フランスから日本に就労目的で来る際に必要となる就労ビザを一部紹介!
就労することを目的にフランスから日本へ来る際、どのようなビザが必要なのか知りたい方も多いのではないでしょうか。日本の在留資格は30種類近くあるため、自身が必要なビザを事前に把握しておくことが大切です。
今回は、フランスから日本へ就労する際に必要なビザを紹介した上で、特にフランス人の取得者が多い「興行ビザ」の取得要件や必要書類についても詳しく解説します。
フランスから日本に就労目的で来る際に必要となるビザとは?
フランス人に限らず、外国人が日本で働く場合は就労ビザの取得が必須です。以下では、19種類ある就労ビザを一覧で紹介します。
・外交
・公用
・教授
・芸術
・宗教
・報道
・高度専門職
・経営・管理
・法律・会計業務
・医療
・研究
・教育
・技術・人文知識・国際業務
・企業内転勤
・介護
・興行
・技能
・特定技能
・技能実習
上記の中でも、「興行ビザ」や「技術・人文知識・国際業務ビザ」を取得して、日本で就労しているフランス人は多い傾向です。それぞれの就労ビザの特徴について、以下の項目で詳しく見ていきましょう。
興行ビザ
興行ビザとは、演劇や演奏、スポーツなどの興行に関わる活動、もしくはその他の芸能活動に従事する外国人が取得できる就労ビザのことです。具体的な職業例には、俳優や歌手、プロスポーツ選手などが当てはまります。
外務省の「令和4年(2022年)ビザ(査証)発給統計」によると、興行ビザが発給されたフランス人の数は1,063です。フランス人の就業に関する在留資格の発給数は1,914であるため、興行ビザは全体の55.5%の割合を占めていることがわかります。
興行ビザの詳細については、ぜひこちらも参照してください。
技術・人文知識・国際業務ビザ
技術・人文知識・国際業務ビザとは、理系もしくは文系の分野の技術・知識を活かした仕事に就く外国人が取得対象の就労ビザのことです。具体例を挙げると、エンジニアや通訳者、マーケティング業務の従事者などが該当します。
外務省の「令和4年(2022年)ビザ(査証)発給統計」によると、フランス人に対する技術・人文知識・国際業務ビザの発給数は464です。これは、フランス人の就業に関する在留資格のうち、24.2%の割合を占めています。
技術・人文知識・国際業務ビザの詳細は、こちらもご参照ください。
フランス人の多くが有する「興行ビザ」の取得要件
ここからは、フランス人の多くが取得する興行ビザの取得要件について詳しく解説します。
フランス人本人における要件
フランス人が興行ビザを取得する際は、以下のいずれかに該当している必要があります。
1.外国の教育機関において当該活動に係る科目を2年以上の期間専攻したこと。
2.2年以上の外国における経験を有すること。
※参考:e-Gov法令検索:「平成二年法務省令第十六号 出入国管理及び難民認定法第七条第一項第二号の基準を定める省令」
上記のとおり、興行ビザの取得と関係した科目を2年以上専攻している、もしくは外国で2年以上の経験を積んでいるという要件に当てはまる必要があります。ただし、興行によって個人が得られる報酬額、あるいは団体として受け取る総額が1日あたり500万円以上の場合は、上記の要件が問われない可能性があります。
招聘機関における要件
フランス人を招聘する機関は、月額20万円以上の報酬を支払う義務について、契約書などで明示することが前提となります。その上で、以下4つのいずれの要件も満たす必要があります。
1.外国人の興行に係る業務について通算して3年以上の経験を有する経営者又は管理者がいること。
2.5名以上の職員を常勤で雇用していること。
3.当該機関の経営者又は常勤の職員が次のいずれにも該当しないこと。
(1)人身取引等を行い、唆し、又はこれを助けた者
(2)過去5年間に法第二十四条第三号の四イからハまでに掲げるいずれかの行為を行い、唆し、又はこれを助けた者
(3)過去5年間に当該機関の事業活動に関し、外国人に不正に法第3章第1節若しくは第2節の規定による証明書の交付、上陸許可の証印(法第9条第4項の規定による記録を含む。以下同じ。)若しくは許可、同章第4節の規定による上陸の許可又は法第4章第1節、第2節若しくは法第5章第3節の規定による許可を受けさせる目的で、文書若しくは図画を偽造し、若しくは変造し、虚偽の文書若しくは図画を作成し、若しくは偽造若しくは変造された文書若しくは図画若しくは虚偽の文書若しくは図画を行使し、所持し、若しくは提供し、又はこれらの行為を唆し、若しくはこれを助けた者
(4)法第74条から第74条の8までの罪又は売春防止法(昭和三十一年法律第百十八号)第6条から第
13条までの罪により刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から5年を経過しない者
(5)暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律(平成三年法律第七十七号)第2条第6号に規定する暴力団員(以下「暴力団員」という。)又は暴力団員でなくなった日から5年を経過しない者
