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ロシア人が日本で興行ビザを取得する方法をわかりやすく解説

ロシア人のモデルやタレント、スポーツ選手など、ロシア人が日本で活動するために必要なのが興行ビザです。

 

しかし、そもそも興行ビザとはどんなビザなのか、ロシア人を招へいするためにはどのような手続きをしなけれならないのか、疑問に思っている方も多いのではないでしょうか。

 

そこで本記事では、

•興行ビザについて
•ロシア人を興行ビザで招へいするときの流れ
•興行ビザ取得のための必要書類
•ロシア人を招へいするときのポイント

について、わかりやすく解説します。

 

ロシア人を招へいしたいけど、何から始めたらいいのかわからないという方は、ぜひ参考にしてみてください。

興行ビザとは?

興行ビザとは、外国人が日本で働くために取得が必要な就労ビザの一種です。演劇、演奏、スポーツ活動、その他パフォーマンス活動など、いわゆる興行活動を行うために取得します。

 

職業としては、俳優、歌手、スポーツ選手、モデルなどが当てはまり、中でもタレントやダンサーとして興行ビザを取得する人が多いです。

 

別名「芸能ビザ」「エンタメビザ」と呼ばれています。

興行ビザの分類と取得要件

興行ビザは1号〜4号までの4つに分類されており、それぞれ取得のための要件も異なります。必要書類を準備する際にも1号〜4号で違いがでてくるので、はじめにしっかり確認しておくことが大切です。

1号

1号は演劇、演奏、歌謡、舞踊または演奏の興行に係る活動が対象になります。クラブや飲食店での興行活動も1号に当てはまります。

 

1号取得の要件は、他2号〜4号に比べて、最も審査が厳しく、取得が難しいとされています。1号取得の要件は以下の通りです。

•外国人は、海外教育機関で日本で行う興行活動について2年以上専攻した経験、もしくは2年以上海外で興行活動をした経験がある。
•日本の招へい機関が月20万円以上の報酬を支払うことを契約書などに明記している。
•招へい機関には、外国人と同じ興行活動について3年以上の経験がある経営者もしくは管理者がいる。
•招へい機関には、5名以上の従業員が常駐しており、経営者、従業員ともに違反行為を行っていない。さらに、暴力団員等ではない。
•招へい機関は、過去3年の興行契約で、外国人にしっかり報酬を支払っている。
•興行活動を行う施設は、不特定多数の相手に興行をする施設である。
•キャバクラやパブの場合、客の接待をする従業員が5名以上で、興行活動をする外国人が接待する恐れがない。
•興行活動を行う施設には、13㎡以上の舞台、9㎡以上の出演者控室がある。
•興行活動を行う施設には従業員が5名以上おり、従業員は違反行為を行っていない。さらに、暴力団員等ではない。

2号

2号は国や地域の公共機関、学校、劇団などでの演劇、演芸、歌謡、舞踊または演奏をするために取得するもので、2号の中でさらに5つに分類されています。

 

招へい機関の招へい実績や外国人の活動経験や実績は特に問われません。しかし、2号の興行ビザを取得するためには以下のいずれかに当てはまる必要があります。

•飲食を有償で提供しておらず、接待をしない施設、かつ、客席100名以上の施設で行う興行活動である。
•外国人の1日当たりの報酬が50万円以上で、15日以内に行われる興行活動である。
•観光客を招致することを目的としており、施設面積10万㎡以上の施設で行う興行活動である。
•国や地域公共団体が主催する興行活動や、学校で行われる興行活動である。
•海外との文化交流を目的としており、国や地域公共団体から支援を受けて設立された施設が主催する興行活動である。

3号

3号は演劇、演芸、歌謡、舞踊または演奏以外の興行活動で、主にスポーツなどに係る興行活動のために取得します。

 

3号では、招へい機関の実績や外国人の興行活動に関する経験、実績には決まった要件はありません。しかし、外国人に支払われる報酬は、日本人が従事するのと同等以上である必要があります。

4号

4号には商品または事業の宣伝活動、映画の制作に係る興行活動が当てはまります。具体的には、CM撮影、TVや映画への出演などの興行活動です。

 

3号同様、招へい機関や外国人に関する要件は特に定められていませんが、外国人の報酬は日本人が従事するのと同等以上支払われなければなりません。

ロシア人を招へいする際の流れ

ここでは、ロシア人を日本へ招へいするときの流れを解説します。申請から取得までスムーズに行うためにも、よく覚えておくと良いでしょう。

必要書類、在留資格認定証明書交付申請書の作成

興行ビザはいきなり申請して取得できるものではありません。まずは、在留資格認定証明書を交付してもらいましょう。在留資格認定証明書発行のためには、在留資格認証明書交付申請書といくつかの提出書類が必要です。

