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前科・前歴・犯罪歴がある外国人は就労ビザを取得して日本に入国できる?

前科・前歴・犯罪歴のある外国人でも、就労ビザを取得できるのか気になる方も多いのではないでしょうか。結論からいうと、犯罪の内容などによっては取得できる可能性もゼロではありません。

 

今回は、前科や犯罪歴のある外国人が就労ビザを取得できるのかについて解説した上で、入国に関わるポイント、就労ビザ取得後の注意点などを紹介します。日本で働きたい外国の方や、外国人の受け入れを検討している企業の方はぜひ参考にしてください。

前科・前歴・犯罪歴がある外国人は就労ビザを取得できる?

前科や犯罪歴のある外国人が就労ビザの取得を目指す場合、申請自体は可能ですが、出入国在留管理庁による審査には少なからず影響を及ぼす可能性があります。その理由として、就労ビザの審査では、申請者本人の素行がチェックされるためです。

 

素行は善良であることが前提で、もし良好でない場合は審査が不利に働くおそれがあります。

 

一例として素行に関する審査では、以下のような項目が確認されています。

<「素行」の審査項目の一例>

・前科・犯罪歴

・破産歴

・重加算税

・運転経歴

・交通事故

・納税状況

・年金支払い状況

・申請者の家族の素行

上記のとおり、素行の審査では前科・犯罪歴についてもチェックされます。

前科・前歴・犯罪歴を隠して入国した外国人はどうなる?

万が一、外国人が前科・犯罪歴などを隠して就労ビザの許可もしくは交付を受けると、就労ビザを取り消される事由や、刑事罰の対象になるので注意が必要です。

【在留資格の取消し(入管法第22条の4第1項1号)】

偽りその他不正の手段により、当該外国人が第5条第1項各号のいずれにも該当しないものとして、前章第1節又は第2節の規定による上陸許可の証印(第9条第4項の規定による記録を含む。次号において同じ。)又は許可を受けたこと。

【退去強制(入管法第24条第1項2号の2)】

入管法第22条の4第1項(第1号又は第2号に係るものに限る。)の規定により在留資格を取り消された者

【刑事罰(入管法70条1項第2号の2)】

偽りその他不正の手段により、上陸の許可等を受けて本邦に上陸し、又は第4章第2節の規定による許可を受けた者

※参考:e-Gov法令検索「昭和二十六年政令第三百十九号 出入国管理及び難民認定法」

 

刑事罰の対象になると、「3年以下の懲役」や「300万円以下の罰金」が科されるおそれがあるので注意しましょう。

前科・前歴・犯罪歴のある外国人の入国に関わるポイント

次に、前科・前歴・犯罪歴のある外国人が入国する際のポイントとして、犯罪や刑罰の内容について紹介します。

犯罪の内容

入管法によると、以下のように麻薬や大麻などで刑に処されている場合は、上陸拒否の対象となります。

【上陸の拒否( 入管法第5条第1項5号)】

麻薬、大麻、あへん、覚醒剤又は向精神薬の取締りに関する日本国又は日本国以外の国の法令に違反して刑に処せられたことのある者

※参考:e-Gov法令検索「昭和二十六年政令第三百十九号 出入国管理及び難民認定法」

 

一方で、上陸の拒否事由に該当しない犯罪もあります。入管法第5条1項4号では、「ただし、政治犯罪により刑に処せられた者は、この限りでない。」と但し書きが記載されているため、政治犯罪者として処されていた外国人は、上陸拒否の対象にはなりません。

刑罰の内容

外国人がこれまで受けていた刑罰の内容によって、上陸拒否の対象となる場合もあるので注意しましょう。入管法第5条では以下のように規定されています。

【上陸の拒否( 入管法第5条第1項4号)】

日本国又は日本国以外の国の法令に違反して、1年以上の懲役若しくは禁錮又はこれらに相当する刑に処せられたことのある者。

※参考:e-Gov法令検索「昭和二十六年政令第三百十九号 出入国管理及び難民認定法」

 