4.過去3年間に締結した興行契約に基づいて興行の在留資格をもって在留する外国人に対して支払義務を負う報酬の全額を支払っていること。
※参考:e-Gov法令検索:「平成二年法務省令第十六号 出入国管理及び難民認定法第七条第一項第二号の基準を定める省令」
招聘機関は、フランス人が行う興行活動について、通算3年以上の経験を持つ経営者または管理者がいるという要件や、5人以上の常勤職員を雇用している要件を満たす必要があります。
ただし、申請人が「外国の民族料理を提供する飲食店の運営機関」と契約し、飲食店で外国の民族音楽に関する歌謡、舞踊、または演奏の活動に従事して、月額20万円以上の報酬を受ける際は、招聘機関との契約が不要です。
出演施設における要件
フランス人が出演する施設は、以下の要件のいずれにも該当していなければなりません。
1.不特定かつ多数の客を対象として外国人の興行を行う施設であること。
2.風営法第2条第1項第1号に規定する営業を営む施設である場合は、次に掲げるいずれの要件にも適合していること。
(1)専ら客の接待に従事する従業員が5名以上いること。
(2)興行に係る活動に従事する興行の在留資格をもって在留する者が客の接待に従事するおそれがないと認められること。
3.13平方メートル以上の舞台があること。
4.9平方メートル(出演者が5名を超える場合は、9平方メートルに5名を超える人数の1名につき1.6平方メートルを加えた面積)以上の出演者用の控室があること。
5.当該施設の従業員の数が5名以上であること。
6.当該施設を運営する機関の経営者又は当該施設に係る業務に従事する常勤の職員が次のいずれにも該当しないこと。
(1)人身取引等を行い、唆し、又はこれを助けた者
(2)過去5年間に法第24条第3号の四イからハまでに掲げるいずれかの行為を行い、唆し、又はこれを助けた者
(3)過去五年間に当該機関の事業活動に関し、外国人に不正に法第3章第1節若しくは第2節の規定による証明書の交付、上陸許可の証印若しくは許可、同章第4節の規定による上陸の許可又は法第4章第1節、第2節若しくは法第5章第3節の規定による許可を受けさせる目的で、文書若しくは図画を偽造し、若しくは変造し、虚偽の文書若しくは図画を作成し、若しくは偽造若しくは変造された文書若しくは図画若しくは虚偽の文書若しくは図画を行使し、所持し、若しくは提供し、又はこれらの行為を唆し、若しくはこれを助けた者
(4)法第74条から第74条の8までの罪又は売春防止法第6条から第13条までの罪により刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から5年を経過しない者
(5)暴力団員又は暴力団員でなくなった日から5年を経過しない者
※参考:e-Gov法令検索:「平成二年法務省令第十六号 出入国管理及び難民認定法第七条第一項第二号の基準を定める省令」
まず、興行ビザを取得したフランス人が出演する施設は、13平方メートル以上の舞台を備えており、従業員が5名以上いることが条件です。また、原則9平方メートルの控室を備えているなど、細かなところも規定されているので注意しておきましょう。
興行ビザの申請に必要な書類
フランス人が興行ビザを新たに申請する際、「在留資格認定証明書交付申請書」や「申請者本人の写真」は、活動内容を問わず必要となります。
一方、活動内容によって異なる書類もあります。たとえば、演劇、演芸などの活動を予定している場合は、契約機関に関する「登記事項証明書」「直近の決算書の写し」などが必要です。
また、映画や放送番組の製作活動を予定している場合は、「申請人の芸能活動上の実績を証する資料」などを用意しなければなりません。
興行ビザの必要書類の詳細については、こちらの出入国在留管理庁のサイトでご確認ください。
まとめ
フランス人が日本で就労する際は、事前に就労ビザを取得しておかなければなりません。特に興行ビザを申請するフランス人は多い傾向ですが、フランス人本人や招聘機関の要件を満たしておく必要があるほか、活動内容によって必要な書類は異なります。
就労ビザの申請にあたって、専門家へ相談したいという方は、毎月50~100件の就労ビザ申請を手がけている「さむらい行政書士法人」へお任せください。当事務所のサポートでは、経験豊富な専門家が必要書類を準備するため、お客さまの負担を最小限に抑えられます。
これから日本での就労や興行を検討しているフランスの方や、招聘する企業担当の方は、お気軽に無料相談をご活用ください。
この記事の監修者
プロフィール
2009年4月 行政書士個人事務所を開業
2012年8月 個人事務所を行政書士法人化し「さむらい行政書士法人」を設立
専門分野
外国人VISA・在留資格、外国人雇用・経営管理、永住・帰化申請
入管業務を専門とし、年間1000件以上の相談に対応
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