就労ビザの有効期間はどのくらい?在留期間の決め方や基準についても解説
「就労ビザの有効期間はどのくらい?」と疑問を持っている方も多いのではないでしょうか。就労ビザの有効期間は、取得する在留資格の種類や審査の結果によって違いがあります。
この記事では、就労ビザの有効期間を一覧で紹介した上で、有効期間が決まる基準についても詳しく解説します。これから就労ビザの取得、更新を検討している方は、ぜひ最後までご覧ください。
そもそも就労ビザとは?知っておきたい基礎知識
就労ビザの有効期間に関する解説に入る前に「就労ビザ」に関する定義について確認をしておきたいと思います。
「就労ビザ」という言葉を聞く方も多くいらっしゃるかと思いますが、「就労」という在留資格は存在しません。
外国人が日本で報酬を得て働くために必要な在留資格を総称して「就労ビザ」と呼んでいます。
この「就労ビザ」は、2025年1月現在で19種類に分類されています。各在留資格によって申請のための要件はもちろん、就労できる業務内容について制限が設けられているものもあります。
「日本で働きたい」「外国人を雇用したい」という外国人と日本企業がすぐに雇用契約を結べるわけではなく、それらの在留資格の種類や要件を踏まえたうえで、取得が必要な在留資格を選定して、はじめて日本で就労をしてもらうことができます。
在留資格で制限されている業務内容から外れた業務に常に従事してしまっていたことが発覚すれば、外国人はもちろん雇用していた企業についても、「不法就労」として罰せられてしまうリスクがあります。
制度内容を十分に理解したうえで、外国人雇用を実施することがポイントです。
「就労ビザ」に該当する在留資格の代表例
「就労ビザ」に該当される在留資格と各制度の違いを知っていただくため、「就労ビザ」に分類されている在留資格の代表例を一部ご紹介いたします。
各在留資格の特徴やポイントについては、「初めての外国人雇用◆就労ビザの基礎知識」でも解説をしておりますので、ぜひご参考にしてください。
例①:技術・人文知識・国際業務
就労ビザと呼ばれて活用をされている方も多い在留資格が、この「技術・人文知識・国際業務」です。法律上の定義としては、「理学、工学その他の自然科学」「法律学、経済学、社会学その他の人文科学」「外国の文化に基盤を有する思考若しくは感受性」等の専門性を必要とする業務に従事する方が取得できる在留資格です。
「理学、工学その他の自然科学」の専門性の代表としては、システムエンジニアや機械工学等の技術者等が該当します。「法律学、経済学、社会学その他の人文科学」にはマーケティング業務の担当者、「外国の文化に基盤を有する思考若しくは感受性」を持つ業務として通訳やデザイナー等が分類されます。
申請時には、企業で従事させる業務内容はもちろんのこと、従事予定の業務内容と外国人の学歴・経歴と必要とする専門性が連動するかどうかが審査の大きなポイントになります。
業種等の制限がないことから多くの企業が活用をしており、日本に在留する外国人の1割程度はこの在留資格で在留しています。
例②:特定技能
2019年に日本の人手不足を解消する目的で新設された在留資格です。制度が創設されるまでは、日本で就労する外国人は前で解説した「技術・人文知識・国際業務」の在留資格で入国する方を対象としたような高い専門性が必要となっていました。
しかし、日本国内の少子高齢化による労働力不足が深刻化していることで、日本政府として一定のレベルを設けながらも外国人雇用を積極的に進めていくために設けられた制度と言えます。
2025年に入り、本制度が運用されて約6年が経とうとしていますが、現在は25万人を超える外国人が「特定技能」の在留資格で就労をしています。
対象分野の設定はありますが、現在では16分野が対象となっており、比較的広い業種で活用をすることができます。また、本在留資格の最も大きな特徴としては従事できる業務の幅です。
