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在留資格「留学」の要件を解説!審査のポイントなども合わせ紹介

外国人の方が日本の教育機関で教育を受けるには、「留学」の在留資格が必要です。

 

しかし、日本の学校に留学したくても、「在留資格がちゃんと取得できるのか」「審査の基準はあるのか」と不安に思っている方も多いのではないでしょうか。

 

この記事では、そんな不安を解消するために、在留資格「留学」に求められる要件と審査のポイントについて詳しく解説します。加えて、在留資格を取得したあとの注意点についても紹介します。

在留資格「留学」の要件

在留資格「留学」を得るためには、法務省が定めた要件を満たさなければいけません。具体的には、活動・資力・教育の3つの要件があります。それぞれの要件について、以下で見ていきましょう。

活動要件

活動要件を満たすには、日本の教育機関で教育を受ける必要があります。「留学」の目的は、日本で勉強をすることです。そのため、以下の表の[A〜C]のいずれかの教育機関に入学しなければいけません。

 

教育機関

備考欄

A

大学

夜間通学または通信課程の場合を除く

大学に準ずる機関

専修学校の専門課程

外国で12年の学校教育を修了した外国人を対象とした、日本の大学に入学するための教育をおこなう機関

高等専門学校

B

日本の大学に入学して、夜間の授業をおこなう大学院の研究科で夜間通学して教育を受けること

当該大学が教育を受ける外国人の出席状況やアルバイトの規則が守られているかを十分に管理する体制を整備している場合に限る

C

高等学校

定時制を除き、中等教育学校の後期課程を含む

中学校

中等教育学校の前期課程を含む

小学校

 

特別支援学校の高等部・中等部・小学部

 

専修学校の高等課程・一般課程

夜間通学または通信課程の場合を除く

各種学校

設備および編成に関して各種学校に準ずる教育機関

資力要件

資力要件を満たすには、日本で生活するための費用として、十分な資産や奨学金などを持っていなければいけません。具体的な費用とは、学費・教材費・住居費・交通費・食費・渡航費・その他生活費などです。

教育要件

教育要件を満たすには、以下の[①〜③]のいずれかを満たしていなければいけません。

①聴講による教育を受ける研究生、もしくは聴講生として教育を受ける場合

活動要件の項で解説した、表の[A・B]に該当する教育機関に入学する外国人が対象です。教育機関がおこなう入学試験に合格し、入学許可を得なければいけません。加えて、1週間に10時間以上の聴講が必要です。

②高等学校で教育を受ける場合

高等学校に入学する外国人は、20歳以下でなければいけません。加えて、教育機関において1年以上の日本語教育、もしくは日本語による教育を受けている必要があります。ただし、日本政府や地方公共団体・学校法人などがおこなう学生交換計画や国際交流計画を利用した留学の場合は、上記の要件を満たす必要はありません。

 

以下は、中学校・小学校・特別支援学校の中等部・小学部で教育を受ける場合の要件です。

・中学校に入学する外国人は、17歳以下
・小学校に入学する外国人は、14歳以下
・日本に申請人を監護する者がいること
・入学予定の教育機関に外国人学生の生活の指導を担当する常勤職員が配置されていること
・常駐の職員が配置されている寄宿舎や宿泊施設が確保されていること

③専修学校や各種学校で教育を受ける場合

専修学校や各種学校で教育を受ける場合は、以下の[a・b]のいずれにも該当していなければいけません。ただし、日本語教育を受ける場合は除きます。

 

[a]以下のいずれかに該当していなければいけません。

・法務大臣が定めた日本語教育機関で、6カ月以上の日本語の教育を受けた外国人
・教育を受けるに足りる日本語能力が試験などで証明された外国人
・学校教育法に規定する学校(幼稚園を除く)で1年以上の教育を受けた外国人

ただし、インターナショナルスクールの場合は、日本語能力を証明する必要はありません。

 

[b]入学予定の教育機関に、外国人留学生の生活の指導を担当する常勤職員が配置されていること

在留資格「留学」を得る流れ

在留資格「留学」を取得し、日本に入国するまでの流れを見ていきましょう。

出願・受験

はじめに、志望する学校を決め出願をします。出願に必要な書類は各学校で異なるので、志望校に確認をしましょう。必要な書類をそろえて出願をしたら、各学校が用意した入学試験を受験します。

 

学校によっては、来日して受験をしなければいけない場合もあります。受験のために来日する場合、査証免除対象国以外の国の外国人は「短期滞在」の在留資格を取得しておく必要があります。滞在できる期間は、15日・30日・90日のいずれかです。

 

試験の内容や方法、時期について、志望校に確認をしておくと安心です。

入学許可書を受け取る

試験に合格したら、入学許可書が志望校から受験者本人に送付されます。入学許可書は、ビザの申請手続きの際に必要です。大切に保管してください。

在留資格認定証明書交付申請(学校側)

志望校が代理人となって、管轄の地方出入国在留管理局で在留資格認定証明書交付申請をおこないます。申請は本人でもおこなえますが、日本で手続きをしないといけません。そのため、志望校が代理人になって申請する場合が多いです。

在留資格認定証明書を本人(外国人)へ送付

申請の許可がおりると、地方出入国在留管理局から代理人へ在留資格認定証明書(COE)が送付されます。代理人は、申請者本人へ在留資格認定証明書(COE)の原本を送ります。

