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企業内転勤ビザの社会保険(健康保険・厚生年金・雇用保険)について詳しく解説

海外からの転勤を考えている外国人にとって、日本での雇用契約や社会保険などについて不安や気になることも多いのではないでしょうか。

 

特に企業内転勤ビザを取得する場合、社会保険の手続きや適用範囲について理解することは重要です。

 

この記事では、企業内転勤ビザの基本的な概要から具体的な「転勤パターン」、「ビザ取得の要件」、さらに「健康保険、厚生年金、雇用保険」などの社会保険制度について、詳しく解説しています。

企業内転勤ビザの概要

まずはじめに、「企業内転勤ビザ」についての特徴を紹介していきます。

企業内転勤ビザが対象となる転勤パターンや該当する外国人の要件、在留期間などを詳しく解説していきます。

企業内転勤ビザとは?

企業内転勤ビザは、労働ビザの一つで、日本に転勤する外国人を対象とした在留資格のことで、日本国内に本店や支店などの事業所がある機関で、外国にある事務所の職員が、日本の事業所に期間を定めて、転勤や赴任、出向するための在留資格です。

 

正式名称は「特定技能1号(特定技能・在留資格に関する省令第1号に規定する特定技能1号の在留資格)」となります。

 

これにより、外国人労働者は企業内での転勤を円滑に行うことができます。

 

また、企業内ビザは、手続きが簡略されていたり、安定した雇用条件を維持できるなどのメリットがあります。

該当する転勤のパターン

 

企業内転勤ビザで可能な転勤のパターンには、以下のようなものがあります。

 

●「本社や本店」と「支店や支社、営業所」間での移動


・本社から支社、支社から本社どちらのパターンも該当します。

 

●親会社と子会社間での移動

・親会社が子会社の議決権の過半数を有している場合に該当します。

・子会社の子会社(親会社からみた孫会社)間の移動も該当します。

 

●子会社同士での移動


・「ひ孫会社」は、対象にならないが、親会社がひ孫会社まで一貫して100%出資している場合は、子会社とみなされるので対象となります。

 

●関連会社への移動

・議決権の20%を有している会社であれば該当します。しかし、関連会社間の移動や子会社の関連会社は該当しません。

 

「海外で在籍していた会社」と「異動して日本で働く会社」との間に、関連性がなければいけません。ここで言う関連性とは、会社間の資本関係を指します。

企業内転勤ビザに該当する外国人の要件

 

企業内転勤ビザに該当する外国人の要件は、以下のとおりです。

  • ●転勤の期間が定められている
  • ●従事する業務に一定の専門性がある(「技術・人文知識・国際業務」に相当する業務)
  • ●転勤直前で外国の事務所などにおいて1年以上の勤務経験がある(「技術・人文知識・国際業務」に相当する業務)
  • ●日本人と同等以上の報酬を得る
  • ●素行不良などがない

 

また、企業内転勤ビザの在留期間は、「5年・3年・1年・3カ月」のいずれかです。

 

在留期間は、申請者の就労予定期間・希望する在留期間・転勤の契約期間・所属機関の規模や安定性などを総合的に審査した上で決定します。

 

必ず希望した期間が与えられるわけではないため、注意しましょう。

企業内転勤ビザの雇用契約と社会保険について

ここからは、企業内転勤ビザの雇用契約や、社会保険(健康保険・厚生年金・雇用保険)が適用されるのかなどを詳しく見ていきましょう。

企業内転勤ビザの雇用契約の特徴

企業内勤務ビザの雇用契約において、雇用契約元や給与の支払はどのようになっているのでしょうか。

以下で、詳しく解説していきます。

 

雇用契約元

企業内転勤ビザの雇用契約元については、雇用された国で雇用契約を結んでいるため、日本で再度雇用契約を結ぶ必要はありません。

 

給与の支払い

企業内転勤ビザの場合、国内と海外の会社のどちらが支払っても問題はありません。

企業内転勤ビザの対象は、同一会社内での転勤者、もしくは系列企業への出向者であり、一般的な就労ビザの雇用契約とは異なるためです。

また、日本人と同等額以上の給与を支払わなくてはなりません。

 

しかし、課税対象となるものを除いた、通勤手当や扶養手当などの実費弁償にあたるものは給与に含まれないので注意しましょう。

企業内転勤ビザの社会保険(健康保険・厚生年金・雇用保険)

 

ここからは、「企業内転勤ビザ」の社会保険(健康保険・厚生年金・雇用保険)について適用されるのかを詳しく解説していきます。

 

健康保険・厚生年金

企業内転勤ビザを持つ外国人も、所属する企業の健康保険や厚生年金に加入する必要があります。

しかし、「社会保障協定」が両国で締結されているような場合は、国内での加入が免除されます。

2022年6月1日時点で日本は23ヵ国と協定に署名しており、うち22ヵ国は発効済みとなっています。協定が発効済みの国は、アメリカや韓国、中国、フィリピンなどが含まれています。

 

※社会保障協定:国外で働く労働者に対して保険料の二重負担を防止したり、両国の年金加入期間を通算するための協定のことです。

 

雇用保険

企業内転勤ビザを持つ外国人の場合、企業内転勤ビザを取得する理由として、一時的な出向が主な目的であることから、雇用保険の失業給付を受けることがないため、雇用保険は適用されません。

まとめ

 

企業内転勤ビザは、日本に本店や支店などの事務所がある機関において、外国の事務所で働いていた職員が、日本の事務所へ期間を定めて転勤するための在留資格です。

 

要件については、転勤の期間が定まっていることや従事する業務に一貫性がある、素行不良がないことなどがあります。

 

また、在留期間は「在留期間は5年・3年・1年・3カ月」のいずれかになりますが、勤務の契約期間や所属機関の規模、安定性などを総合的に審査した上で決定されます。

 

企業内転勤ビザの移動パターンには、親会社から子会社、子会社同士、関連会社への移動など、さまざまなパターンがありますが、「海外で在籍していた会社」と「異動して日本で働く会社」との間に、関連性がなければ該当しません。

 

企業内転勤ビザの雇用契約と社会保険について、以下のポイントをまとめます。

  • ●雇用契約元は、雇用された際に雇用契約を結んだ国の事務所になる
  • ●給与については、国内と国外どちらが支払いしても良い
  • ●通勤手当や扶養手当などの実費弁償にあたるものは給与に含まれない(課税対象を除く)
  • ●健康保険・厚生年金は、「社会保険協定」が適用されない限り、加入が必要
  • ●雇用保険は、失業保険の給付を受けることがないため適用されない

 

企業転勤ビザの取得を考えている方は、知識と経験のある行政書士に依頼することをおすすめします。

 

行政書士であれば、面倒な手続きを任せられるだけではなく、申請人に適した書類をそろえられるため、審査もスムーズに進みます。

 

無料の相談サービスを提供している行政書士事務所も多いので、ビザの取得に不安のある方や、効率的に準備を進めたい方は、こうしたサービスも活用してみてください。

 この記事の監修者

さむらい行政書士法人 代表 / 小島 健太郎

さむらい行政書士法人
公式サイト https://samurai-law.com

代表行政書士

小島 健太郎(こじま けんたろう)

 

プロフィール

2009年4月 行政書士個人事務所を開業
2012年8月 個人事務所を行政書士法人化し「さむらい行政書士法人」を設立

専門分野

外国人VISA・在留資格、外国人雇用・経営管理、永住・帰化申請
入管業務を専門とし、年間1000件以上の相談に対応

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