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遺言執行の必要書類について解説

亡くなった人が遺言を残していた場合、亡くなった人の残した遺産は、遺言に書かれていた通りに遺族で分け合う事になります。遺言に書かれていた内容を実現する事が遺言執行の基本になります。

 

遺言執行は誰がやるの? 遺言執行にはどんな書類が必要なの??

 

そんな疑問をお持ちかもしれませんので、解説していきます。

 

まず、遺言執行を誰がやるのか?については、亡くなった人の遺言に、「遺言執行人」として指定されていた人が行います。

 

遺言に「遺言執行人」の指定が無い場合は、相続人となる遺族全員で遺言の内容にそって相続手続きを行っていくことになります。

 

「遺言執行人」の指定があると色んな相続手続きが、「遺言執行人」単独でできてしまうのに対して、「遺言執行人」の指定が無いと、遺族全員で色々と決めながら相続手続をやっていかなくてはいけなくなります。

 

次に、遺言執行の必要書類はどんな書類が必要か??と言われると、実は一言では言えないのです・・・。なぜなら、相続手続ごとに必要な書類は変わるからです。

 

ここでは、相続手続きの中でも高確率で発生する金融機関の預貯金の相続手続きを例として遺言執行の際の必要書類を記載します。

(金融機関での遺言執行に必要な書類)

・亡くなった人の戸籍謄本(亡くなった事が記載されているもの)

・遺言書の原本(自筆証書遺言の場合)

・遺言書の検認確認済証明書の原本(自筆証書遺言の場合)

・遺言書の謄本(公正証書遺言の場合)

・亡くなった方の銀行通帳、キャッシュカード

・遺言執行人の印鑑証明書

・遺言執行人の実印

・遺言執行人の身分証明書(運転免許証等写真付きのもの)

以上が基本的な必要書類になります。

 

他の役所や窓口で遺言執行を行う際の必要書類は手続きによって違いますが、基本的には、「遺言執行人」の指定がある遺言書と、「遺言執行人」の身分の証明となる資料は必ず必要になります。

 

ここで、「自筆証書遺言」と「公正証書遺言」というちょっと小難しいワードがでてきたので、遺言執行の流れとともに説明をしていきます。

(遺言執行の流れ)

① 遺言書の検認作業

遺言書には「自筆証書遺言」と「公正証書遺言」というものがあります。難しい言葉ですが、簡単にいうと、「自筆証書遺言」は亡くなった方が自分で作った遺言、「公正証書遺言」は公証役場で公正証書にした遺言と思って頂ければよいです。

亡くなった人が残した遺言が「公正証書遺言」であれば良いのですが、「自筆証書遺言」の場合は裁判所で検認という確認作業を受けないといけないのです。検認作業の前に遺言を開封すると、最悪の場合遺言書が無効になってしまいますので、ご注意を!

② 遺言執行人の就任

裁判所での検認作業が終わった後、遺言内容を確認して、遺言内容を執行する「遺言執行人」の指定があれば、その指定された人が遺言執行人に就任します。

仮に「遺言執行人」の指定が無い場合は、残された遺族全員で遺言内容に沿って相続手続きを進めていくことになります。(その為下記③以降も相続人全員で進めていくことになります。)

③ 相続手続きの開始

相続手続きは、戸籍謄本類の収集や、相続人調査、相続財産の調査、遺産の種類によって、各窓口での手続きを行います。遺言執行人が一番、時間と労力をかけて行うフェーズになります。

④ 遺族全員に遺言執行の完了した事の報告

遺言執行が完了したら、遺族に手続きが完了した事を報告して、遺言執行人としての役目がおわります。

以上が遺言執行の際の必要書類と大まかな流れになります。

 

 

遺言執行者は必ず定めなくていけないわけではないですが、相続の状況によっては必ず「遺言執行者」を決めなくてはいけない場合もあります。また、遺言執行者は遺言で定められてなくても、遺族からの申し立てで家庭裁判所に選任してもらう事もできます。

 

遺言書で遺言執行人を指定しなくても相続手続きを進めることはできますが、残された遺族の大変さを考えると、遺言書で遺言執行人を定めた方が、相続手続きをスムーズに進められる場合は多いです。実際に最近の遺言書は遺言執行人遺言執行人の仕事内容は場合によっては非常に難しい内容もありますので、できるのであれば、遺族の中ではなく、専門家を指定して任せる方が安心な面もあります。

 

また、遺言執行人は、仮に自分が遺言書で指定されていても、第三者、例えば行政書士の様な専門家に委任をして、遺言執行をしてもらえる場合もあります。

 

遺言執行でお悩みの際は、お早めに専門家に相談することをお勧めいたします。