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ホテル・宿泊業で技術・人文知識・国際業務ビザを取得できる仕事の分野は?その他の在留資格も紹介

ホテル・宿泊業で外国人を雇用したい人事担当者にとって、どの在留資格で採用すべきかは悩みやすいポイントです。ホテル・宿泊業に従事できる在留資格は複数あり、業務範囲によって選ばなければなりません。

 

この記事では、ホテル・宿泊業で雇用できる「技術・人文知識・国際業務ビザ」と、その他の在留資格について解説します。

ホテル・宿泊業に技術・人文知識・国際業務ビザは該当する?

ホテル・宿泊業で、技術・人文知識・国際業務ビザを活用して外国人雇用することは可能です。ただし、従事する業務内容が限定されるため、雇用の際は注意しましょう。

ホテル・宿泊業に従事できる就労ビザは3種類

まず、ホテル・宿泊業に従事できる3種類の就労ビザについて解説します。

●技術・人文知識・国際業務

●特定技能

●技能実習

 

それぞれの在留資格の学歴要件、単純作業の可否等について確認しておきましょう。

 

技術・人文知識・国際業務

大学等で学んだ知識や実務経験を活かして日本の企業で働くことができる在留資格です。技術・人文知識・国際業務の頭文字を取って通称「技人国」と呼ばれます。

 

技人国ビザは「就労ビザ」のひとつで、在留資格の取得条件として学歴や職歴が問われま
す。なお、技人国ビザでは、単純作業や単純労働の業務では雇用はできません。

 

特定技能

人手不足の特定産業12分野で外国人が働くことができる在留資格です。

 

「技術・人文知識・国際業務」や「高度専門」などの専門的な条件が必須となる在留資格とは異なり、単純作業や幅広い業務で外国人を雇用できます。

 

ホテル・宿泊業の特定技能試験では、「一般社団法人 宿泊業技能試験センター」管轄で行われる宿泊業技能測定試験と、日本語能力試験「N4」以上への合格が必要です。

 

技能実習

日本の技術と知識を学びながら実習生として働くことができる在留資格です。

 

技能実習では、外国人実習生が技能を取得することが目的となっているため、単純作業に従事させることは原則的に認められていません。

 

技能実習の取得条件は18才以上で、特に学歴は問われません。ただし、入国前に母国で1ヶ月以上かつ160時間以上の事前講習を受講することが必要です。

技術・人文知識・国際業務ビザで行える業務は限定的

「技術・人文知識・国際業務ビザ」で雇用できる業務内容は限定されています。

 

在留資格の対象となる業務内容以外で雇用した場合には、入管法に基づき罰則を科せられる可能性がありますので注意しましょう。

 

「技術・人文知識・国際業務ビザ」対象の業務内容は以下の通りです。

 

技術

理学、工学、その他の自然科学の分野の知識と実務経験のある外国人を雇用できます。具体的には、機械工学技術者、システムエンジニアなどが該当します。

 

人文知識

法律学、経済学、社会学、その他の人文科学の分野の知識と実務経験のある外国人を雇用できます。具体的には、企画、営業、経理等の事務職が該当します。

 

国際業務

外国の文化に基盤を有する思考、もしくは感受性を必要とする業務で外国人を雇用できます。具体的には、語学教師、通訳、翻訳、デザイナー等が該当します。

特定技能ビザなら清掃・ベッドメイクなども任せられる

特定技能でホテル・宿泊業に従事する外国人は、以下の業務内容にも従事できます。

●フロント業務:チェックイン・アウト/観光地案内/ホテル発着ツアーの手配など

●企画・広報業務:キャンペーン計画/館内案内の作成/HP作成/SNS対応など

●接客業務:館内案内/宿泊客からの問い合わせ対応など

●レストランサービス業務:配膳・片付け/ 料理の下ごしらえ/料理の盛りつけなど

●単純作業:ベッドメイキング/清掃など

 

なお、特定技能の外国人に単純作業を就かせる場合は、主業務ではなく、あくまでも付随的な業務として従事させることが必要です。

身分系ビザや資格外活動許可によるアルバイトも視野に入る

身分系ビザや資格外活動許可によるアルバイトの場合は、レストランでの配膳やベッドメイクなどの単純作業も可能です。

●身分系ビザ:永住者/定住者/日本人の配偶者等/永住者の配偶者等の4つの在留資格

●資格外活動許可:留学生などがアルバイトに就くために申請する活動以外の許可を取得するための資格

 

資格外活動許可では、1週間に28時間を超える労働が禁止されている点に注意しましょう。

技術・人文知識・国際業務ビザで従事できるホテル・宿泊業の仕事

技術・人文知識・国際業務ビザで従事できるホテル・宿泊業の仕事は以下の2つです。

●フロント業務 

●事務・営業職

フロント業務

技術・人文知識・国際業務ビザでホテル・宿泊業のフロント業務に携わる場合、業務範囲は以下の通りです。

●外国語を用いたフロント業務

●外国人観光客担当として、ホテル内の施設案内業務

●外国人観光客からの要望対応

 

