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退職から3か月以上経ったら就労ビザはどうなる?転職・退職時の注意点について

就労ビザで日本に在留している外国人の方が退職した場合、「3か月以上無職になると在留資格は取り消されるのではないか?」と不安に感じる方も多いでしょう。

確かに無職期間が長期化すると更新の難易度が高まりますが、公式に3ヶ月が目安とされているわけではありません。たとえ無職であっても、在留資格に基づく活動を継続しているかどうか、そしてその実態をどのように説明できるかによって更新の可能性が高まります。

本コラムでは、退職から3か月以上経過した場合に起こり得るリスクと入管の判断基準を整理したうえで、転職や就職活動中に注意すべきポイント、取消しを回避するための具体的な対策まで解説します。

退職後3か月以上無職だとどうなる?

就労ビザで退職後3か月以上無職になった場合、どのようになるのでしょうか?ここでは、無職が続いた場合に起こり得るリスクや、退職後にまず確認すべきことについて解説します。

無職が続くと起こり得ること

退職後3か月以上無職になると、入管が「在留資格に基づく活動が行われていない状態ではないか」と確認する対象になりやすくなります。よくある誤解は「3か月を過ぎたら即取消」というものですが、実際には自動的に取り消される仕組みではありません。ただし、無職期間が長く、活動実態が確認できない場合には、入管から説明を求められたり、結果として取消手続きが検討される可能性があります。つまり、3か月は“危険ラインの目安”であり、何もせず放置するとリスクが高まります。

取消リスクが高くなるケース

取消リスクが高くなるのは、「無職であること」そのものよりも、退職後に在留資格に沿った活動が確認できない状態が続く場合です。たとえば、就職活動をしていない、応募や面接の記録がない、退職後の届出もしていないといったケースでは、活動実態がないと判断されやすくなります。

一方で、ハローワークの相談記録、応募書類の控え、面接日程のメール、転職エージェントとの履歴があれば、無職期間があっても「就職活動をしている」と説明しやすくなります。

退職後に確認すべきビザの更新期限

3か月という期間だけに注意が向きがちですが、実務上は在留カードの在留期間満了日も同時に確認する必要があります。更新期限が近い場合、無職期間が短くても審査で慎重に見られることがあり、対応が遅れると不利になるおそれがあります。

また、退職後には「所属機関に関する届出」を提出する義務があり、未提出のままだと入管からの信用が下がり、更新や変更の審査に影響する可能性があります。退職後は「在留期限」と「届出期限」を先に押さえたうえで、活動記録を積み上げていくことが重要です。

退職後に必ずやるべきこと

退職後は、就職活動と並行して「入管への届出」と「必要書類の確保」を早めに行うことが重要です。

届出の未提出や、退職理由を証明できる書類の不足は、在留資格の更新・変更時に不利になる可能性があります。ここでは、退職後に行うべきことを3つ解説します。

入管に届出を提出する

就労ビザで在留している外国人が退職した場合、原則として入管に「所属機関に関する届出」を提出する必要があります。届出を怠ると、入管から「在留状況の管理ができていない」と評価され、更新・変更申請の場面で不利になる可能性があります。

退職日が確定したら早めに提出し、控えを保管しておくことが大切です。また、後述しますが転職先が決まった場合も、同様に新しい所属機関の届出が必要になります。

退職した会社から書類を受け取る

退職後に受け取るべき書類は、在留手続きだけでなく、失業保険や次の就職先での手続きにも必要になります。代表的なのは、退職証明書や離職票、雇用契約書、給与明細などです。

特に退職証明書は、「いつ退職したか」「どのような雇用形態だったか」を示す資料として、入管への説明にも使える重要書類になります。離職票は失業給付の申請に不可欠です。退職時に会社が発行する書類は後から入手しにくいこともあるため、退職が決まった時点で必要書類を一覧化し、漏れなく受け取るようにしましょう。

無職期間の転職活動記録を残す

退職から入社までに空白期間がある場合は、「なぜその期間に就労していなかったのか」「どのように就職活動をしていたのか」を説明できる状態にしておくことが重要です。

特に無職期間が3か月を超える場合は、転職活動の応募履歴、面接記録、ハローワークの相談記録、転職エージェントとのやり取りなど、客観的に転職活動の実態が伝えられるようにしましょう。

