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シンガポールで会社設立|条件・資本金・メリット・費用・スケジュールを徹底解説
シンガポールで会社の設立を検討している方の中には、
「条件や費用は?」
「メリット・デメリットは?」
「設立までのスケジュールは?」
といった疑問をお持ちの方も多いでしょう。
この記事では、シンガポールで会社を設立する際の条件・費用・メリット・スケジュールなどを徹底解説します。
ぜひ、最後までお読みください。
シンガポールでの会社設立について
ここでは、シンガポールでの会社設立について見ていきましょう。
シンガポールでの起業が熱い理由
シンガポールでの起業が熱い理由は、多くのメリットがあるからです。
以下で、詳しく見ていきましょう。
法人税率が世界的に見ても低い!
シンガポールの法人税は、最高税率でも17%です。
さらに、優遇装置や還付もあるため、実効税率は10%以下です。
これらの数値は、世界的に見ても非常に低い水準と言えます。
例えば、日本の法人税率は23.2%です。
資本金1億円以下の中小企業に対しては、税負担の軽減措置で15%とされていますが、シンガポールの水準と比較すると、非常に高い印象を受けます。
法人登記が比較的簡単で早い!
シンガポールの法人登記は、比較的簡単かつ早くできます。
外国人が会社を設立するのに厳しい条件を設けている国もある中、シンガポールは外国企業の進出に寛容です。
シンガポールは資源を持たない国であり、自国の発展のためには、海外から優秀な企業を誘致する必要があります。
そのため、外国企業に対する優遇措置があるなど、会社を設立しやすい環境が整っています。
世界各地へのアクセスが良好!
シンガポールは『アジアのハブ』と呼ばれるほど、好立地なのが特徴です。
シンガポールの玄関である「チャンギ空港」は、世界でもトップクラスに便利な空港として知られています。
近隣諸国はもちろん、中東・インド・オセアニアなどへのアクセスもしやすいです。直行便も多く運行しているため、出張の移動手段で困るケースは少ないでしょう。
加えて、国内の交通インフラも整備されているので、普段の業務も不便なく行えます。
シンガポール進出前に抑えておくべきこと
シンガポールへ進出する前に、以下のポイントについて抑えておきましょう。
法人設立の条件を確認する
シンガポールで会社を設立するには、主に以下の3パターンの企業形態が考えられます。
- 現地法人
- 支店
- 駐在員事務所
どの企業形態かによって、条件などは異なります。
例えば、現地法人を設立するには、シンガポール居住者の取締役を最低1人は選任しなければなりません。
支店の場合は、シンガポール居住者の代表権者が1人必要です。
ここで言う「シンガポール居住者」とは、シンガポールの国籍・永住権・就労ビザの保有者を指します。
加えて、支店・駐在員事務所を設立する場合、法人税率などの優遇措置の恩恵は受けられません。
会社を設立する前に、各企業形態の条件を確認しましょう。
企業形態の詳細については後述するので、ぜひ参考にしてください。
物価の高さに注意
シンガポールは、物価が非常に高いです。
会社設立と同時に生活の拠点をシンガポールに移す場合、日本よりも生活費がかかると想定しておきましょう。
日本の感覚で生活してしまうと、想像以上にコストがかかります。
加えて、オフィス賃貸料も高額です。
税率の低さや優遇措置などに釣られて会社を設立しても、トータルコストでは損をする可能性があります。
会社設立を検討する際は、物価や賃料などのリサーチも忘れずに行いましょう。
シンガポール会社設立の企業形態と条件
シンガポールで会社を設立するには、以下の3パターンの企業形態があります。
- 現地法人:独立した法人格を持つ事業体
- 支店:外国法人のシンガポール支店で、独立法人格以外の事業体
- 駐在員事務所:外国法人の一部という位置付けで、独立法人格以外の事業体
|
【企業形態比較表】 |
現地法人 |
支店 |
駐在員事務所 |