上記のとおり、1年以上の懲役や禁錮刑などに処されたことのある外国人は、上陸拒否に該当します。

上陸の拒否の特例・上陸特別許可

就労ビザを含めビザを申請する際に犯罪歴などを申告しても、上陸が問題ないと認められる場合は「上陸の拒否の特例」が適用される可能性があります。また、「法務大臣の裁決の特例」によって、上陸が特別に許可されるケースもあります。

 

上陸の拒否の特例について、以下で詳しく確認しましょう。

【上陸の拒否の特例(入管法第5条の2)】

法務大臣は、外国人について、前条第1項第4号、第5号、第7号、第9号又は第9号の2に該当する特定の事由がある場合であつても、当該外国人に第26条第1項の規定により再入国の許可を与えた場合その他の法務省令で定める場合において、相当と認めるときは、法務省令で定めるところにより、当該事由のみによつては上陸を拒否しないこととすることができる。

【法務大臣の裁決の特例(入管法第12条第1項)】

法務大臣は、前条第3項の裁決に当たつて、異議の申出が理由がないと認める場合でも、当該外国人が次の各号のいずれかに該当するときは、その者の上陸を特別に許可することができる。

1号 再入国の許可を受けているとき。

2号 人身取引等により他人の支配下に置かれて本邦に入つたものであるとき。

3号 その他法務大臣が特別に上陸を許可すべき事情があると認めるとき。

※参考:e-Gov法令検索「昭和二十六年政令第三百十九号 出入国管理及び難民認定法」

 

入管法第5条の2により、再入国が相当と認められた外国人は上陸の拒否の特例が適用されます。また、外国人が再入国の許可を受けている場合や、上陸許可に関する特別な事情を法務大臣が認める場合などは、上陸許可を得られる場合があります。

刑を受けてからの期間

懲役刑や罰金刑の前歴があると、就労ビザ申請の審査に通るのは厳しいかもしれません。しかし、一定の期間が経過することで審査に通過する可能性もあります。

 

就労ビザではありませんが、永住許可申請のケースでは、懲役刑の場合は刑を受けてから10年、罰金刑の場合は刑を受けてから5年が経過すると、審査に通る可能性があるといわれています。

就労ビザを取得した外国人が日本に入国する際の注意点

就労ビザ申請が許可された外国人は、海外にある在外日本公館や領事館で、ビザ(査証)を発行してもらう必要があるので留意しておきましょう。

 

就労ビザは、日本で働く資格の証明に必要な書類で、日本の出入国在留管理庁で発行します。一方、ビザ(査証)は外国人の日本への入国が問題ないことを証明する書類です。

 

たとえば、外国人の入社日が決まっている場合は、スムーズな手続きを実現するためにも行政書士などの専門家への相談をおすすめします。

まとめ

前科や犯罪歴のある外国人であっても、就労ビザの申請自体は可能ですが、審査に通過するかは別問題です。犯罪や刑罰の前歴などは審査に影響が出る可能性があるため、入国を予定している申請者本人の情報と照らし合わせて、前もって確認しておきましょう。

 

就労ビザの申請に際しては、種類に応じてさまざまな書類を準備する必要があります。専門家の手を借りてスムーズに申請したい方は、ぜひ「さむらい行政書士法人」までご相談ください。

 

当事務所では毎月50~100件ほどの就労ビザ申請を手がけており、これまで数多くの外国人の入国をサポートして参りました。オンラインによる無料相談も受け付けていますので、ぜひお気軽にお問い合わせください。

 この記事の監修者

さむらい行政書士法人 代表 / 小島 健太郎

さむらい行政書士法人
公式サイト https://samurai-law.com

代表行政書士

小島 健太郎(こじま けんたろう)

 

プロフィール

2009年4月 行政書士個人事務所を開業
2012年8月 個人事務所を行政書士法人化し「さむらい行政書士法人」を設立

専門分野

外国人VISA・在留資格、外国人雇用・経営管理、永住・帰化申請
入管業務を専門とし、年間1000件以上の相談に対応

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