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高度人材(高度専門職2号)と永住権の違い、それぞれのメリットを比較

高度人材ビザから永住権の申請を検討している外国人の方の中には、

 

「永住権との違いは?」

「永住権のメリットは?」

「高度人材ビザから永住権を取得する方法は?」

 

といった疑問をお持ちの方も多いでしょう。

 

どちらのビザも、取得できれば多くのメリットがあります。

特に高度専門職2号は、永住権との違いが少ないので、どちらを取得するか悩む方も多いです。

 

そこでこの記事では、高度人材ビザと永住権の違いについて詳しく解説します。

ぜひ、最後までお読みください。

高度人材ビザと永住権の概要

ここでは、高度人材ビザと永住権の概要について見ていきましょう。

高度人材ビザとは

高度人材ビザとは、高い知識や技術力を持つ優秀な外国人が取得できる査証です。

 

高度人材ポイント制で基準のスコアを超える外国人の方は、「高度人材」として認定されます。

基準となるスコアは、70点以上です。

 

ポイント制は、外国人の個々の能力をカテゴリーごとに判定し、獲得したスコアによって評価するシステムです。

 

例えば、学歴で20点・職歴で10点・年収で40点というように、各カテゴリーごとに配点され、合計スコアが70点以上で高度人材に認定されます。

 

高度人材に認定されると、以下の在留資格(ビザ)の取得が可能です。

高度専門職1号

1号は、活動の内容に応じて、以下の3つに分類されます。

 

●1. イ:高度学術研究活動

具体的には、日本の機関との契約によって行う研究や研究の指導・教育活動です。

例えば、教授や研究者などの職種が当てはまります。

 

●2. ロ:高度専門・技術活動

具体的には、日本の機関との契約によって行う自然科学や人文科学などの知識・技術を要する仕事に就く活動です。

例えば、研究者(科学・生物学・心理学・社会学など)が当てはまります。

 

●3. ハ:高度経営・管理活動

具体的には、日本の機関で事業の経営や管理に就く活動です。

例えば、会社の社長や役員などが当てはまります。

 

1号の特徴については後述する「比較表」も、ぜひ参考にしてください。

高度専門職2号

2号は、1号で3年以上活動した方が対象の査証です。

 

在留期間が無期限になるなど、永住権と似た特徴があります。

就労の制限もほとんどありませんが、無職の場合は在留資格の取消事由に該当するため、注意しましょう。

 

2号の特徴については後述する「比較表」も、ぜひ参考にしてください。

永住権とは

永住権とは、外国人の方が在留資格の活動や期間の制限を受けずに、日本に滞在できる資格です。

 

よく帰化と混同されますが、帰化は国籍を日本へ変更しなければなりません。

一方、永住権は、国籍を変えずに日本に住み続けられます。

 

例えば、アメリカ国籍の方が永住権を取得したら、アメリカ人のまま日本に永住できます。

 

永住権の特徴については後述する「比較表」も、ぜひ参考にしてください。

高度人材ビザと永住権を比較

高度人材ビザと永住権の違いは、以下の比較表のとおりです。

比較表

高度専門職1号

高度専門職2号

永住権

更新

あり

なし

※在留カードの更新は必要

なし

※在留カードの更新は必要

就労

制限あり

制限あり

※単純労働や無職はNG

無制限

転職

可能

※変更許可申請が必要

可能

可能

就学

可能

可能

無制限

配偶者や子の就労

可能

※配偶者や子の在留資格よって対応が異なる

可能

※配偶者や子の在留資格によって対応が異なる

可能

身元保証人の必要

不要

不要

必要

親の帯同

可能

可能

不可

家事使用人の呼び寄せ

可能

可能

不可

住宅ローン

難しい

難しい

可能

 

ここでは、上記の各項目について詳しく見ていきましょう。

 

●1. 更新

1号は、5年ごとに更新が必要です。

 

2号と永住権は在留期間が無期限なので、更新の必要はありません。

ただし、7年ごとに在留カードを更新する必要があるため、注意しましょう。

 

在留カードとは、日本で暮らす外国人に交付される在留資格や期間を証明するカードです。

16歳以上の外国人の方は、常時携帯が義務付けられています。

 

●2. 就労

1号は、活動内容によってイ・ロ・ハと範囲が分類され、許可された範囲内でのみ働けます。

 

2号は、1号の活動を含むほとんどの就労活動が許可されますが、単純労働などは認められません。

加えて、無職期間が6カ月以上あると、ビザの取消事由に該当します。

 