|---|---|---|---|
|
営業活動 |
◯ |
◯ |
× |
|
法人税 |
17% |
17% |
– |
|
日本本社の運営責任 |
× |
◯ |
◯ |
|
法人税の申告義務 |
◯ |
◯ |
× |
|
損益を日本本社の利益と相殺 |
× |
◯ |
◯ |
ここでは、3つの企業形態と条件について見ていきましょう。
現地法人設立(独立法人格)
現地法人は、独立した法人格を持つ事業体です。
現地法人には、主に以下の2タイプがあります。
- 公開会社:株主が50人以上いる会社で、公募での資金調達が可能なタイプ
- 非公開会社:株主が50人以下の会社で、株式譲渡の制限があるなタイプ
日本から現地法人を設立する企業の多くが、非公開会社のタイプを選択しています。
現地法人設立(独立法人格)の条件
現地法人を設立するには、以下の項目について、事前に決定しなければなりません。
- 会社名
- 事業内容
- 住所
- 資本金
- 株主
- 取締役
- 秘書役
- 決算日
上記で特に注意が必要なのは、取締役の決定に関してです。
取締役は、18歳以上であれば誰でも就任できます。
ただし、シンガポール居住者(シンガポール国籍者・永住者・就労ビザ保有者)を最低1人は選任しなければなりません。
加えて、秘書役(シンガポール居住者)の選任も必要です。
秘書役とは、シンガポール会社法で設置が義務付けられている役職の1つです。会社の財務書類・定款の変更などの政府登録業務・総会や役会関連書類の作成などを担います。
現地法人設立(独立法人格)を選ぶメリット
メリットは、以下のとおりです。
- 比較的容易に設立できる
- 法人税の優遇措置が受けられる
- 日本法人に責任が生じない
現地法人設立(独立法人格)を選ぶデメリット
デメリットは、以下のとおりです。
- 資金移動が面倒
- 日本本社との損益通算ができない
支店設立(独立法人格以外)
支店は、独立した法人格を持たない事業体です。
外国法人の一部という位置付けですが、現地法人と同様に営業活動が認められています。
ただし、日本本社と同一の法人格なので、シンガポールと日本の双方で税務申告をする必要があります。
税制面での優遇措置は受けられないため、注意しましょう。
銀行・保険などの金融業界の企業が、支店の業態を採用しているケースが多いです。
支店設立(独立法人格以外)の条件
支店を設立するには、以下の項目について事前に決定しなければなりません。
- 支店名
- 事業内容
- 住所
- 代表権者
現地法人と異なる点として、支店名の決定が挙げられます。
支店は、現地法人のように自由に会社名の申請ができません。
本店の会社名のあとに「Singapore Branch」などを付けるのが一般的です。
加えて、代表権者として、シンガポール居住者(シンガポール国籍者・永住者・就労ビザ保有者)を1人選任する必要があります。
会計監査は現地法人と同等の対応が求められるため、注意しましょう。
支店設立(独立法人格以外)を選ぶメリット
メリットは、以下のとおりです。
- 資金移動が簡単
- 撤退が容易にできる
- 日本本社との損益通算ができる
- 居住取締役の選任が不要
支店設立(独立法人格以外)を選ぶデメリット
デメリットは、以下のとおりです。
- 低税率の恩恵が受けられない
- 設立時に手間がかかる
- 監査法人の監査が必要
- 現地法人へ移行するのが大変
- 決算期を固定しなければならない
駐在員事務所設立(独立法人格以外)
駐在員事務所は、独立した法人格を持たない事業体です。
駐在員事務所は、営業活動ができません。
業務範囲は、市場調査や展示会への出展などに限られています。
現地法人や支店と比べて設立の手間が少なく、就労ビザも取得できるため、現地法人の前段階として設立するケースも多いです。
駐在員事務所設立(独立法人格以外)の条件
条件は、以下のとおりです。
- 親会社が設立してから3年以上経過している
- 売り上げが25万アメリカドル以上
- 駐在員が5人未満
駐在員事務所設立(独立法人格以外)を選ぶメリット
