教授ビザの要件や収入・アルバイトや永住権は?
教育ビザや研究ビザで滞在していた方が、大学や専門学校の教職のポストを得た場合は、教授ビザへの変更が必要となります。
また、非常勤講師として在留期間1年の教授ビザで滞在していた方が雇用期間の定めのない専任教授になることが決まった場合等では、在留期間5年の教授ビザへの更新が望まれます。
本記事では、教授ビザ(在留資格「教授」)について、取得要件や変更・更新時の手続きなどを解説します。
在留資格「教授」(教授ビザ)とは?
本章では、在留資格(教授)について、取得要件や類似の在留資格との違いを解説します。
在留資格「教授」 について
教授ビザ(在留資格「教授」)は、日本における学術研究及び高等教育の向上を目的として、外国から大学教授などを受け入れるために設けられた就労ビザです。
取得要件
教授ビザの取得要件は、「日本の大学もしくはこれに準ずる機関または高等専門学校において、研究・指導・教育のいずれかの活動を行うこと」です。
在留期間
教授ビザの在留期間は5年・3年・1年または3か月です。
取得できる勤務先と活動
教授ビザの取得要件である「日本の大学もしくはこれに準ずる機関または高等専門学校」に該当するのは、次の教育機関です。
教育機関 | 具体例 |
|---|---|
大学・高等専門学校 | ・4年制大学 ・6年制大学 ・短期大学 ・大学院 ・大学の別科・専攻科※大学付属研究所 ・高等専門学校 ※別科:大学に入学できる資格を有する者が簡易的な技能教育を受ける目的とする課程(修業年限1年以上・修了後の進路は就職に限られる) ※専攻科:大学の卒業生や、卒業生と同等以上の学力を有する者に対して勉学の教授・研究指導をすることを目的とする課程(修業年限1年以上・修了後の進路は就職に限られる) ※専攻科:大学の卒業生や卒業生と同等以上の学力を有する者に対して勉学の教授・研究指導をすることを目的とする課程(修業年限1年以上) |
大学と同等と認められる教育機関 | 水産大学校 海技大学校(分校を除く)航海訓練所 航空大学校 海上保安大学校 気象大学校 防衛大学校 防衛医科大学校 職業能力開発総合大学校 職業能力開発大学校 航空保安大学校国立海上技術短期大学校(専修科のみ) |
大学共同利用機関 | 国立天文台 国立極地研究所 国立遺伝学研究所 統計数理研究所 国際日本文化研究センター 核融合科学研究所 国立情報学研究所 |
大学に準ずる機関 | 大学入試センター 大学評価・学位授与機構 |
また、教授ビザで認められる活動は「研究及び研究の指導または教育」です。
これには、研究室等での研究活動、及び大学生・大学院生の研究指導、講義や実習の指導などが含まれます。
「教授ビザ」の要件はやや厳しい
このように、教授ビザに該当する教育・研究機関が限定されていることや、収入要件なども求められていることから、教授ビザの要件はやや厳しいといえます。
要件次第では「研究ビザ」などになることも
教授ビザでは、大学及び大学に準ずる機関・施設以外での研究ができません。
研究活動を一般企業や認可法人、特殊法人などで行う場合は、研究ビザ(在留資格「研究」)に該当します。
教授ビザに該当しない大学に準ずる機関
申請者が在留期間中に所属する機関が、教授ビザで認められる教育機関に該当しない場合は、教授ビザの取得要件を満たさないことになります。
教授ビザに該当しない「大学に準ずる機関」として、以下が挙げられます。
- ・株式会社・財団法人・学校法人・特定非営利法人・職業訓練法人等が設置する大学校
- ・中小企業大学校、社会保険大学校、道府県立の農業大学校
- ・警察大学校等の各省所管の大学校
永住権を取得するには10年間の滞在などの条件が必須
教授ビザを含む就労ビザの取得者は、以下の条件をすべて満たせば永住権申請が可能になります(入管法第22条)。
- ・素行が善良であること
- ・独立の生計を営むに足りる資産または技能を有すること
- ・罰金刑以上の有罪判決を受けたことがないこと
- ・公的義務を適正に履行していること
- ・現時点で最長の在留期間(教授ビザの場合は5年)によって在留していること
- ・引き続き10年以上日本に在留し、そのうち5年以上就労していること
このように、一般的には永住権を取得する上で、まず「継続して10年以上在留、5年以上就労」というハードルをクリアしなければなりません。