永住権は、就労の制限がないので、職種も働き方も自由です。

さらに、無職期間があっても、取消事由には該当しません。

 

●3. 転職

1号は、転職の都度、ビザの変更許可申請をしなければなりません。

2号は、変更許可申請は不要です。

 

1号・2号ともに転職は可能ですが、転職後14日以内に入管へ「所属機関に関する届出」を提出しなければなりません。

 

永住権は、変更許可申請も届出も不要で、自由に転職できます。

 

●4. 就学

高度人材ビザは、いわゆる就労ビザに分類される査証です。

就労ビザを所有する外国人の方は、学校にも通えます。

 

ただし、あくまでも就労が活動のメインでなければなりません。

本来の活動目的である仕事ではなく、就学がメインになってしまうと、在留資格を取り消される可能性があります。

 

本格的に学校に通って勉強をしたい場合は、留学ビザを取得しましょう。

 

永住権は、就学の制限がないので、日本人と同じように学校に通えます。

 

●5. 配偶者や子の就労

1号と2号は、配偶者と子どもの在留資格の種類によって、働ける範囲が異なります。

高度専門職の配偶者と子どもの在留資格の選択肢は、以下の2つです。

・「家族滞在」

「家族滞在」は就労は可能ですが、働く場合は資格外活動許可を取得しなければなりません。

資格外活動許可では、週に28時間以内の勤務時間の制限があります。

アルバイトやパートなどは可能ですが、フルタイムでは働けないので、注意しましょう。

・「特定活動(高度専門職の配偶者)」

「特定活動」は、業務内容が技人国ビザなどの一般的な就労ビザの範囲内であれば、フルタイムで働けます。

通常の就労ビザにある学歴や職歴などの要件を満たしていなくても、就労が可能です。

 

一方、永住権の配偶者や子どもの在留資格の種類は、「永住者の配偶者等」です。

「永住者の配偶者等」は就労制限がほぼなく、日本人と同じように職種も働き方も自由に選択できます。

 

●6. 身元保証人の有無

1号・2号ともに、身元保証人は不要です。

 

一方、永住権を申請するには、身元保証人が必要です。

身元保証人は、以下の要件を満たさなければなりません。

● 日本在住の日本人や永住者

● 一定以上の資産がある

● 納税義務を果たしている

● 身元保証人になる意思がある

不適切な人物を身元保証人として申請すると、審査で不許可となる可能性があるため、注意しましょう。

 

●7. 親の帯同

高度専門職は1号・2号ともに、要件を満たせば親を呼び寄せられます。

 

親の帯同が認められるのは、以下のケースです。

  • ・ 高度人材外国人または配偶者の7歳未満の子ども(養子も含む)を養育する
  • ・ 妊娠中の高度人材外国人または妊娠中の配偶者の介助を行
  •  

 

親を呼び寄せるための要件は、以下のとおりです。

  • ・ 高度人材の世帯年収が800万円以上
  • ・ 高度人材と同居する
  • ・ 高度人材または配偶者のどちらかの親に限る

 

一方、永住権は、親の帯同は認められません。

 

●8. 家事使用人の呼び寄せ

高度専門職は1号・2号ともに、要件を満たせば家事使用人の帯同が認められます。

家事使用人を呼び寄せるための要件は、以下のとおりです。

 

A. 入国帯同型:外国で雇用していた家事使用人を引き続き雇用するケース

● 世帯年収が1,000万円以上

● 帯同できる家事使用人は1人まで

● 家事使用人の報酬は月額20万円以上

● 一緒に入国する場合は、入国前に1年以上雇用されている者

● あとから入国する場合は、入国前に1年以上雇用されており、かつ入国後も引き続き雇用される者

● 高度人材が出国する場合は、一緒に出国する

 

B 家庭事情型:上記A以外の家事使用人を雇用するケース

● 世帯年収が1,000万円以上

● 帯同できる家事使用人は1人まで

● 家事使用人の報酬は月額20万円以上

● 家庭の事情がある(申請時に、13歳未満の子または病気などにより日常の家事に従事できない配偶者がいるなど)

 

C 金融人材型:投資運用業などに従事する金融人材が家事使用人を雇用するケース

  • ● 世帯年収が1,000万円以上
  • ● 帯同できる家事使用人は2人まで(2人の場合は世帯年収が3,000万円以上)
  • ● 家事使用人の報酬は月額20万円以上

 

一方、永住権は、家事使用人の帯同は認められません。

 

