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外国人スポーツ選手(野球・サッカー・力士など)向け興行ビザの取得方法

日本国内で外国人スポーツ選手が活動し、お金を稼ぐためにはビザを取得しなくてはいけません。スポーツ選手向けのビザにはいくつかの種類があります。長期的に活動するのであれば、「興行ビザ」を申請することが必須です。

外国人スポーツ選手向けビザとは

大きく分けて、3つのビザが外国人スポーツ選手に用意されています。滞在期間や活動内容によって、申請するべきビザは変わってきます。

興行ビザ3号

スポーツで利益をもらうことは興行に該当する行為です。そのため、日本でプロスポーツ団体と契約したり、賞金のある大会に出場したりするには興行ビザ3号が求められます。プロの野球選手やサッカー選手、力士などは興行ビザを取得しなくてはいけません。

特定活動ビザ

アマチュアのスポーツ選手向けのビザが特定活動ビザです。実業団などに所属する際には、特定活動ビザを申請します。

短期滞在ビザ

日本に短期間だけ滞在し、賞金のない大会に出場するときに必要なビザです。スポーツ大会の中には興行目的でないものも多いため、短期滞在ビザで事足りるケースも少なくありません。

スポーツ指導者向けビザ

スポーツ指導者向けに用意されているビザは2種類です。「プロに指導する」のか「プロ以外で指導する」のかで分けることができます。

興行ビザ3号

プロスポーツ選手の監督、コーチ、トレーナーなどは、興行ビザ3号の対象になります。

指導者として興行ビザ3号を取得する場合には、指導するプロ選手の活動における「必要性」と「一体性」が認められなければなりません。基本的にはプロチームに所属し、選手と一体になって活動することになります。

興行ビザ3号発行手続きは、選手がする手続きと同様です。

技能ビザ

プロ以外でスポーツの指導者として活動する場合には、技能ビザの取得が必要です。ここでいうスポーツとは、「競技スポーツ」「生涯スポーツ」の両方を指します。

技能ビザ取得の条件は以下の通りです。

 

スポーツ指導に係る技能について3年以上の実務経験があること

(仕事としてどこかの企業、団体に所属し、給料をもらって指導していた必要があり、ボランティア活動は該当しない)

また、外国の教育機関でスポーツに係る科目を専攻した学生期間やプロのスポーツ選手として報酬を得ながら活動していた期間も上記の3年に含む

 

実務経験が3年未満の場合は、オリンピックや世界選手権、アジア大会などの地域または大陸規模の競技大会、アジアカップサッカーなどの競技別の地域または大陸規模の競技大会などいずれかに出場した経験があることが条件

(2国間または特定国間での親善大会などは含まれない)

 

スポーツ指導に係る技能を要する業務に従事すること

技能ビザ取得のためには日本の企業や団体などと契約関係になければなりません。そのため、外国のスポンサーに雇われて日本で活動することはできないのです。

また、技能ビザ取得の際には外国人の指導者を招聘した企業もしくは団体の安定性や収益性、外国人の労務管理体制などが見られます。場合によっては、ビザ取得に影響することもあるでしょう。

さらに、長期間のオフシーズンがあり、指導しない期間が長い場合は注意が必要です。

「興行ビザ3号」に当てはまる事例

具体的に興行ビザ3号の対象となるケースはどんなものがあるのでしょうか。いくつかの事例をご紹介します。

野球選手

野球選手の場合は2つのケースがあります。

1つは、日本野球機構(NPB)が運営するプロ野球12球団に所属する場合です。プロ12球団に所属する場合、1軍もしくは2軍の選手が興行ビザ3号の対象になります。

もう1つは、地区独立リーグに所属する場合です。

地区独立リーグは、地域などでつくられた組織が独自に開催する野球リーグで、地区独立リーグに所属する選手は興行ビザ3号を取得することになります。

サッカー選手

サッカー選手の場合は、日本プロサッカーリーグ(Jリーグ)に所属する選手が興行ビザ3号の対象です。J1及びJ2に所属する必要があります。

一方、日本フットボールリーグ(JFL)はアマチュアスポーツの一部と考えられています。そのため、JFLのチームに所属する選手は、プロ契約を結んでいない限り興行ビザの対象にはなりません。