ところが、教授ビザで入国した方の場合は、「高度専門職1号イ」の在留資格に該当する高度外国人材ポイント※を70以上獲得すれば、最短1年(または3年)で永住ビザ申請が可能になります。
また、高度専門職のポイントが70に満たない場合でも、在留期間5年で永住許可が認められる可能性もあります。
「日本国への貢献(教育・研究分野)があった」とみなされた場合は、研究実績により、短期間でも永住権の申請が可能になることは、教授ビザのメリットの1つです。
ただし、以下の2点に注意してください。
- ・高度専門職ビザの在留期間は「5年」に限られるため、ポイント制度によって永住権申請を可能にするためには、契約期間の定めのない雇用契約により雇用されている必要がある
- ・非常勤講師の場合は、契約期間が5年に及ぶことはほとんどないため、短期間で永住権申請できるのは、事実上、常勤の場合に限られる
※「高度専門職1号イ」とは、高度専門職ポイント計算表により区分されています。
「学歴(学位・出身校)」「職歴」「年収」「研究実績」「日本語能力」などの各項目に割り当てられたポイントの合計が、70以上が条件です。
非常勤の場合はアルバイトを含めて収入要件がある
非常勤で就労する場合も、教授ビザを取得できます。
ただし、教授ビザを取得するためには、この在留資格の活動内容によって生計を立て、安定した生活ができることが必要です。
非常勤講師の場合は、掛け持ちによる合算収入にて、生計を維持できる程度であれば十分に足ります。
仮に、教授ビザの活動範囲での報酬が十分に得られない場合は、資格外活動許可を取得してアルバイトなどによる収入によって、補うことが認められています。
教授ビザでの収入と、アルバイトの収入を合わせた額が「生計を維持できる程度」に達していれば、教授ビザの収入要件はクリアできます。
ただし、資格外活動の収入が教授ビザでの収入を超えてしまうと、教授ビザでの在留が認められなくなるので注意が必要です。
資格外活動許可が必要な場合
教授ビザを持つ方が、副業やアルバイトで収入を得たい場合は、入管局に「資格外活動許可申請」を行い、資格外活動許可を得る必要があります。
なお、教授ビザで認められる資格外活動許可は、活動内容や範囲を指定した「個別許可」であることに注意が必要です。
ただし、一般的に「アルバイト」として想像されるコンビニやスーパーの店員の仕事などの場合は、「包括許可」を得られる場合に限られ、個別許可では認められていません。
ほかのビザとの違い
教授ビザと似たビザに「研究ビザ」や「教育ビザ」などがあります。
ここでは、教授ビザと研究ビザ・教育ビザとの違いをご説明します。
研究ビザとの違い
研究ビザとの違いは「所属する機関」「研究の指導や教育の可否」及び「上陸許可基準の有無」にあります。
教授ビザと異なり、研究ビザでは、一般企業や認可法人、特殊法人などでの研究活動が認められています。
一方、研究ビザでは、教授ビザで認められている「研究の指導や教育」ができません。
また、教授ビザでは上陸許可基準がなく、学歴や研究経験などが問われないのに対して、研究ビザでは学歴や研究経験などが審査要件となります。
具体的には「大学卒業後に、その研究分野で修士号を取得または3年以上研究に従事していること」または、「その研究分野で10年以上実務経験を有すること」が必要です。
教育ビザとの違い
教授ビザと教育ビザとの違いは、主に所属する機関にあります。
教授ビザに該当する教育・研究機関は「大学及び大学に準ずる機関」であるのに対して、教育ビザに該当する機関は以下の通りです。
- ・小学校・中学校・義務教育学校(インターナショナルスクールの15歳以下の部等)
- ・高等学校・中等教育学校・特別支援学校
- ・専修学校・各種学校
- ・設備及び編成に関して各種学校に準ずる教育機関
おおよそ、初等教育・中等教育機関に属する機関に該当するのが教育ビザといえます。
ビザを変更・更新する方法
ここでは、他のビザから教授ビザに変更する場合や、教授ビザを更新する場合の方法を解説します。
在留資格変更許可申請と在留期間更新許可申請について
まずは、教授ビザへの在留資格変更許可申請と、教授ビザでの在留期間更新許可申請についてご説明します。
条件を満たせば変更・更新は可能
教授ビザへの変更や、在留期間の更新は、教授ビザの取得条件である「日本の大学もしくはこれに準ずる機関または高等専門学校において、研究・指導・教育のいずれかの活動を行うこと」を満たしていれば、再度認められます。