また、生活費をどう確保していたかも確認される可能性があるため、貯金や家族支援など説明できる材料を用意しておくと安心です。空白期間は「何もしていない」と見られない準備が重要です。

退職後に避けるべきこと

退職後の無職期間中は何でも自由にやっていいわけではありません。無職期間中とはいえ、就労ビザの規定に反した場合、取消のリスクがあります。ここでは、退職後に避けるべきことについて解説します。

資格外活動(アルバイトなど)

無職期間中は、資格外活動を行わないように注意しましょう。たとえば、アルバイトや副業です。技人国などの就労ビザは、許可された範囲外の仕事をすると違法就労と判断され、取消しだけでなく更新・変更が不許可となるリスクがあります。

また、退職後の届出をしていない、住居が不明確、税金や保険料の未納があるといった状況も、在留状況の信用を下げます。「生活のためだった」という理由は通りにくいため、取消リスクになる得る行動は避けるようにしましょう。

無職期間の長期化

無職期間が長くなるほど、更新や変更申請において「今後、在留資格に沿った活動を継続できる見込みがあるか?」が厳しくチェックされます。特に転職先が決まらないまま更新期限を迎えると、就労予定を示せず不許可リスクが上がりますので、注意が必要です。

また、無職期間中の生活費をどのように確保しているかもチェックされるため、資産状況や家族の支援の有無などを説明できるようにしておくことも大切です。

万が一、就職活動が長引きそうな場合は、応募や面接などの就職活動の記録を残しながら、更新期限の2〜3か月前には「更新でいくか」「変更申請が必要か」など方針を決めて準備を開始することをおすすめします。

3か月を超えても取消回避できる可能性があるケース

退職後3か月以上無職になった場合でも、必ず在留資格が取り消されるわけではありません。入管は「活動できなかった理由」や「就職活動の状況」を見て、事情を考慮することがあります。ここでは取消回避につながりやすい事情を3つに整理します。

体調不良・家族都合など

病気やけがで治療が必要な場合、家族の介護・看病などで働けない場合は、入管が事情を考慮する可能性があります。ただし「体調が悪かった」「家族の事情があった」と口頭で説明するだけでは不十分で、診断書や通院記録、家族の状況を示す資料など、客観的に示せる書類が必要です。

また、働けない状況が続く場合でも、回復後に就職する意思があることを示すと説明が通りやすくなります。重要なのは、働けなかった期間の理由と、その期間に何をしていたか(療養・手続き・準備など)を整理して説明することです。

就職活動が長引いた場合

就職活動が長期化している場合でも、活動の実態が確認できれば、直ちに取消しに至らないケースがあります。重要なのは、応募・面接・相談などの記録を残し、「継続して活動している」と説明できる状態を作ることです。

具体的には、応募企業の一覧、面接日程のメール、転職エージェントとの面談履歴、ハローワークの相談記録などが有効です。また、在留期限が近づく前に、更新でいくか、転職先が決まる見込みがあるかなど、方針を早めに整理して準備を進めることが重要です。記録が積み上がるほど、無職期間の説明が通りやすくなります。

再就職が難しい場合

転職活動を続けても再就職が難しい場合は、就労ビザにこだわらず、状況に応じて別の在留資格を検討することも現実的な選択肢です。たとえば、一定の事情がある場合には「特定活動」への切り替えが検討されるケースもあります。

また、日本人配偶者等や永住者の配偶者等など、生活状況に応じて取得可能な在留資格がある場合もあります。重要なのは、無職状態が長期化してから慌てて動くのではなく、再就職の見込みが立たないと判断した段階で、早めに行政書士などの専門家に相談し、次の選択肢を整理しておくことです。

退職後に一時帰国は可能か?