また、サッカーチームには「ホぺイロ」と呼ばれる選手の身の回りの世話や練習の準備を迅速に行う役職が存在します。ホぺイロは一定の経験が必要であり、選手にアドバイスなどを行っていることから、興行ビザ3号の対象として認められているのです。

力士

力士として興行ビザ3号を取得するには、財団法人日本相撲協会から力士として証明されている必要があります。力士としての認定さえあれば、番付は問われません。

フットサル

フットサルには日本フットサルリーグ(Fリーグ)があります。現在Fリーグはプロリーグとしての評価ができていないため、基本的にはFリーグのチームに所属する選手は興行ビザ3号の対象にはなりません。しかし、JFLと同様に一部のチームの選手については興行ビザ3号が認められるケースもあります。

バスケットボール

バスケットボール選手の場合、日本プロバスケットバスケットボールリーグ(BJリーグ)のチームに所属する選手が興行ビザ3号の対象です。

また、チームに所属するチアリーディングは、コンサートなどの興行と同様に収容施設の要件を満たしていれば、同じく興行ビザを取得することができます。(チアリーディングが取得できるのは、興行ビザ2号ですのでご注意ください。)

アイスホッケー

日本アイスホッケーリーグはすでに廃止されていますが、アジアアイスホッケーリーグが存在します。アジアアイスホッケーリーグに所属している日本のチームは4チームで、そのうちプロチームは2つです。プロの2チームどちらかに所属する選手が興行ビザ3号を取得できます。

ゴルフ

ゴルフの場合は、ゴルフトーナメントに出場するプロゴルフ選手が興行ビザ3号の対象になります。しかし、プロ選手であっても無報酬でゴルフトーナメントに参加する場合は「短期滞在ビザ」の対象となるので注意が必要です。

その他の事例

その他の事例としては以下のようなケースがあります。

•プロボクサー
•総合格闘技選手
•プロレス選手
•プロテニス選手
•プロゲーマー
•興行としてのダンス選手権に出場するダンス選手

「興行ビザ3号」の申請方法とは

外国人スポーツ選手が日本で興行に参加し、しっかりと収入を得たいと考えているなら興行ビザ3号で発行手続きを進めることが不可欠です。なお、選手だけでなく外国の監督やコーチなどを日本で雇うときも、彼らが興行ビザを取得する必要があります。

在留資格認定書の発行

外国人スポーツ選手の在留資格認定証明書を発行してもらうために入国管理局に対して申請しなくてはいけません。一般的には、選手が所属する予定のチームや団体が申請を代行します。すでに選手が短期滞在以外のビザで日本に住んでいる場合は、在留資格変更申請を行います。在留資格認定書を発行してもらうには、申請書のほか、団体の登記事項証明書、決算書、従業員名簿、雇用契約書などを提出します。提出先は団体のある地域の入国管理局です。書類内容は細かく審査されるので、遅い場合で発行までに約1カ月はかかります。

興行ビザの申請

在留資格認定書が発行されたら、選手側に原本を送ります。ただ、選手本人が手続きするとは限らないので、場合によってはエージェントなどの代理人とやりとりをしましょう。選手側は本国の日本大使館や総領事館に、在留資格認定書と必要書類を提出して興行ビザ3号を申請します。必要書類の内訳はパスポートや写真、身分証明書や申請書などです。書類がそろっていて、内容にも問題がなければ数日中にビザは発行されます。後は、ビザをパスポートに貼り付けて来日することで、日本国内でのスポーツ興行への参加が認められます。

「興行ビザ3号」取得のための必要書類

興行ビザに限らず在留資格取得の際は必要書類をしっかりそろえることが重要になります。書類に不備などがあった場合、審査が長引く可能性があるので、必要書類は事前にしっかり確認しておきましょう。

申請人に関する書類

申請人に関する書類には以下のものがあります。

•在留資格認定証明書交付申請書
•申請人の経歴及び活動に係る経歴を証する文書
•証明写真

順番に解説していきます。

 

在留資格認定証明書交付申請書

いわゆる興行ビザの申請書です。在留資格認定証明書交付申請書は出入国在留管理庁のホームページよりダウンロードできます。

ビザの種類によって書式が異なりますので、別のビザのものを使用してしまわないように注意しましょう。

 