 

先ほどお伝えした興行ビザの種類(1号〜4号)によって必要となる書類は異なるので、1つ1つ確認しながら準備してください。書類漏れや不備があると、交付までに時間を要する場合があるので、事前の準備が大切です。

在留資格認定証明書を海外へ送付

在留資格認定証明書を交付されたら、外国人がビザを申請するためにロシアへ送付します。

 

本来、ビザ申請には在留資格認定証明書の原本が手元になければなりません。しかし、新型コロナ感染拡大の影響により、原本の発送が困難になっていることから、電子メール等で送付された在留資格認定証明書の写しでも申請が可能になりました(2022.08.09時点)。今後また対応が変更となる可能性があるので、送付方法については在ロシア大使館のホームページをチェックしましょう。

ビザの申請

ビザの申請自体は、基本的に外国人本人がロシア国内の在ロシア大使館で行う必要があります。ビザ申請に必要な書類は以下の通りです。

•ビザ申請書(2部)
•縦45㎜×横45㎜の顔写真
•パスポート
•パスポートの写し(顔写真ページのみ)
•国内パスポートの写し(顔写真と居住地登録スタンプ印があるページ)
•在留資格認定証明書
•在留資格認定証明書の写し

来日

ビザが交付されたらいよいよ来日です。在留資格認定証明書は、交付されてから来日までの有効期限が3か月です。

 

よって、在留資格認定証明書の有効期限が切れる前に来日する必要があります。そのため、在留資格認定証明書をあまり早く発行してしまわないように注意しましょう。来日予定日に合わせて準備することが大切です。

興行ビザの申請に必要な書類

ロシア人を日本に招へいする流れがわかったところで、在留資格認定証明書取得に必要な書類を確認しておきましょう。

 

必要書類は大きく分けて「申請人に関する書類」、「招聘機関・契約期間に関する書類」、「施設に関する書類」の3種類があります。

申請人に関する書類

申請人に関する書類は、基本的に1号〜4号まで同じものが必要です。以下の3つを準備しましょう。

1号、2号、3号

4号

必要書類

  • ・在留資格認定証明書交付申請書
  • ・縦4㎝×横3㎝の写真
  • ・申請人の経歴及び活動に係る経歴を証する文書
  • ・在留資格認定証明書交付申請書
  • ・縦4㎝×横3㎝の写真
  • ・申請人の芸能活動上の実績を証する文書

※在留資格認定証明書交付申請書は、在留資格の種類によって書式が異なります。興行であることをしっかり確認するようにしましょう。

※写真は申請前3か月以内に撮影し、無帽、無背景のものを使用します。写真の裏面に申請人の氏名を記載し、在留資格認定証明書交付申請書に貼付してください。

招聘機関・契約機関に関する書類

招聘機関、契約機関に関する書類は、1号〜4号で用意するものが若干異なります。種類別に確認しておきましょう。

1号

2号

必要書類

  • ・登記事項証明書
  • ・直近の決算書の写し
  • ・その他契約機関の概要を明らかにする資料
  • ・興行に係る契約書の写し
  • ・契約機関の経営者(又は管理者)及び常勤の職員(5名以上雇用していることが必要)の名簿
  • ・契約機関の経営者(又は管理者)が興行に係る業務を通算して3年以上経験していることを証する資料
  • ・申立書(契約機関の経営者及び常勤の職員が入管法第7条第1項2号の基準を定める省令の「興行」の項の下欄第1号ロ(3)に掲げる者のいずれにも該当していないことを申し立てる文書)
  • ・契約機関が過去3年間に締結した興行契約に基づいて興行の在留資格をもって在留する外国人に対して支払義務を負う報酬の全額を支払っていることを証する文書
  • ・滞在日程表、公演日程表、公演内容を知らせる広告、チラシ等
  • ・登記事項証明書
  • ・直近の決算書の写し
  • ・その他招へい機関の概要を明らかにする資料
  • ・従業員名簿
  • ・興行に係る契約書の写し
  • ・滞在日程表、興行日程表、子業内容を知らせる広告、チラシ等

 

3号

4号

必要書類

  • ・登記事項証明書
  • ・直近の決算書の写し
  • ・従業員名簿
  • ・請負契約書の写し

(招へい機関が興行を請け負っているとき)