製造業の工場のライン作業など、これまで外国人の就労がとても限定的だった「現場作業」レベルの業務についても、「特定技能」の在留資格を取得していれば、従事することができます。
例③:企業内転勤
企業内転勤では、海外にある本社・系列会社から日本へ外国人社員を呼び寄せることができます。海外進出を行った日本企業が、一定期間日本に転勤をしてもらうために活用をされるケースが多い傾向です。
従事できる業務内容としては、先に解説した「技術・人文知識・国際業務」や「技術」の在留資格の方が従事する業務と同様の活動内容が該当します。親会社・子会社の関係性であったとしても、日本で従事する業務内藤が単純作業の場合にはビザの許可はされません。
また、これまで「企業内転勤」という区分は1種類でしたが、2025年1月現在入管法改正によって「企業内転勤2号」の在留資格が創設されることが決定しています。これまでの「企業内転勤」との違いとしては、来日する外国人社員が技能を習得する目的として講習を受けることができる点です。
この法改正によって、日本企業にとってはノウハウやスキルを共有するために「企業内転勤」を活用できるケースも増えていくことが予想されます。
ここまで代表的な3種類の在留資格を紹介しましたが、実際には全19種類という様々な在留資格が存在します。それらの在留資格によって活用できる業務内容や、後ほど解説する在留資格の有効期間(在留期間)も異なっているので、目的に応じて適切な在留資格を活用することが重要です。
就労ビザの有効期間(在留期間)
一口に就労ビザといっても、在留期間は種類ごとに異なり、最短で15日、最長で5年となっています。例えば、「技術・人文知識・国際業務」の就労ビザの在留期間は、3ヵ月、1年、3年、5年のいずれかとなります。
なお、就労ビザは更新できるケースもあるため、もともとの在留期間が3年に決められていた外国人であっても、更新申請が許可されれば3年以上の在留も可能です。
【就労ビザ別】有効期間(在留期間)一覧
ここでは、有効期間を就労ビザの種類別に紹介します。
就労ビザの種類 | 有効期間 |
|---|---|
高度専門職1号イ、ロ及びハ | 5年 |
特別高度人材 | 5年 |
外交 | 外交活動を行う期間 |
公用 | 5年、3年、1年、3ヵ月、30日、15日 |
教授 | 5年、3年、1年、3ヵ月 |
芸術 | 5年、3年、1年、3ヵ月 |
宗教 | 5年、3年、1年、3ヵ月 |
報道 | 5年、3年、1年、3ヵ月 |
経営・管理 | 5年、3年、1年、4ヵ月、3ヵ月 |
法律・会計業務 | 5年、3年、1年、3ヵ月 |
医療 | 5年、3年、1年、3ヵ月 |
研究 | 5年、3年、1年、3ヵ月 |
教育 | 5年、3年、1年、3ヵ月 |
技術・人文知識・国際業務 | 5年、3年、1年、3ヵ月 |
企業内転勤 | 5年、3年、1年、3ヵ月 |
介護 | 5年、3年、1年、3ヵ月 |
興行 | 3年、1年、6ヵ月、3ヵ月、15日 |
技能 | 5年、3年、1年、3ヵ月 |
特定技能 | ・特定技能1号:1年、6ヵ月、4ヵ月 ・特定技能2号:3年、1年、6ヵ月 |
技能実習 | 法務大臣が個々に指定する1年を超えない期間 |
特定活動 | 5年、3年、1年、6ヵ月、3ヵ月、法務大臣が個々に指定する5年を超えない期間 |
上表のとおり、就労ビザの種類によって規定される有効期間は異なるので、自身の取得予定の就労ビザがどれに当てはまるのか、しっかりと確認しておきましょう。
就労ビザにおける有効期間の決定基準
就労ビザの有効期間は、出入国在留管理庁の裁量によって決定します。そのため、たとえ同じような条件で複数の外国人が申請したとしても、有効期間が同じになるとは限りません。
在留期間が決まる審査の主な基準には、以下が挙げられます。
・外国人本人に関する基準
・所属機関側に関する基準
有効期限を決める際は、就労する外国人本人、および就労先の所属機関それぞれの基準と照らし合わせた上で判断されます。両者の基準について、以下の項目で詳しく見ていきましょう。
