外国人スポーツ選手向けのビザの種類を解説
コロナ禍以降、日本では野球やサッカーなどの国際的なスポーツイベントがたくさん開催されています。
スポーツ選手として活動している方のなかには、「日本でスポーツ選手として活躍したい!」「優秀な外国人の指導者を日本に招きたい」という方もいますよね。
しかし、外国人スポーツ選手が取得できるビザには種類があり、条件によっても異なるため、「どのビザを取得すればよいのかわからない…」という方もいるのでは?
そこで、外国人スポーツ選手向けのビザの種類について解説します。
ビザに関するQ&Aについてもご紹介しますので、ぜひ参考にしてくださいね!
外国人スポーツ選手が取得するビザの種類は?
外国人スポーツ選手が取得できるビザは3種類あり、条件や報酬の有無などによって異なります。
ビザの種類は、以下の3つです。
- ●1. 興行(基準2号)
- ●2. 特定活動(告示6号)
- ●3. 短期滞在
これらのビザの取得には、一定の条件があります。
ここからは、ビザの種類について詳しく解説していきます。
ビザの種類は「プロ契約しているか」で変わる
ビザの種類は、「プロ契約をして、収入を得ているか」によって変わってきます。
次からは、選手の場合と指導者の場合について、詳しくみていきましょう。
選手の場合
選手の場合は、以下の通りです。
契約の種類 | 報酬の有無 | 該当するビザ |
|---|---|---|
プロ契約しているスポーツ選手 | あり:興行収入 | 興行(基準2号) |
企業などの実業団に所属する選手 | あり:給与収入 | 特定活動(告示6号) |
上記以外の選手 | なし | 短期滞在 |
監督やコーチの場合は「指導者」にあたり技能ビザとなる
監督やコーチは選手ではなく「指導者」にあたるため、「技能ビザ」に該当します。
なお、以下の場合は「興行」に該当するため、要注意です。
- ● プロスポーツ選手やプロチームと一体となって出場し、共に行動する場合
- ● 指導者自身も試合などの興行活動に出場する場合
スポーツの競技によってビザは異なる?
ここまで、外国人スポーツ選手や指導者が取得できるビザの種類について解説しましたが、では、スポーツの競技によって該当するビザは異なるのでしょうか?
実は、ビザを分けるのは競技そのものではなく、『スポーツ競技の報酬の有無』によって変わります。
例えば、
- ● 賞金のあるトーナメントや、格闘技の試合などで来日する場合は「興行ビザ」
- ● オリンピックや世界選手権など、報酬が発生しない競技は「短期滞在ビザ」
このように、競技の報酬の有無によって該当するビザが異なるため、事前に確認しておきましょう。
1.【プロスポーツ選手】在留資格「興行(基準2号)」
プロスポーツ選手は、企業や団体とプロ契約を結び、スポンサーやチケット売上から興行収入を得ています。
プロチームに所属し、興行収入を得ている選手は、在留資格「興行(基準2号)」が必要です。
プロ選手の成績や実績ではなく、『日本人が契約する場合と同等以上の報酬であること』が興行ビザ取得の条件とされています。
次からは、興行ビザの概要や条件を具体的に解説していきます。
概要
興行ビザの概要は、以下の通りです。
内容 | 興行を目的とするスポーツ試合を行い、興行収入やスポンサー収入を得ているチームに所属しているプロスポーツ選手が取得する在留資格 |
|---|---|
在留期間 | 3年、1年、6ヶ月、3ヶ月、30日のいずれか |
更新の可否 | 可能 (更新のタイミングは、在留カードに記載される在留期間により異なる) |
該当する選手やチーム | プロ野球選手、Jリーグ、Bリーグなど |
申請の条件
申請の条件は以下の通りです。
- ● 報酬額が、日本人が従事する場合と同等額以上であること
家族のビザについて
興行ビザを取得する外国人スポーツ選手の家族は、「配偶者・子ども」であれば帯同が可能です。
ただし、同じ興行ビザではなく「家族滞在ビザ」を取得する必要があります。
家族滞在ビザは、興行ビザと同時に手続きが可能なため、家族を帯同するかどうかは早めに決めておくと安心です。
申請手続きの手順
外国人スポーツ選手を日本へ招へいする際の、申請手続きの手順は以下の通りです。
- ●1. 必要な書類を揃えて作成する
- ●2. 日本の出入国管理局に「在留資格認定証明書」の申請をする
- ●3. 審査を待つ(10~40日程度)
- ●4. 受領された在留資格認定証明書を申請人に送付する
- ●5. 申請人が移住する国の在外公館へ書類を提出し、ビザ申請を行う
- ●6. 審査を待つ(3~5日程度)
- ●7. ビザ発給(パスポートにビザが貼付される)
ビザが貼付されたパスポートと在留資格認定証明書を持って出国するようにしましょう。
申請の必要書類
申請の必要書類は、以下の通りです。
● 【申請人が用意するもの】
・申請人の経歴書及び活動に係る経歴を証する文書 適宜
・写真(縦4cm×横3cm、無背景のもの)1枚