  • ・雇用契約書の写し、出演承諾書の写し、またはそれらに準ずる文書のいずれか
  • ・滞在日程表、興行日程表、興行内容を知らせる広告、チラシ等
  • ・雇用契約書の写し、出演承諾書の写し、またはそれらに準ずる文書のいずれか
  • ・登記事項証明書
  • ・直近の決算書の写し
  • ・従業員名簿
  • ・案内書(パンフレット等)
  • ・受入れ機関の概要を明らかにするその他資料
  • ・滞在日程表、活動日程表、活動内容を知らせる広告、チラシ等

※契約機関の直近の決算書とは損益計算書や貸借対照表などを指します。

※1号の必要書類の中の、過去3年間外国人に対して報酬を全額支払っていることを証する文書は、

•興行契約に係る契約書の写し
•外国人が報酬を受けたことを証する領収書や銀行口座への振込記録の写し
•給与台帳等報酬を支払ったことを証する会計帳票の写し
•非居住者・外国法人の所得についての所得税徴収高計算書(納付書)等の納税関係書類
•決算書及び法人税申告書

のいずれかを提出しましょう。

施設に関する書類

施設に関する書類は1号〜3号のビザを取得するときに必要です。以下のものを準備しましょう。

1号、2号

3号

必要書類

  • ・営業許可書の写し
  • ・施設の図面(間取りなどが記載されているもの)
  • ・施設の写真(客席、控室、外観など)
  • ・営業許可書の写し
  • ・施設の図面(間取りなどが記載されているもの)
  • ・施設の写真(客席、控室、外観など)
  • ・従業員名簿
  • ・登記事項証明書
  • ・直近の決算書の写し

※3号のビザ取得に必要な直近の決算書とは、損益計算書や貸借対照表などを指します。

ロシア人を呼ぶ場合のポイント

ロシア人を日本に招へいする際にはいくつか気を付けるべきポイントがあります。確実にビザを取得するために、ぜひ覚えておいてくださいね。

プロであることが重要

プロなのかアマチュアなのかということは、スポーツ選手を招へいする際に非常に大切になります。基本的に興行ビザで外国人スポーツ選手が来日するためには、プロでなければなりません。アマチュアのスポーツ選手は、特定活動ビザの対象となります。

 

日本のスポーツはプロ化しているものが少なく、世界的に競技レベルが低くなくてもアマチュアとみなされることもあります。スポーツの種類によって、どんな選手が興行ビザの対象になるのかは異なりますので、事前に確認しておきましょう。

日本で活動を行う施設の契約書、図面、施設の写真が必要

1号〜3号までの興行ビザ取得には、興行活動を行う施設の契約書、図面、施設の写真の提出が必要です。特に1号や2号は、興行ビザ取得の要件の中にも、興行活動を行う施設の大きさが定められています。漏れることのないよう、契約書、図面、写真をしっかり準備しましょう。

日本で初めて活動する場合は経歴や活動内容の証明を提出する必要がある

1号以外では、外国人の興行活動についての経歴や実績は要件に含まれていません。しかし、1号〜4号すべてのビザ取得において、外国人の興行活動に係る経歴を証する文書の提出が必須です。活動経歴のない外国人を招へいすることはあまりないですが、提出できるよう、文書として用意しておきましょう。

興行ビザの在留期間

興行ビザの在留期間は、3年、1年、6か月、3か月、15日のいずれかだと決められています。しかし、必ずしも希望通りの在留期間が承認されるとは限りません。

 

申請書に記載する「就労予定期間」や「希望在留期間」、別書類で提出する滞在スケジュールなどを照らし合わせて厳正に審査されます。3年や1年のような長期の在留期間は、ほとんどの場合プロスポーツ選手や大きな実績を持つ外国人などに認められています。

 

在留期間を延長する場合は、6か月や3か月で申請をする場合が多いです。

まとめ

ロシア人を興行ビザで招へいする方法について解説してきましたが、いかがでしたでしょうか。

 

興行ビザには1号〜4号まで種類があり、それぞれ取得要件が定められています。日本での活動内容によってどの種類の興行ビザを取得するのかが変わってくるので、注意しましょう。

 

また、興行ビザ取得のための必要書類も種類ごとで異なります。提出する書類は複数あるので、不備がないように準備することが大切です。

 

ぜひ今回解説したことを参考にしていただき、ロシア人招へいをスムーズに行えるよう準備してみてくださいね。

 この記事の監修者

さむらい行政書士法人 代表 / 小島 健太郎

さむらい行政書士法人
公式サイト https://samurai-law.com

代表行政書士

小島 健太郎(こじま けんたろう)

 

プロフィール

2009年4月 行政書士個人事務所を開業
2012年8月 個人事務所を行政書士法人化し「さむらい行政書士法人」を設立

専門分野

外国人VISA・在留資格、外国人雇用・経営管理、永住・帰化申請
入管業務を専門とし、年間1000件以上の相談に対応

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