のいずれかの企業に対して評価します。

 

 

以下は、ポイント表です。

戦略的経済優先ボーナスの付与要件

ポイント

対象となるプログラムの少なくとも1つに参加、または基準を満たしている

10

 

対象となるプログラムは、こちらからチェックできます。

 

戦略的経済優先ボーナスのポイントには有効期間があるため、注意しましょう。

有効期間は最大3年間、またはプロジェクトへの参加期間のどちらか短い方です。

COMPASS免除の要件

以下に当てはまる方は、COMPASSが免除されます。

最低22,500ドルの固定月給がある

新制度で重視されることとは?

今まで不透明だった企業属性に関する審査基準が明らかになった影響で、多様性やローカル人材の雇用の基準で点数を獲得できるかが重要です。

 

給与や資格の基準だけで40点以上を獲得するのは難しいため、多様性やローカル雇用の基準でどれだけ点数を稼げるかが、合否を左右すると考えられます。

 

企業の雇用状況によっては、点数を確保するために、従業員の構成の変更も検討しなければなりません。足りない点数は、ボーナスの基準で獲得する方法も考えられます。

 

COMPASSに合格するためには、戦略的に準備を進める必要があります。

学歴はビザ申請に左右する?

COMPASSは学歴の基準で0点だった場合でも、ほかの基準で合計40点のスコアを獲得できれば合格となります。

しかし、ほかの基準で40点以上を確保する難易度は高いです。

 

そのため、学歴で点数を稼げる人は、COMPASSのシステムでは非常に有利に働きます。

 

学歴に関する注意点として、『第三者による学歴証明書の認証の義務』が挙げられます。

 

以前までは、資格詐称により就労ビザを取得する外国人が多くいました。より厳正な審査体制を保つために、COMPASSの導入に合わせて学歴証明書の認証が義務となっています。

 

認証は、以下のいずれかの機関で行わなければなりません。

MOMが認定した認証会社

日本の教育機関の証明書を専門としてるのは、GPCゲートウェイ社(こちら)です。

申請者の本国の政府または教育機関の認証サイト
シンガポール政府テクノロジー庁(Covtech)開発の認証サイト「オープンサート」

「オープンサート」のサイトは、こちらから確認できます。認証できる教育機関は、シンガポールの公立高等専門学校・公立大学が中心です。

今まで以上に申請が重要になる可能性が高い

COMPASSのポイントシステムにより、これまで審査に通っていた人が通らなくなるケースが予想されます。

 

制度が見直された背景には、2013年より開始された「シンガポーリアン・コア」と呼ばれる政策が大きく関係しています。「シンガポーリアン・コア」は、シンガポール国民の雇用環境を改善するのを目的とした政策です。

 

外国人の就労ビザの条件は、今後も段階的に厳しくなると予想されます。

 

特にEP申請のCOMPASSにおいては、申請者個人だけではなく、所属する企業も対策を考えなければ合格は難しいでしょう。

 

申請するには、COMPASS制度の理解に加え、今まで以上に入念な準備が必要です。より確実に取得するためにも、行政書士などの専門家に依頼するのをおすすめします。

まとめ

この記事では、シンガポールの就労ビザの要件とCOMPASSについて解説しました。

 

COMPASSの導入により、EPの申請は複雑になりました。条件も厳しくなり、取得のハードルは上がったと言えます。

 

さらに、シンガポールの就労ビザに関する制度は、頻繁に変更されています。常に最新の情報をチェックし、対応しなければなりません。

 

これらの手続きをスムーズに進めたい方は、行政書士などの専門家に依頼するのがおすすめです。

 この記事の監修者

さむらい行政書士法人 代表 / 小島 健太郎

さむらい行政書士法人
公式サイト https://samurai-law.com

代表行政書士

小島 健太郎(こじま けんたろう)

 

プロフィール

2009年4月 行政書士個人事務所を開業
2012年8月 個人事務所を行政書士法人化し「さむらい行政書士法人」を設立

専門分野

外国人VISA・在留資格、外国人雇用・経営管理、永住・帰化申請
入管業務を専門とし、年間1000件以上の相談に対応

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