●9. 住宅ローン

外国人の方も、住宅ローンを組むことは可能です。

ただし、金融機関によって外国人の利用条件や審査方針は異なります。

 

一般的には、以下の条件を設定している金融機関が多いです。

  • ● 日本の永住許可を得ている
  • ● 安定した収入がある

高度専門職でも一定の条件を満たせば、住宅ローンを組むことは可能ですが、審査を通過するのは難しいと言えます。

 

一方、永住権がある外国人の方は、「日本人とほぼ同じ」とみなされます。

審査を通過する可能性は、高度専門職よりも高いです。

 

金融機関によって対応が異なるので、複数の金融機関を比較して、検討するのがおすすめです。

高度人材外国人は永住権を申請できる?

ここでは、高度人材の方が永住権を取得する方法を紹介します。

最短1年の在留期間で永住権の申請が可能

高度人材の方は、永住権の申請で優遇措置が受けられます。

 

通常、永住権を申請するには、以下の居住要件を満たしていなければなりません。

  • ● 原則として引き続き10年以上日本に在留している
  • ● 上記の期間のうち、就労資格や居住資格を持って引き続き5年以上在留している

上記の要件通りだと、最低でも10年間は日本に住んでいる必要があります。

 

一方、高度人材の方は、居住要件の期間を大幅に短縮できます。

高度人材向け永住権申請の際の緩和条件

永住許可の申請条件が緩和されるのは、以下に当てはまる方です。

 

●1. ポイントの計算で70点以上があり、以下のいずれかに該当する

  • ● 高度人材外国人として必要な点数を維持し、3年以上継続して日本に在留している
  • ● 永住許可の申請日から3年前を基準日として、ポイントが70点以上あり、3年以上継続して70点以上を有して日本に在留している

 

●2. ポイントの計算で80点以上があり、以下のいずれかに該当する

  • ● 高度人材外国人として必要な点数を維持し、1年以上継続して日本に在留している
  • ● 永住許可の申請日から1年前を基準日として、ポイントが80点以上あり、1年以上継続して80点以上を有して日本に在留している

そのほかの永住権申請の条件

そのほかの条件は、以下のとおりです。

 

●1. 素行が善良

日常生活で、社会的に非難されない生活を営む必要があります。

 

●2. 独立した生計が営めるだけの資産・技能がある

公共の負担にならないレベルの経済力が求められます。

扶養家族がいる場合は、家族も養える経済力が必要です。

 

●3. 日本の法律を守る

罰金刑や懲役刑などを受けていないことが求められます。

軽微な交通違反などでも回数が多いと、不許可となる可能性があるので、注意しましょう。

 

●4. 公的義務を果たしている

以下の義務を適正に履行しなければなりません。

  • ● 納税
  • ● 公的年金および公的医療保険料の納付
  • ● 入管に関する各種届出

 

●5. 現在の在留資格について、最長の在留期間を有して滞在している

永住許可のガイドラインによると、在留期間「3年」がある方は、上記の「最長の在留期間を有している」とみなされます。

 

●6. 公衆衛生において有害となるおそれがない

高度人材が永住権を取得するメリット

高度人材が永住権を取得すると、以下のようなメリットがあります。

就職や就学の制限がなくなる

永住権を取得すると、就労や就学の制限がなくなります。

 

一般的な就労ビザは、許可された範囲の活動をする必要があり、活動範囲は限定的です。

例えば、技人国ビザでは、単純労働などはできません。

 

永住権は、職種も働き方も自由に選択できます。

アルバイトやフルタイムだけでなく、無職でいることも可能です。

 

活動の制限がないので、幅広い分野で活躍できるチャンスがあります。

配偶者や子どもの就労制限がなくなる

永住権保有者と同様に、配偶者と子どもも就労制限がありません。

 

配偶者と子どもは、在留資格「永住者の配偶者等」の対象です。

「永住者の配偶者等」は、永住権と同じように活動の制限がないので、家族も自由に働けます。

銀行や住宅ローンの借り入れが有利となる

永住権を取得すると、社会的信用度が向上するので、銀行や住宅ローンの借入れが有利になります。

 

外国籍の方が日本で住宅ローンや融資を受けるのは、難しいのが一般的です。

 

通常の在留資格は、在留期間に制限があります。

金融機関側からすると、いつ出国するかわからない人物に融資などをするのは、大きなリスクがともないます。

 

外国人に対しては、永住許可を利用条件に設定している金融機関がほとんどです。

 