外国人本人に関する3つの基準
外国人本人に関する基準としては、主に3つ挙げられます。ただし、今回紹介する3つ以外の要件も、就労ビザの有効期間を決める審査に影響する可能性はあります。
・素行に問題がないか
・届出や納税を適切に行っているか
・安定した生活を送れるか
それぞれの基準について、詳しく紹介します。
素行に問題がないか
就労ビザの更新では、在留期間中に素行に問題がなかったかという点が重視されます。例えば、自身が取得した就労ビザでは許可されていない活動に従事して報酬を得ていたような場合は、素行不良と判断されてしまい、更新時の有効期間が短くなるおそれがあります。
届出や納税を適切に行っているか
在留する外国人は、各種の届出や納税の義務を果たしている必要があります。納税の義務を守っていない場合は、消極的な要素と判断されて、有効期間に影響を及ぼす可能性があるでしょう。
仮に、納税義務の不履行で刑に問われていなくとも、高額もしくは長期の滞納が発覚した場合は審査に影響します。
安定した生活を送れるか
日本での滞在中、安定した生活を送れるだけの経済力を持っているかという点も、就労ビザの有効期間に影響します。例えば就労先の所属機関との契約期間が1年未満の場合は、その契約期間を超えた在留期間が許可される可能性は低いといえます。
所属機関側に関する3つの基準
次に、所属機関側に関する基準を3つ挙げます。なお、就労ビザの有効期間を決める際は、ほかの要件もチェックされる可能性があることは留意しておきましょう。
・会社の規模
・就労予定期間
・職務内容
所属機関側の基準について確認していきましょう。
会社の規模
就労ビザの有効期間には、会社の規模が影響します。そもそも就労ビザを取得予定の外国人が所属する会社は、大きく4つのカテゴリーに分けられています。
例えば、雇用する外国人の就労ビザを初めて申請する場合、カテゴリー1の「上場企業」であれば5年の有効期間が認められる可能性はありますが、カテゴリー3以下の企業の場合は認められない可能性が高いでしょう。
在留資格における企業のカテゴリーについては、ぜひこちらを参照してください。
就労予定期間
就労予定期間も、就労ビザの有効期間に関わる要素の一つです。一般的に、在留期間5年の就労ビザを取得する場合は、期限を定めず外国人を雇用する場合が対象となります。
また、在留期間が3年の就労ビザに必要な就労予定期間は1年以上、在留期間が1年の就労ビザに必要な就労予定期間は1年未満という傾向です。
職務内容
職務内容も就労ビザの有効期間に影響します。特に、1年の就労ビザを申請する場合は、企業の業務内容と外国人労働者が持つ知識・スキルの関連性の低さや、単純労働を疑われる可能性が高まります。
そのため、就労ビザの審査の際に、雇用を予定している外国人が有する知識・スキルと、所属機関側の業務内容との関連性を証明できる書類を準備しておかなければなりません。
まとめ
就労ビザの有効期間は最短で15日、最長で5年と大きく違いがあります。審査の際は、外国人本人と所属機関側のそれぞれに設けられている基準が影響します。
必要書類の準備には多くの時間と手間を要するため、専門家へ相談することもおすすめです。さむらい行政書士法人では、就労ビザの新規申請や更新、変更に関するサポートを実施しています。
これから就労ビザの申請や更新を検討している外国の方や、企業担当の方は、ぜひお気軽に無料相談よりお問い合わせください。
プロフィール
2009年4月 行政書士個人事務所を開業
2012年8月 個人事務所を行政書士法人化し「さむらい行政書士法人」を設立
専門分野
外国人VISA・在留資格、外国人雇用・経営管理、永住・帰化申請
入管業務を専門とし、年間1000件以上の相談に対応
無料相談
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