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帰国困難なミャンマー人の日本滞在と特定活動ビザの申請方法を解説

現在、日本に在留しているミャンマー人の方の中には、軍事クーデターの影響で本国への帰国が難しくなった方もいるでしょう。日本では、緊急避難措置としてミャンマー人を対象に特定活動ビザを認めています。

 

本記事では、帰宅が困難なミャンマー人の方を対象とした、特定活動ビザの申請方法について解説します。ぜひ、最後までお読みください。

ミャンマーの現状をうけて

2021年2月1日に発生した軍事クーデターの影響で、ミャンマー国内の情勢は困難な状況が続いています。抗議デモの活発化や、国軍・警察の発砲による一般市民の死亡や負傷事件だけではなく、デモに参加していない住民への暴力事件も発生しました。

 

クーデターによる厳しい状況の中で、日本に在留しているミャンマー人の多くが、母国に帰りたくても帰れなくなっています。

 

混乱が続くミャンマーの情勢を受け、出入国在留管理庁は、2021年5月28日に「本国情勢を踏まえた在留ミャンマー人への緊急避難措置」を公表しました。本措置により、ミャンマーにおける情勢の不安を理由に日本への在留を希望するミャンマー人の方は、日本での在留や就労が認められています。

 

加えて、難民認定申請に関しても審査を迅速に行うとし、難民該当性が認められないケースでも、本措置での在留や就労が認められています。

ミャンマー人への緊急措置について

ミャンマー国籍を有する方、またはミャンマーに常居所を有する外国籍の方で、ミャンマー国内における情勢の不安を理由に日本での在留を希望する方が対象です。

 

以下は、2022年4月15日に改正された本措置に関する取り扱いをまとめた表です。

対象者

在留資格

現在の在留資格を満了した者

特定活動(1年・就労可)

自己の責めに帰すべき事情によらない者

自己の責めに帰すべき事情による者

特定活動(6カ月・週28時間以内の就労可)

 

現在お持ちの在留資格に応じた活動を継続している方は、今回の措置に関して新たに在留資格を変更する必要はありません。現在お持ちの在留資格のまま、引き続き日本に滞在できます。

特定活動ビザの詳細

ここでは、本措置における特定活動ビザの詳細について見ていきましょう。

 

要件

以下のいずれかに該当する方が対象です。

 

1. 現在取得している在留資格を満了した者で、在留を希望する者

例えば、以下のような方です。

• 雇用契約期間が終了した方
• 「留学」において、教育機関を卒業・修了した方
• 「技能実習」において、実習期間の3年または5年を満了した方

2. 自己の責めに帰すべき事情によらず、現在取得している在留資格の活動を満了せず、在留を希望する者

例えば、以下のような方です。

• 「技能実習」で、会社から解雇された方
• 「技術・人文知識・国際業務」で、会社から解雇された方

上記のように、自分ではなく第三者(企業側)の都合で、在留期間を満了できなかったケースが当てはまります。

3. 自己の責めに帰すべき事情により、現在取得している在留資格の活動を満了せず、在留を希望する者

詳しくは、後述します。

 

期間

上記1、2の要件に該当する方は、1年間です。ミャンマーの情勢が改善されていないと認められる場合は、何度でも期間更新ができます。

上記3の要件に該当する方は、6カ月です。「特定活動(6カ月)」を許可されてからおおよそ1年の間に、刑罰法令違反や入管法令違反がなく、適正な在留状況であると認められる場合は、更新時に個別の事案に応じて「特定活動(1年)」が許可されます。

 

就労先

上記1、2の要件に該当する方は、フルタイムでの就労が可能です。

上記3の要件に該当する方は、週28時間以内の就労が可能です。法令違反などがおおよそ1年間なければ、更新時にフルタイムでの就労が可能な「特定活動(1年)」が許可されます。

以前までは、特定技能の業務に必要な技能を修得したい方を対象に、特定産業分野(介護・農業などの14分野)で就労できる「特定活動」の取得が可能でした。しかし、令和4(2022)年11月1日までに在留期間が終了する者が対象だったため、現在は本措置における特定産業分野の「特定活動」は終了しています。

自己の責めに帰すべき事情の場合

「自己の責めに帰すべき事情」とは、自分の責任で、在留期間を満了できなかった場合を指します。

 

例えば、以下のような方です。

• 留学ビザで教育機関に通わなくなった方

ただし、本国からの送金によって滞在中の経費支弁を受けていた留学生が、本国からの送金が途切れて除籍・退学を余儀なくされた場合は、自己の責めに帰すべき事情として扱われません。

• 適正に実施されている技能実習にもかかわらず、自らの意思で実習先から離脱した方

2022年に内容が改訂されている

2021年5月28日から措置が始まり、同年3月末までに約4,600件の許可が出ています。現在もミャンマーの情勢は、回復に向けた動きは見えていません。変わらない状況の中、2022年4月15日から一部の内容が改正されました。

 

改正前の取り扱いでは、「特定活動(6カ月・就労可)」もしくは「特定活動(6カ月・週28時間以内の就労可)」でした。改正前と比べて、期間・条件ともに緩和されたと言えます。

新たな取り扱いについては、この記事で解説した通りです。

申請方法

ここでは、申請方法について見ていきましょう。

申請方法

現在お持ちの在留資格から「特定活動」へ変更しなければいけません。必要書類を集めて、在留資格変更許可申請を行いましょう。

必要書類

• 在留資格変更許可申請書(様式U その他)

• 写真

40mm×30mmの顔写真を、上記の申請書に貼り付けてください。

• パスポートの写しやパスポートの出入国印など

緊急避難措置の対象者であると分かる資料が必要です。

• 理由書

申請先

手続きは、お住まいの地域を管轄している地方出入国在留管理局で行います。

受付時間は、平日のAM9時〜12時・PM1時〜4時です。

申請にかかる期間

審査は、通常2週間〜1カ月かかります。特例的な措置の在留資格のため、前述した期間通りではない可能性があります。審査にかかる処理期間の詳細を知りたい方は、出入国在留管理局に個別で相談すると安心です。

申請の注意点

ミャンマー国内の混乱が続いている間は、何度でも更新できます。しかし、今回のビザは、ミャンマーの状況を鑑みての特例的な措置です。状況が改善したり、情勢が安定したりした場合は、緊急避難措置である「特定活動」はなくなると予想されます。

今後の情勢次第では、帰国しなければいけない可能性もあるので注意が必要です。日本政府や出入国在留管理庁が発表する情報は、こまめにチェックしておきましょう。

まとめ

本記事では、本国への帰宅が困難なミャンマー人の方を対象とした、特定活動ビザの申請方法について解説しました。

 

本国への帰国が難しいミャンマー人の方は、就労が可能な「特定活動」ビザの取得が認められています。あくまでも特例的な措置のため、今後のミャンマー情勢によってビザの取り扱いも変わると予想されます。

 

申請をご希望の方は、日本政府や入管の情報に注意しながら準備をしてください。

 この記事の監修者

さむらい行政書士法人 代表 / 小島 健太郎

さむらい行政書士法人
公式サイト https://samurai-law.com

代表行政書士

小島 健太郎(こじま けんたろう)

 

プロフィール

2009年4月 行政書士個人事務所を開業
2012年8月 個人事務所を行政書士法人化し「さむらい行政書士法人」を設立

専門分野

外国人VISA・在留資格、外国人雇用・経営管理、永住・帰化申請
入管業務を専門とし、年間1000件以上の相談に対応

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