永住権があれば、日本人と同じように住宅ローンや融資の審査がスムーズに進みます。

在留期間の更新が不許可となるリスクを避けられる

永住権には、在留期間の制限がありません。

 

通常のビザには在留期間が設定されており、期限を超えて滞在を続けたい場合は、更新をする必要があります。

ただし、更新は必ず許可されるわけではなく、不許可となる可能性もあります。

 

永住権は更新する必要がないので、不許可となるリスクもありません。

加えて、更新手続きにかかる手間や時間も避けられます。

 

さらに、生活状況の変化に応じた在留資格の変更も不要です。

例えば、転職や離婚などの日常の変化があっても、永住権が取り消される心配はありません。

高度人材が永住権を申請する流れ

ここでは、高度人材ビザから永住権へ切り替える手続きの流れについて見ていきましょう。

申請の流れ

手続きの流れは、以下のとおりです。

 

●1. 要件の確認

手続き前に、要件を満たせているかを確認しましょう。

特に居住期間が基準に達しているかは、要件の緩和を受けられるかに関わるので、入念に確認してください。

 

●2. 身元保証人を見つける

永住権を申請するには、身元保証人が必要です。

身元保証人はあくまでも道義的な保証人なので、法的な責任を負うわけではありません。

 

提出書類の1つである身元保証書は、申請者本人ではなく身元保証人が作成するため、注意しましょう。

 

●3. 提出書類の作成・収集

下記の「必要書類一覧」を参考にしてください。

 

●4. 永住許可申請

手続きは、お住まいの地域を管轄する出入国在留管理局で行います。

 

●5. 審査

申請者によって、かかる期間は異なります。

目安として、1年以上はかかると想定しておくのがおすすめです。

近年の永住権の審査は長引く傾向にあるので、スケジュールにゆとりを持って手続きを行いましょう。

 

●6. 結果の通知

問題がなければ、永住権が許可されます。

必要書類一覧

必要書類は、以下のとおりです。

 

● 永住許可申請書

 

● 写真

 

● 理由書

 

● 申請者を含む家族全員の住民票

 

● 申請書の職業を示す資料

1. 在職証明書

2. 確定申告書の控えのコピーまたは登記事項証明書

3. 営業許可書のコピー

 

● 直近の所得および納税状況を示す資料

1. 住民税の納付状況を示す資料

2. 国税の納税状況を示す資料

 

● 公的年金および公的医療保険料の納付状況を示す資料

1. 公的年金の保険料の納付状況を示す資料

2. 公的医療保険の保険料の納付状況を示す資料

 

● 高度専門職ポイント計算表

 

● ポイント計算の各項目に関する疎明資料

 

● 申請者の資産を示す資料

1. 預貯金通帳のコピー

2. 不動産の登記事項証明書

 

● 申請者のパスポートまたは在留資格証明書

 

● 申請者の在留カード

 

● 身元保証に関する資料

1. 身元保証書

2. 身元保証人の身分証明書

 

● 日本への貢献に係る資料(ある場合のみ)

1. 表彰状・感謝状・叙勲書などのコピー

2. 所属機関が作成した推薦状

3. そのほか、各分野での貢献を示す資料

 

● 了解書

申請者の状況によって、必要な書類は異なります。

書類に不備があると、審査でマイナスの影響があるので、入念な準備をしましょう。

まとめ

この記事では、高度人材ビザと永住権の違いについて解説しました。

 

高度人材ビザは、専門性の高い知識や技術がある優秀な外国人材のための就労ビザです。

永住権は、日本に永住できる資格です。

 

比較的、どちらも似た特徴があるビザなので、どちらを取得するか悩まれる方も多いと思います。

それぞれのメリットを考慮をして、自身の状況に合うビザを選択しましょう。

 

どちらも取得できればメリットの多いビザですが、要件や審査は厳しいです。

 

高度人材ビザは永住権の申請要件が緩和されますが、必要書類が多く、手続きも複雑です。

 

高度人材ビザから永住権を申請したい方は、行政書士に代行依頼するのをおすすめします。

 この記事の監修者

さむらい行政書士法人 代表 / 小島 健太郎

さむらい行政書士法人
公式サイト https://samurai-law.com

代表行政書士

小島 健太郎(こじま けんたろう)

 

プロフィール

2009年4月 行政書士個人事務所を開業
2012年8月 個人事務所を行政書士法人化し「さむらい行政書士法人」を設立

専門分野

外国人VISA・在留資格、外国人雇用・経営管理、永住・帰化申請
入管業務を専門とし、年間1000件以上の相談に対応

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