フロント業務は、外国人に対応できる人材を配置することが必要です。そのため、国内観光者対応のホテルのフロント業務では、外国人の雇用は難しくなる場合もあります。

事務・営業職

技術・人文知識・国際業務ビザでホテル・宿泊業の事務や営業職に携わる場合、業務範囲は以下の通りです。

●集客拡大のための本国旅行会社との交渉での通訳・翻訳業務

●従業員に対する外国語指導の業務

●外国人観光客向けの宣伝媒体作成

●集客拡大のためのマーケティングリサーチ

●宿泊プランの企画立案業務

●外国語版ホームペ-ジの作成

●館内案内の多言語表示への対応のための翻訳などの業務

●レストランのコンセプトデザイン

●宣伝・広報に係る業務

 

事務・営業職の場合は、外国人を経理や営業、翻訳・通訳などの業務に従事させることができます。

ホテル・宿泊業における技術・人文知識・国際業務ビザの事例

出入国在留管理局が公表する「ホテル・旅館等において外国人が就労する場合の在留資格の明確化について」より、以下の事例が紹介されています。

許可された事例

① 日本で大学の観光学科を卒業した外国人が、外国人観光客が多く利用するホテルとの契約に基づき、月額約22万円の報酬を受けて働いた場合で、外国語を用いたフロント業務、外国人観光客担当としてのホテル内の施設案内業務等に従事するもの

 

② 日本の大学を卒業した外国人が、本国からの観光客が多く利用する旅館との契約に基づき、月額約20万円の報酬を受けて、集客拡大のための旅行会社との交渉に当たっての通訳・翻訳業務、従業員に対する外国語指導の業務等に従事するもの

 

③ 日本で経済学を専攻して大学を卒業した外国人が、空港に隣接するホテルとの契約に基づき、月額約25万円の報酬を受け、集客拡大のためのマーケティングリサーチ、外国人観光客向けの宣伝媒体(ホームページなど)作成などの広報業務等に従事するもの

いずれのケースも、外国人が日本の大学でホテル・宿泊業に関連する知識を身につけ、学んだことを活かせる業務に就いていることがわかります。

 

また、日本人従業員と同等かそれ以上の報酬を受け取っていることも重要です。適切な業務範囲と待遇が認められる場合、ホテル・宿泊業に外国人を技術・人文知識・国際業務ビザで雇用することができます。

不許可となった事例

① 日本で経済学を専攻して大学を卒業した外国人が、ホテルに採用されるとして申請があったが、従事する予定の業務に係る詳細な資料の提出を求めたところ、主たる業務が宿泊客の荷物の運搬及び客室の清掃業務であり、「技術・人文知識・国際業務」に該当する業務に従事するものとは認められず不許可となったもの

 

② 日本で日本語学を専攻して大学を卒業した外国人が、旅館で外国人宿泊客の通訳業務を行うとして申請があったが、当該旅館の外国人宿泊客の大半が使用する言語は申請人の母国語と異なっており、申請人が母国語を用いて行う業務に十分な業務量があるとは認められないことから不許可となったもの

不許可となった事例には、「主な業務内容が単純作業であるもの」「外国人が大学で得た知識を十分に発揮できない環境であるもの」などがあります。

 

このように、外国人を技術・人文知識・国際業務ビザで雇用するためには、条件を全て満たす人材を、同じく条件を満たす職場に迎え入れる必要があるのです。そのため、オールマイティにさまざまな業務を担当できる外国人を雇用したい場合、他の在留資格を選択することが得策となるケースもあります。

まとめ

ホテル・宿泊業で、技術・人文知識・国際業務ビザを活用して外国人雇用することは可能です。ただし、外国人が従事する業務内容が技術・人文知識・国際業務ビザで認められている業務範囲でなければならないため、さまざまな業務を任せたいと考えている場合は他の在留資格も検討しましょう。

 

業務範囲は細かく限定されているため、判断できない場合は専門家のアドバイスを参考に採用活動を行うことをおすすめします。さむらい行政書士法人でも、よりよい方針を提案し、入管申請のための書類作成やさまざまな手続きのサポートを行っております。外国人労働者の受入れを検討中であれば、ぜひお気軽にご相談ください。

 この記事の監修者

さむらい行政書士法人 代表 / 小島 健太郎

さむらい行政書士法人
公式サイト https://samurai-law.com

代表行政書士

小島 健太郎(こじま けんたろう)

 

プロフィール

2009年4月 行政書士個人事務所を開業
2012年8月 個人事務所を行政書士法人化し「さむらい行政書士法人」を設立

専門分野

外国人VISA・在留資格、外国人雇用・経営管理、永住・帰化申請
入管業務を専門とし、年間1000件以上の相談に対応

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