不許可になっても再申請は可能
変更申請や更新申請が不許可になった場合でも、再申請は可能です。
ただし、再申請を行った場合、初回の申請よりも審査基準が厳しくなることが多いです。
初回の申請時と再申請時で、申請者の状況に明確な変化がない限り、再申請で許可を受けられる可能性は高いとはいえません。
申請判断の考慮事項(ガイドライン)
教授ビザの更新及び、教授ビザへの変更申請に対しては、法務省のガイドラインに基づいて以下の事項が考慮されます。
素行不良でないこと
変更・更新手続きの際、素行に問題がないかどうかも考慮されます。
罰金刑以上の有罪判決を受けた場合や、不法就労あっせんなど、出入国在留管理上見逃せない悪質な行為が行われた場合などは、素行不良として審査上マイナス要素になります。
独立して生計をたてられる資産があること
教授ビザへの変更及び教授ビザの更新の場合は、申請者の生活状況として「日常生活において公共の負担となっておらず、かつ、資産や技能からみて安定した生活が見込まれること」が求められます。
家族を帯同する場合は、世帯単位でこの要件を満たしていると認められれば足ります。
なお、教授ビザは就労ビザであるため、生活保護の受給は認められていません。
収入が十分でないと判断された場合も、「在留を認めるべき人道上の理由が認められる場合」にはその理由が考慮されます。
例として、本国が内戦状態や、他国との戦争状態にある場合などが考えられます。
納税義務を履行していること
さらに、納税義務の履行も要件となります。
納税義務を履行していることを証明するため、変更・更新を申請する際、前年の総所得及び納税状況が記載された証明書を添付してください。
変更申請について
教授ビザへの変更手続きの流れ、必要書類、手続きにかかる期間と費用については以下の通りです。
手続きの流れ
教授ビザへの変更手続きの流れは以下の通りです。
1.教授ビザの要件・必要書類を確認する
2.在留資格変更許可申請書と添付書類を、申請者の現在の居住地を管轄する地方入管局に提出するか、出入国在留管理庁のオンライン申請サイトにアップロードする※
3.審査が行われる
4.申請者に審査結果が通知される
5.在留資格変更が許可された場合は、入管局で新しい在留カードを受け取る(オンライン申請の場合は郵送で受け取る)
※オンライン申請は、申請者がマイナンバーカードを取得している場合に可能です。
必要書類
教授ビザへの変更手続きには、以下の書類が必要となります。
【常勤職員として勤務する場合】
- ・在留資格変更許可申請書
- ・写真(縦4cm×横3cm)
- ・パスポート
- ・在留カード
【非常勤職員として勤務する場合】
非常勤職員として勤務する場合は、上記の4点に加えて「所属が予定される機関が作成する、申請者の活動内容・期間・地位及び報酬を証明する文書」が必要です。
手続きにかかる期間と費用
教授ビザへの変更手続きにかかる期間(審査期間)は、おおよそ1か月~2か月程度です。
提出書類に不備があったり、追加の提出資料が必要になった場合などは、それよりも長くかかる可能性があります。
更新申請について
更新申請の手続きの流れ、必要書類等は変更手続きの場合とほぼ同じです。
ただし、同一ビザの更新手続きであるため、
- ・これまでの在留期間中の活動内容
- ・報酬
- ・納税状況
などを証明する文書が必要になるといった点で異なります。
手続きの流れ
教授ビザの更新手続きの流れは以下の通りです。
1.ビザの要件・必要書類を確認する
2.在留期間更新許可申請書と添付書類を地方入管局に提出するか、オンライン申請サイトにアップロードする
3.審査が行われる
4.申請者に審査結果が通知される
5.入管局(オンライン申請の場合は郵送)で新しい在留カードを受け取る
必要書類
教授ビザの更新手続きの必要書類は以下の通りです。
- ・在留期間更新許可申請書
- ・パスポート
- ・在留カード
- ・3か月以内に撮影した写真
- ・過去の在留期間中の活動内容、期間、所属機関での地位及び実際に受けた報酬を法明する文書(在職証明書・雇用契約書などの写し)
- ・理由書
- ・住民税の課税証明書(前年度1年間の総所得が記載されたもの)
手続きにかかる期間と費用
更新手続きにかかる期間は、通常2週間から1か月程度です。