申請人の経歴及び活動に係る経歴を証する文書

興行ビザ3号が必要な外国人選手の経歴、そして選手のスポーツ活動に関する経歴が書かれた文書を適宜準備しましょう。書き方はスポーツの種類や実績によって異なります。

 

証明写真

証明写真の大きさは縦4㎝×横3㎝です。無帽、無背景で撮影され、鮮明なものを用意しましょう。また、写真は申請前3か月以内に撮影されている必要があります。

写真の裏面には申請者本人の氏名を記載し、在留資格認定証明書交付申請書に貼付しましょう。

招聘機関・契約機関に関する書類

招聘機関・契約期間に関する書類は以下の通りです。

•招聘機関の概要を明らかにする資料
•申請人の日本での具体的な活動の内容、期間、地位及び報酬を証する文書
•請負契約書の写し
•その他の参考資料

それぞれ詳しく見ていきます。

 

招聘機関の概要を明らかにする資料

招聘機関の概要を明らかにする資料としては、「登記事項証明書」「直近の決算書の写し」「従業員名簿」を各1通ずつ用意する必要があります。

登記事項証明書は発行後3か月以内のものを使用しましょう。また、直近の決算書には損益計算書や貸借対照表などがあります。

 

申請人の日本での具体的な活動の内容、期間、地位及び報酬を証する文書

「雇用契約書の写し(1通)」「出演承諾書の写し(1通)」「雇用契約書や出演承諾書に準ずる文書(適宜)」のうちいずれかを提出します。

 

請負契約書の写し

招聘機関が興行を請け負っているときは、請負契約書の写し1通の提出が求められます。

 

その他の参考資料

その他参考資料として、「滞在日程表」「興行日程表」「興行内容を知らせる広告・チラシ等」を適宜準備しましょう。

施設に関する書類

興行を行う施設の概要を明らかにする資料として、

•営業許可書の写し 1通
•施設の図面 1通
•施設の写真 適宜
•従業員名簿 1通
•登記事項証明書 1通
•直近の決算書の写し 1通

が必要になります。

登記事項証明書は発行後3か月以内のものを用意しましょう。また、直近の決算書には損益計算書や貸借対照表などがあります。

「興行ビザ3号」についての注意点

外国人の不法労働が問題になったため、興行ビザの審査は厳しくなっています。スムーズに選手を日本へと呼び寄せるには、申請時の注意点も意識しましょう。

たとえば、選手との雇用内容に不審点があると入国管理局の審査に引っかかりやすくなります。また、場合によっては外国人選手がプレーする施設の概要も見られます。

施設が興行と呼ぶに値する企画を備えており、スポーツで本当に収益を挙げられるかがチェックされるのです。こうした審査は、不当な目的で外国人を招へいできないようにするために行われています。入国管理局に対しては、スポーツの会場となる施設の図面や概要も提出するようにしましょう。施設の外観や内観が分かる写真も重要です。

外国人選手を一刻も早く合流させるには、入国管理局とのやりとりで不備がないようにしましょう。

まとめ

今回は日本でのスポーツ活動に必要なビザ「興行ビザ3号」について解説してきました。いかがでしたでしょうか?

スポーツ選手向けのビザ、そしてスポーツ指導者向けのビザにはいくつかの種類があります。まずは自身がどのビザの対象になるのかを確認してみてください。

長期的に活動する場合には興行ビザ3号の取得が必要になります。今回お伝えした必要書類や注意事項をぜひ参考にしていただき、スムーズにビザが申請できるよう準備しましょう。

 この記事の監修者

さむらい行政書士法人 代表 / 小島 健太郎

さむらい行政書士法人
公式サイト https://samurai-law.com

代表行政書士

小島 健太郎(こじま けんたろう)

 

プロフィール

2009年4月 行政書士個人事務所を開業
2012年8月 個人事務所を行政書士法人化し「さむらい行政書士法人」を設立

専門分野

外国人VISA・在留資格、外国人雇用・経営管理、永住・帰化申請
入管業務を専門とし、年間1000件以上の相談に対応

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