● 【招へい機関が用意するもの】
・在留資格認定証明書交付申請書 1通
<招へい機関の概要を明らかにする資料>
・登記事項証明書 1通
・直近の決算書(損益計算書、貸借対照表など)の写し 1通
・従業員名簿 1通
<興行を行う施設の概要を明らかにする資料>
・営業許可書の写し 1通
・施設の図面 1通
・施設の写真 適宜
・従業員名簿 1通
・登記事項証明書 1通
・直近の決算書(損益計算書、貸借対照表など)の写し 1通
・請負契約書の写し(招へい機関が興行を請け負っている場合)1通
・雇用契約書の写し 1通
・ 出演承諾書の写し 1通
・滞在日程表・興行日程表・興行内容を知らせる広告・チラシ等 適宜
2.【アマチュアスポーツ選手】在留資格「特定活動(告示6号)」
日本の実業団チームに所属し、アマチュアスポーツ選手としての活動や、企業の広告塔として活動する選手に該当します。
活動の対価として、契約先会社から報酬が支払われる場合は、在留資格「特定活動(告示6号)」が必要です。
続いて、特定活動ビザの概要や条件を具体的にみていきましょう。
概要
特定活動ビザの概要は、以下の通りです。
内容 | 日本でアマチュアスポーツ選手として活動する際に必要な在留資格 |
|---|---|
在留期間 | 5年、3年、1年、6ヶ月、3ヶ月のいずれか |
更新の可否 | 可能 (更新のタイミングは、在留カードに記載される在留期間により異なる) |
該当する選手やチーム | 日本フットボールリーグ、フットサルリーグ、社会人野球チームなど |
申請の条件
申請の条件は以下の通りです。
- ● オリンピック、世界選手権などの国際的な競技会に出場経験があること
- ● 日本のアマチュアスポーツの振興および水準の向上を目的とすること
- ● 月額25万円以上の報酬を受けること
家族のビザについて
アマチュア選手の家族は、「配偶者・子ども」であれば帯同が可能です。
家族はアマチュア選手と違い、「特定活動(告示7号)」のビザを取得しましょう。
申請手続きの手順
申請人が自ら手続きを行う場合の、申請手順は以下の通りです。
- ●1. 出入国在留管理局に在留申請の相談をし、説明を受ける
- ●2. 必要な書類を揃えて作成する
- ●3. 「在留申請オンラインシステム」を利用して、在留資格認定証明書を申請する
- ●4. 審査を待つ(10~40日程度)
- ●5. 電子メールで在留資格認定証明書を受け取る
- ●6. 在外公館にて電子メールを提示し、ビザ申請を行う
- ●7. 審査を待つ(3~5日程度)
- ●8. ビザ発給(パスポートにビザが貼付される)
申請の必要書類
申請の必要書類は、以下の通りです。
● 【申請人が用意するもの】
・申請人の経歴書及び活動に係る経歴を証する文書 適宜
・写真(縦4cm×横3cm、無背景のもの)1枚
● 【招へい機関が用意するもの】
・在留資格認定証明書交付申請書 1通
・雇用契約書の写し 1通
・競技会の出場歴及び当該競技会における成績を示す資料 適宜
<申請人を雇用する日本にある機関の概要を明らかにする資料>
・登記事項証明書 1通
・貸借対照表又は損益計算書 1通
・会社の概要がわかるパンフレット等 適宜
● 【家族を帯同する場合に必要な書類】
・在留資格認定証明書交付申請書 1通
・写真(縦4cm×横3cm、無背景のもの)1枚
・申請人と扶養者との身分関係を証する文書 1通
・扶養者の在留カード又は旅券の写し 1通
・扶養者の在職証明書 1通
・扶養者の住民税の課税(又は非課税)証明書及び納税証明書(1年間の総所得及び納税状況が記載されたもの)各1通
3.【指導者】在留資格「技能(第8号のスポーツ指導者)」
監督やコーチなどの指導者には、「技能(第8号)」ビザが該当します。
ただし、指導者自身も試合などの興行活動を行う場合は、選手と同様に「興行ビザ」に該当することに留意しておきましょう。
次からは、技能ビザの概要や条件を具体的に解説していきます。
概要
技能ビザの概要は、以下の通りです。
内容 | 日本でスポーツ指導者として活動する際に必要な在留資格 |
|---|---|
在留期間 | 5年、3年、1年、6ヶ月、3ヶ月のいずれか |
更新の可否 | 可能 (更新のタイミングは、在留カードに記載される在留期間により異なる) |
申請の条件
申請の条件は、以下の通りです。
- ● スポーツ指導において3年以上の実務経験があること
- ● オリンピックや国際大会に出場経験があること
- ● スポーツ指導に係る技能を要する業務に従事すること
家族のビザについて
技能ビザを取得する指導者の家族は、「配偶者・子ども」であれば帯同が可能です。
ただし、同じ技能ビザではなく、「家族滞在ビザ」を取得することになります。
家族滞在ビザは、技能ビザと同時に手続きが可能です。
家族を帯同したい場合は、「結婚証明書」または「出生証明書」を用意しておくとスムーズに手続きできます。
申請手続きの手順