在留期限直前に更新申請をした場合、審査中に在留期限を過ぎてしまっても、在留期限から2か月間は特例により在留が認められます。
更新手続きにかかる費用は、おおむね以下の通りです。
- ・更新許可申請の手数料4,000円(収入印紙を納付書に貼って提出する)
- ・証明写真の撮影料金(数百円~数千円)
- ・卒業証明書等の発行手数料(学校により異なる)
変更・更新時の帯同家族について
教授ビザの取得者は、家族を帯同できます。
ここでは、教授ビザの変更・更新の際の家族ビザの手続きについてご説明します。
家族ビザも更新が必要
教授ビザの家族滞在ビザの在留期間は、扶養者である教授ビザ取得者の在留期間と同じです。
教授ビザで更新が必要な場合は、家族ビザも更新が必要となります。
家族ビザの更新にあたっては、家族関係や扶養の事実を証明する書類、扶養者の扶養意思及び資力を証明する書類の提出が必要です。
扶養者の在留期間更新許可申請が不許可になると更新できない
家族ビザでの滞在は、扶養者の在留資格が認められていることが条件となります。
扶養者の在留期間更新許可申請が不許可になった場合、家族ビザの更新も認められないので、注意が必要です。
扶養者が帰国しても在留期間中は家族ビザが有効
一方、扶養者及び家族の在留期間中に扶養者が帰国した場合でも、教授ビザの在留期限までは家族ビザが有効です。
何らかの事情で家族が一緒に帰国できない場合でも、在留期限までは日本に滞在できます。
教授ビザに変更するにあたって
他のビザから教授ビザに在留資格を変更する場合は、以下のことに注意しましょう。
ビザの申請には時間がかかるので申請期間にゆとりを持つ
まず、教授ビザの申請手続きには時間がかかるため、審査中に現在のビザの在留期限を過ぎないよう、余裕を持って申請してください。
教授ビザは比較的難易度が高いビザである
教授ビザは上陸許可基準がなく、学歴や研究実績などの履歴が問われない一方で、
- ・該当する教育・研究機関が限定されていること
- ・報酬基準が問われる
などの点で、比較的難易度が高いビザであるといえます。
申請者本人や、招聘する機関側が申請手続きを行うことは可能ですが、書類不備や誤記載によって不許可になる可能性もあります。
申請手続きに時間を要する
教授ビザを申請する場合、必要書類の収集・作成に時間がかかることに加えて、申請から結果が出るまで2~3か月程度かかります。
また、書類作成や手続き上のミスがあると、修正や追加書類提出を求められて、審査が長引いてしまいます。
申請をクリアするには不備なく書類を提出することが重要
教授ビザの認定を得るためには、必要書類を不備なく提出することが重要です。
さらに、申請書類については以下の点にも注意しましょう。
- ・提出する書類はすべて「申請時点から3か月以内」に作成されたものなければならない
- ・日本語以外で作成された書類については、すべて日本語訳を添付する必要がある
これらをクリアした上で、やっと審査が始まりますので、ご注意ください。
申請は経験のある行政書士などの専門家に依頼しよう
教授ビザを確実に取得する、あるいは更新許可を得るためには、ビザ申請代行の実績のある行政書士などの専門家への依頼がおすすめです。
専門家に依頼することで、書類の不備等によるトラブルを防げるほか、申請者や招聘期間の労力や、申請準備にかかる時間を大幅に節約できます。
まとめ
教授ビザの申請や更新手続きに必要な書類の種類自体は多くありません。
一方、就労ビザであることからも、活動内容や報酬に対しては厳格に審査されるため、十分な証明資料が必要となります。
外国人在留許可(ビザ)申請を専門とする行政書士に依頼することで、教授ビザの取得・更新が認められるようにサポートを受けられます。
「民間企業の研究職に就いている外国人研究者に教授のポストをオファーしたい」
「非常勤講師のポストで来日した研究者を専任教授に昇格させたい」
など、教授ビザへの変更・在留期間更新を希望される大学関係者の方は、ぜひビザ専門の行政書士にご相談ください。
プロフィール
2009年4月 行政書士個人事務所を開業
2012年8月 個人事務所を行政書士法人化し「さむらい行政書士法人」を設立
専門分野
外国人VISA・在留資格、外国人雇用・経営管理、永住・帰化申請
入管業務を専門とし、年間1000件以上の相談に対応
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