メリットは、以下のとおりです。
- 比較的簡単に設立できる
- 撤退が容易にできる
- 現地法人や支店よりもコストがかからない
- 法人税の申告義務がない
- 日本本社との損益通算ができる
駐在員事務所設立(独立法人格以外)を選ぶデメリット
デメリットは、以下のとおりです。
- 低税率の恩恵が受けられない
- 営業活動ができない
- 長期的な運営ができない
シンガポール現地法人設立のスケジュール
ここでは、シンガポールでの法人設立のスケジュールについて見ていきましょう。
現地法人設立の流れ
現地法人設立の大まかな流れは、以下のとおりです。
- 会社名の申請
- 法人設立登記
- 銀行口座開設
- 就労ビザ取得
以下で詳しく解説します。
1.会社名の申請
会社名の申請の流れは、以下のとおりです。
会社名が使用できるか確認する
希望する会社名が、使用できるかを会計企業規制庁(ACRA)のサイトでチェックしましょう。
ACRAで商号を予約
ACRAで商号を予約します。予約の有効期間は、60日間です。
承認
ACRAによって商号の使用可否が確認され、問題がなければ承認されます。
承認されると、社名確保の手数料として15シンガポールドルが必要です。
営業ライセンスを必要とする業種などは、関係各省への確認も必要となるため、承認までに14日〜2カ月ほどかかります。
2.法人設立登記
法人設立登記の流れは、以下のとおりです。
会社名の申請
前項を参考にしてください。
事業内容を決める
設立する会社の、主たる事業内容を決定します。
ライセンスが必要な事業もあるため、注意しましょう。
登記住所を決める
登記が完了するまでは、オフィスの賃貸借契約は行えません。
そのため、会社設立代行サービス業者などの住所を一時的に借りて、登録するのが一般的です。
登記が完了したあとに、新たに賃貸借契約を結んだオフィスの住所を、登記住所として変更します。
資本金を決める
資本金は、最低1シンガポールドル必要です。
ただし、資本金が低いと、銀行口座の開設や就労ビザの申請で不利に働きます。
低すぎる資本金額での法人設立は、なるべく避けましょう。
株主・取締役・秘書役の選任
|
役職名 |
条件 |
|---|---|
|
株主 |
最低1人は必要 |
|
取締役 |
ンガポール居住者(シンガポール国籍者・永住者・就労ビザ保有者)で、最低1人は必要 |
|
秘書役 |
シンガポールに居住している者で、最低1人は必要 法人設立から6カ月以内に選任しなければならない |
決算日を決める
現地法人の場合、決算日は自由に設定できます。
必要書類の準備
必要書類については後述するので、ぜひ参考にしてください。
法人登記の申請
必要書類が完成したら、ACRAにて法人登記のオンライン申請を行います。
提出した書類と情報に問題がなければ、通常は即日に登記が完了します。
関係各省庁への確認が必要な業種の場合は、14日〜2カ月ほどかかるケースもあるため、注意しましょう。
3.銀行口座開設
登記が完了したら、現地の銀行口座を開設します。
シンガポールで銀行口座を開設する場合、選択肢は以下の3タイプです。
- 日系銀行のシンガポール支店
例えば、「三菱UFJフィナンシャル・グループ」「みずほフィナンシャルグループ」「三井住友フィナンシャルグループ」などのシンガポール支店が挙げられます。
日本語での対応が可能で、日本の商慣習にも詳しいのが特徴です。
シンガポールのローカル銀行
例えば、「DBS Bank」「OCBC Bank」「UOB Bank」などが挙げられます。
国内の至る所にATMが設置されており、ローカル企業との取引などで生じる支払いなどで、利用しやすいのが特徴です。
グローバル銀行
例えば、「シティバンク」「HSBC」「スタンダードチャータード銀行」などが挙げられます。
マルチカレンシー口座の開設や複雑な金融商品取引などの分野で、利用しやすいのが特徴です。
4.就労ビザ取得
日本人がシンガポールで働くには、就労ビザが必要です。
就労ビザは、目的や能力に応じていくつかの種類に分類されます。