スポーツ指導者を日本に招へいする際の、申請の手続きは以下の通りです。
- ●1. 必要な書類を揃えて作成する
- ●2. 日本の出入国管理局に「在留資格認定証明書」の申請をする
- ●3. 審査を待つ(10~40日程度)
- ●4. 受領された在留資格認定証明書を申請人に送付する
- ●5. 申請人が移住する国の在外公館へ書類を提出し、ビザ申請を行う
- ●6. 審査を待つ(3~5日程度)
- ●7. ビザ発給(パスポートにビザが貼付される)
ビザが貼付されたパスポートと在留資格認定証明書を持って、出国すればOKです。
申請の必要書類
日本の証券取引所に上場している企業の場合、申請の必要書類は以下の通りです。
● 【申請人が用意するもの】
・写真(縦4cm×横3cm、無背景のもの)1枚
・スポーツ指導に係る実務に従事していたことを証明する文書 1通
・派遣先での活動内容を明らかにする資料 1通
● 【招へい機関が用意するもの】
・在留資格認定証明書交付申請書 1通
・四季報の写し、または日本の証券取引所に上場していることを証明する文書 1通
・従事する業務の内容を証明する所属機関の文書 1通
なお、招へい機関の規模や経営状況によって、提出する書類が異なるため、書類の準備に手間がかかる点を留意しておきましょう。
外国人スポーツ選手のビザで気になることQ&A
ここまで、外国人スポーツ選手・指導者向けビザの種類について解説しました。
「概要や申請方法などについて理解できたけど、こんなときはどうすればいいの?」と疑問を抱いている方もいるのでは?
そこで、ここからはよくある質問をQ&Aでまとめました。
ぜひ参考にして、スムーズにビザ申請を行ってくださいね!
実績はどれくらいあればよい?
興行ビザは、実績の有無にかかわらず取得が可能です。
スポーツ指導者が取得する「技能ビザ」とは異なり、要件に実績が含まれないため、実績がなくても取得できます。
報酬はビザ取得に影響ありますか?
日本人と同等以上の報酬額であっても、業界全体の水準よりも大幅に低い場合は、ビザを取得できない可能性が高くなります。
目安としては、月給30万円以上あれば不利になることはありません。
通訳の帯同はどうなりますか?
通訳やトレーナー、マネージャーなどは、選手と同じ書類で申請が可能です。
なお、重複する書類は1部だけで構いません。
契約が切れた場合のビザはどうなりますか?
以下の場合、届出事由の発生日から「14日以内」に、所属機関に関する届出が必要です。
- ● 契約した企業等が消滅した場合や名称、所在地が変更した場合
- ● 契約が終了した場合
- ● 新たな企業等と契約した場合
- ● 契約が終了し、新たな企業等と契約した場合
届出は、郵送や地方官署窓口、インターネットからでも可能です。
外国人スポーツ選手のビザ申請でお悩みの方は行政書士に相談を!
外国人スポーツ選手のビザ申請は、契約の種類や報酬の有無などにより、必要な書類が異なります。
そのため、在留申請で提出する書類には専門的な知識が必要となり、手続きや申請に数か月かかる場合もあります。
必要書類に不備があり、なかなか申請許可がおりないというケースも珍しくありません。
スポーツ選手は基本的に契約期間が決まって来日することも多く、来年以降の契約などにおいても継続的に相談できる専門家を用意している個人や企業も少なくありません。
少しでも不安な方は、ビザ申請経験が豊富な行政書士に依頼しましょう!
まとめ
今回は、外国人スポーツ選手向けビザの種類について解説しました。
外国人スポーツ選手・指導者向けのビザは、以下の4つです。
● 【興行(基準2号)】
・興行を目的とするスポーツ試合を行い、興行収入やスポンサー収入を得ているチームに所属しているプロスポーツ選手向けの在留資格
● 【特定活動(告示6号)】
・日本でアマチュアスポーツ選手として活動する際に必要な在留資格
● 【技能(第8号のスポーツ指導者)】
・日本でスポーツ指導者として活動する際に必要な在留資格
● 【短期滞在】
・オリンピックや世界選手権などで一時的に入国し、報酬が発生しない場合の在留資格
それぞれ申請に必要な書類が異なるため、外国人スポーツ選手や指導者がどのビザに該当するのかしっかりと確認しておきましょう。
なお、在留申請で提出する書類には専門的な知識が必要となり、書類作成・収集にはとても手間と時間がかかります。
少しでも不安を感じている方は、ビザ申請経験が豊富な行政書士の支援を受けましょう。
ぜひお伝えした内容を参考にして、外国人スポーツ選手・指導者向けのビザをスムーズに取得してくださいね!
プロフィール
2009年4月 行政書士個人事務所を開業
2012年8月 個人事務所を行政書士法人化し「さむらい行政書士法人」を設立
専門分野
外国人VISA・在留資格、外国人雇用・経営管理、永住・帰化申請
入管業務を専門とし、年間1000件以上の相談に対応
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