技術人文知識国際業務ビザの理由書とは?書き方も解説
技術人文知識国際業務ビザを申請するとき、必要書類と合わせて提出することができる「理由書」をご存じでしょうか。理由書を出すことで、審査が不許可になることが少なくなる可能性があります。
今回はそんな「理由書」についてご紹介します。書き方も合わせてご説明しますので、ぜひ最後までご覧ください。
技術人文知識国際業務ビザの理由書とは
理由書とは、技術人文知識国際業務ビザを申請する際に、雇用する理由を補填するための書類です。理由書は決まった様式がなく、提出は任意となっています。
理由書を提出するのは、審査をスムーズに行うためです。雇用するための必要性や業務への関係性、所属機関の情報を明記することで、入国審査官に内容が伝わりやすくなり、素早く審査のポイントを押さえることができます。
在留資格を取得するためには、入国審査官を納得させることが必要です。理由書をしっかりと準備することで、不許可になるリスクを軽減する役割もあります。
追加で資料を求められることや、審査期間が長引いてしまうことを避けるために、あらかじめ理由書を用意して負担を減らしたほうが良いでしょう。
技術人文知識国際業務ビザの理由書に書く内容
技術人文知識国際業務ビザの理由書に書く内容は、どういったものなのでしょうか。ここでは、理由書に書く内容についてご説明いたします。内容をしっかりと書き込むことで、審査官に要件を満たしていることをアピールできますので、1つずつ確認していきましょう。
学歴・職歴
学歴・職歴は、最終学歴から現在までの職歴を記載します。
学歴の場合、専攻していた科目に従事する業務との関連性があることを証明します。
職歴の場合、今まで従事してきた業務との関連性をしっかりと明記すると良いでしょう。
業務を行うことができる、という証明において学歴・職歴は強く関係しています。技術人文知識国際業務ビザを取得する際にも必須の要件になっていますので、丁寧に記載しましょう。
内定企業の事業内容
内定を受けた企業の事業内容を、簡潔に分かりやすく記入します。会社のパンフレットやホームページの内容を印刷したものを提出するのも良いでしょう。
審査官が注目しているのは、企業の安定性です。所属する機関の基礎情報や今後の安定性・継続性が分かる文章や資料を提出することで、審査官が審査をしやすくなります。
職務内容
どのような職務に就くのかを記載します。職務の内容は、技術人文知識国際業務ビザで働くことができる範囲内の仕事かどうかを確認するために必要です。職務を担当するための根拠をしっかりと明記することで、雇用することへの必要性を高めることができます。
記入する際は、職務内容がビザの活動範囲内に該当しているかを再度確認してから記入するようにしましょう。
日本語力
業務に必要な、日本語力があることを記載します。日本語力は、通訳翻訳の業務に従事する際には、必須になるスキルです。日本語の能力を示す学歴や職歴などがあれば、積極的に記入しましょう。また、資格を取得していることも大きく影響します。日本語能力検定N1などの資格を持っている場合は、忘れずに書くようにしましょう。
業務内容
実際に行う業務内容を記入します。業務内容が申請人の能力と合致しないと、審査に通ることが難しいでしょう。
そのため、学歴・職歴で培った知識や技術が、業務内容と関係しているかどうかを確認する必要があります。適合性をしっかりとアピールすることで、審査を優位にすることができるでしょう。
技術人文知識国際業務ビザ理由書の書き方のポイント
技術人文知識国際業務ビザの理由書の書き方には、押さえておきたいポイントがあります。ここでは2つのポイントに分けて、ご説明いたします。
大学などでの履修内容と業務内容との関連性が必要
技術人文知識国際業務ビザは、専門的な知識や技術が求められる就労ビザです。そのため、従事する業務の職歴がなく、大学などでの履修内容と従事する業務内容に関連性がない場合、申請が通ることは難しいでしょう。
大学卒業であれば比較的審査の基準は緩くなっているようですが、明らかに関係のない職種や業務につく場合は正当な理由が必要になります。履修内容と業務内容に関連性があるのか不安な場合は、専門家に相談することも1つの手です。
雇用しなければならない理由を明確にする
所属機関が申請人を雇用しなければならない理由を明確にし、記載することが必要です。申請人を雇用するに至った経緯や、従事する業務に対する必要性などを書くことで、不要な疑いをかけられることがなくなります。
ビザを取得するためには、取得する要件を満たしている上で、満たしていることをアピールするのが大切です。申請人を雇用する背景は、必要最低限の書類だけでは審査官に伝わりにくいため、理由書を用いて説明します。
技術人文知識国際業務ビザの理由書を書く上での注意点
技術人文知識国際業務ビザの理由書を書く上で、気をつけなければいけない点があります。ここでは、理由書を書くときの注意点についてご説明いたします。
ビザの要件を満たしているか確認する
ビザを取得するためには、要件を満たしている必要があります。理由書は、学歴であれば学歴の、職歴であれば職歴の要件を満たしていることを再度アピールすることができるツールです。
技術人文知識国際業務ビザは、業務に就くために必要な知識や技術があるのかを重視しています。特に技術・人文知識は、専攻している科目と業務内容が一致しなければ知識や技能があるかどうかの判断が難しくなります。
要件を満たしていないと判断され不許可になった場合、再審査が厳しくなりますので、不安な方は専門家に相談することをおすすめします。
誰がどこでどんな業務内容をするかを明確に
理由書には「誰が」・「どこで」・「どんな業務内容をするか」を明確に記載しなければいけません。必要最低限の書類にも記載はされていますが、審査をスムーズに行うためにはわかりづらい部分を理由書で補うことがポイントです。
審査官が審査を行うために知りたいのは、
•業務内容が専門的な知識や技能が必要なものであるか
•業務内容と申請人の学歴や職歴で得た知識・技能は一致しているか
•申請人に対する業務の量は適切であるか
•報酬は日本人と同等額以上であるか
ということです。
審査は書面審査が原則のため、審査官は提出された資料で判断するしかありません。単純作業や簡単に習得できる業務は技術人文知識国際業務ビザではできませんが、そういった業務内容ではないかということを文面だけで判断するのはとても困難です。
業務に学術的素養や国際的な背景が必要な理由を明確に記載することで、審査官も判断をしやすくなります。スムーズな審査で許可を得るためにも、分かりづらい箇所を補助することのできる理由書の作成をしましょう。
まとめ
今回は、技術人文知識国際業務ビザの理由書についてご説明いたしました。理由書を正しく丁寧に記入することで、審査をスムーズに進めることが可能です。要件や業務内容が合致していることを証明し、不許可になるリスクを軽減しましょう。
理由書の作成に自信がない方や不安な方は、専門家に相談することをおすすめします。
この記事の監修者
プロフィール
2009年4月 行政書士個人事務所を開業
2012年8月 個人事務所を行政書士法人化し「さむらい行政書士法人」を設立
専門分野
外国人VISA・在留資格、外国人雇用・経営管理、永住・帰化申請
入管業務を専門とし、年間1000件以上の相談に対応
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