退職後、就職活動や私的な事情で一時的に母国へ帰国したいと考える方も少なくありません。ただし、出国や再入国のタイミングや状況によっては、在留資格の維持に影響が出ることがあります。ここでは、退職後に一時帰国する際に注意すべき点を「制度」「活動評価」「判断の目安」の3つに分けて整理します。

再入国の可否(みなし再入国の注意点)

在留期間が残っている場合でも、出国の方法によっては再入国できなくなる可能性があります。原則として、在留カードを所持し、出国時に「みなし再入国許可」を選択すれば、短期間の一時帰国後に再入国することは可能です。

ただし、在留期限が近い場合や、無職期間が長く活動実態が不明確な状態で出国すると、再入国時やその後の在留審査で状況を確認されることがあります。出国前には在留期限を必ず確認し、帰国中も在留資格を維持できる状態かを整理しておくことが重要です。

帰国中の就職活動の扱い

一時帰国中に行った就職活動が、どこまで評価されるかは状況によって異なります。オンライン面接や転職エージェントとのやり取りなど、日本への再就職を前提とした活動であれば、一定程度考慮される可能性はあります。

ただし、日本国内での活動に比べると、実態が確認しにくく、説明が難しくなる傾向があります。そのため、帰国中であっても、応募履歴や面接記録、メールのやり取りなどを保存し、「日本で就労する意思が継続していた」ことを示せるよう準備しておくことが重要です。

帰国を選ぶ判断基準

退職後の一時帰国は、すべてのケースで避けるべきものではありませんが、状況によっては慎重な判断が必要です。たとえば、在留期限が迫っている、就職活動の実績がほとんどない、入管への届出が未了といった場合は、帰国によって状況が不利になる可能性があります。

一方で、就職活動の区切りややむを得ない事情があり、活動記録や説明資料が十分に整っている場合は、帰国が直ちに問題になるとは限りません。帰国を検討する際は、「再入国後に何を説明する必要があるか」を事前に整理したうえで判断することが重要です。

退職後の生活費・保険・税金の注意点

退職後は就職活動だけでなく、生活費の確保や社会保険・税金の手続きも必要になります。特に健康保険や年金、住民税などの未納が続くと、在留資格の更新や変更申請の審査で不利になる可能性があります。

ここでは、退職後に確認すべきお金の実務を「失業給付」「保険と税金」「生活設計」の3つに分けて整理します。

失業給付(失業保険)の手続き

退職後の生活費を支える制度として、雇用保険の基本手当(いわゆる失業保険)があります。受給のためには、一定期間の雇用保険加入が必要で、退職理由が会社都合か自己都合かによって、給付開始時期や支給期間が変わります。

退職後は離職票が必要になるため、会社からの受け取りを早めに確認し、ハローワークで求職申込みと手続きを進めましょう。就職活動の実績を求められるため、面接や応募などの記録を残すことも重要です。失業給付は生活面だけでなく、就職活動を裏付ける資料にもなります。

健康保険・年金・住民税の支払い

退職すると、会社の社会保険から外れるため、健康保険や年金の切り替え手続きが必要になります。多くの場合、国民健康保険と国民年金への加入、もしくは任意継続による健康保険継続を選ぶことになります。

また、住民税は前年の所得に基づいて課税されるため、退職後も支払いが続く点に注意が必要です。これらを未納のまま放置すると、生活上の問題だけでなく、在留資格の更新や変更申請で「在留状況の信用」に影響する可能性があります。退職後は、切り替えと支払いのスケジュールを早めに確認しましょう。

生活費の確保と説明について

就職活動が長引くと、生活費の確保が課題になります。入管の審査では、場合によって「無職期間にどのように生活していたか」が確認されることがあり、説明できないと不安要素になります。

そのため、貯金で生活している場合は預金残高が分かる資料、家族から支援を受けている場合は送金記録などを整理しておくと安心です。

また、生活費が不安な場合は、失業給付や各種支援制度を活用し、無理にアルバイト等へ走らないことが重要です。無職期間の説明は「就職活動の記録」とあわせて準備しておくと、審査上も説得力が高まります。

まとめ

退職後3か月以上無職になった場合でも、就労ビザが直ちに取り消されるわけではありません。ただし、就職活動の実態が確認できない、必要な届出をしていない、資格外活動をしているなどの状況があると、取消リスクや更新・変更審査で不利になる可能性があります。退職後は、応募や面接の記録を残しつつ、在留期限や届出期限も含めて早めに状況を整理することが重要です。

一方で、更新・変更の判断は業務内容や退職理由なども関わるため、自己判断で進めると申請方針を誤るケースも少なくありません。不安がある場合は、早い段階で専門家に相談するのが確実です。

さむらい行政書士法人では、退職後の就労ビザに関する相談から申請まで実務に基づいてサポートしていますので、就労ビザの更新に不安を感じている方はぜひお気軽にご相談く

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