以下の2つは、日本人が取得する代表的な就労ビザの種類です。
- Employment Pass(EP)
- S Pass(Sパス)
上記2種類のビザの申請は、EP eサービス(こちら)から行います。
申請してから承認までにかかる期間は、通常10日間ほどです。
ただし、書類の準備や手続きに必要なアカウント作成などの期間も含めると、かなりの期間を要する可能性があります。
手元にビザが届くまでに、2週間〜1カ月はかかると想定しておきましょう。
シンガポール政府は、国民の雇用を促進するために「シンガポーリアン・コア」と呼ばれる政策を強化しています。
そのため、就労ビザの基準は年々厳しくなっています。
自力での手続きも可能ですが、確実に取得するためにも、行政書士などの専門家に任せるのがおすすめです。
現地法人設立の必要書類
現地法人設立に必要な書類は、以下のとおりです。
- 定款
- 取締役宣誓書(Form45)
- 株主代理人の選定書
- 取締役の氏名・住所情報(パスポート・運転免許証など)
- 株主の氏名・住所情報(パスポート・運転免許証など)
シンガポールでの現地法人設立費用の相場
費用の相場は、以下の表のとおりです。
|
費用項目 |
相場 |
|---|---|
|
最低資本金 |
1シンガポールドル〜 |
|
法人設立費用 |
社名確保の手数料:15シンガポールドル 会社設立の認可料:300〜600シンガポールドル |
|
オフィス賃貸料 |
1,800〜9,000シンガポールドル ※物件により異なる |
|
就労ビザ取得費用 |
申請手数料:105米ドル 発行手数料:100〜225米ドル |
|
従業員給料 |
3,000〜5,000シンガポールドル |
シンガポール進出の際の注意点
ここでは、シンガポールへ進出する際の注意点について見ていきましょう。
規制やライセンス取得の必要性を確認する
業種によっては、規制やライセンスの取得が必要になるケースがあります。
規制業種は、以下のとおりです。
- メディア
- 電気・ガス
- 製造業規制法
- 光ディスク映像法
- 金融
- 法律サービス
規制業種の中でも、一定比率以下の投資に関しては認められているケースもあります。
各業種の詳細については、管轄当局のホームページなどで確認をしましょう。
ライセンスを必要とする業種は、以下のとおりです。
- 小売業
- 製造業
- 建設業
- 教育産業
- 医療・介護サービス
- 旅行業
- 電子通信業
- 不動産業
- 飲食業
- 運送・物流業
- そのほか(人材紹介業・ホテル業など)
必要なライセンスは、各業種の中でも事業ごとに異なります。
事業ごとに管轄省庁も異なるため、事前にリサーチしておきましょう。
事務手続きに予想以上に時間がかかる場合もある
シンガポールの法人登記は比較的簡単にできると言われていますが、思ったより手間と労力がかかります。
会社を設立するまでには、必要書類の作成・各種手続きなどをすべて完了させなければなりません。
慣れない外国での手続きかつ英語での作業は、想像以上にハードです。
準備がスムーズに進まず、想定よりも時間がかかる可能性もあります。
スムーズに会社設立を行うためにも、会社設立代行サービスや行政書士などの専門家に依頼するのがおすすめです。
まとめ
この記事では、シンガポールでの会社設立について解説しました。
どの企業形態で設立するかによって、メリット・デメリットは異なります。
加えて、業種によっては規制やライセンスの取得が必要な場合もあります。
シンガポールの法人登記は比較的容易ですが、スムーズにすべての申請を完了させるには、事前のリサーチと入念な準備が必要です。
準備に時間の取れない方は、行政書士などの会社設立代行の専門家に依頼するのをおすすめします。
プロフィール
2009年4月 行政書士個人事務所を開業
2012年8月 個人事務所を行政書士法人化し「さむらい行政書士法人」を設立
専門分野
外国人VISA・在留資格、外国人雇用・経営管理、永住・帰化申請
入管業務を専門とし、年間1000件以上の相談に対応