ビザ申請

手元に在留資格認定証明書(COE)が送られてきたら、ビザの申請に必要な書類をそろえましょう。申請は、母国にある日本国大使館でおこないます。在留資格認定証明書(COE)がなくてもビザの申請はできます。ただし、審査の時間がかかってしまうので注意が必要です。在留資格認定証明書(COE)があった方が、審査は速く終わります。

留学開始

ビザの発行が完了したら、いよいよ来日です。入国後、空港で上陸許可申請をします。パスポート・ビザ・在留資格認定証明書(COE)原本が必要なので、準備をしておきましょう。入学許可書の提示を求められる場合もあります。合わせて準備しておくと安心です。

 

新千歳・成田・羽田・中部・関西・広島・福岡空港から入国した場合は、パスポートに「上陸許可」の認定シールと在留カードが交付されます。14日以内に在留カードを持って、お住いの市区町村の役所で住民登録をしましょう。

上記の空港以外から入国した場合は、パスポートに「上陸許可」の認定シールと「在留カード後日交付」の印が押されます。日本での居住地が決まったら、パスポートを持って市区町村の役所で住民登録をします。後日、在留カードが届きます。

 

在留期間が3カ月をこえる場合は、上陸許可がおりると在留カードが交付されます。在留カードは常に持ち歩かなければいけません。大切に保管してください。

在留資格「留学」の審査のポイント

在留資格「留学」は、日本で教育を受けるための資格ですが、教育機関に在籍するだけではいけません。審査のポイントとして、勉学の意志と能力が求められます。詳しく見ていきましょう。

勉学の意志や能力が求められる

勉学の意志では、日本で学ぶ理由や経歴などが審査されます。在留資格が取得できたとしても、安心はできません。近年、規定時間以上のアルバイトをして、収入を母国に仕送りしているケースが多く報告されています。

「留学」の目的は勉学です。アルバイトを優先してしまうと、勉学の意志がないと判断されます。

それどころか、規定時間以上のアルバイトは、不法就労になってしまうので注意してください。

 

在留資格の更新をする場合は、出席状況や成績を厳しく審査されます。勉学の意志を証明するためにも、日頃からしっかりと授業に出席し、良い成績を得られるようにしましょう。

 

勉学の能力では、学歴や語学力があるかが審査されます。求められる語学力として、特に日本語能力は重要です。日本語での授業を理解するのに、日本語能力は必須だからです。詳しくは次項で解説します。

日本語の語学力も重要

どの教育機関に在籍するかで、求められる日本語能力が異なります。以下にまとめたので確認してください。

①大学・短期大学・高等専門学校

以下のいずれかの日本語能力が求められます。

・日本語能力試験N2(2級)相当以上
・日本留学試験(日本語)200点以上
・BJTビジネス日本語能力テスト・JLRT聴読解テスト(筆記)400点以上

学校のレベルによっては、上記以上の日本語能力が必要になります。志望校に確認をしておきましょう。

②専修学校・各種学校(日本語学校を除く)

以下のいずれかの日本語能力が求められます。

・法務大臣が定めた日本語教育機関で6カ月以上の日本語教育を受けている
・日本語能力試験N2(2級)以上
・日本留学試験200点以上
・BJTビジネス日本語能力テスト・JLRT聴読解テスト(筆記)400点以上
・日本の小・中・高等学校で1年以上の教育を受けている

ただし、インターナショナルスクールで教育を受ける場合は、日本語能力は求められません。

③大学の日本語別科・日本語教育機関

以下のいずれかの日本語能力が求められます。

・日本語能力試験N5(5級)相当以上
・BJTビジネス日本語能力テスト・JLRT聴読解テスト(筆記)300点以上
・J.TEST日本語検定F級以上またはFGレベル試験250点以上
・日本語NAT-TEST5級以上
・STPJ標準ビジネス日本語テスト350点以上
・TOPJ実用日本語運用能力試験の初級A以上
・J-cert生活・職能日本語検定の初級以上
・JLCT外国人日本語能力検定のJCT5以上
・実践日本語コミュニケーション検定・ブリッジのC-以上
・JPT日本語能力試験315点以上

日本語能力を証明する方法は、上記で挙げたようにさまざまです。ご自身に合った方法で試験を受けてみてください。

在留資格「留学」を得た後の注意点

「留学」の在留資格を維持するためには、いくつかの注意点があります。以下で詳しく見ていきましょう。

アルバイトは資格外活動許可がないとできない

留学生がアルバイトをするには、資格外活動許可を取得しなければいけません。許可を得ずにアルバイトをするのは、不法就労です。必ず、手続きをしてください。手続きは、お住まいの地域を管轄している地方出入国在留管理局でおこないます。

 

必要書類は、下記の通りです。

・資格外活動許可申請書
・パスポート
・在留カード

手数料は、無料です。

 

必要な書類がそろったら、必ず手続きをしましょう。許可されると、在留カードの裏面の資格外活動許可の欄に『許可』と記載されます。1度許可を受ければ、アルバイトが途中で変わっても、再度の申請は必要ありません。

 

しかし、許可があっても好きなように働けるわけではありません。「留学」の在留資格を持つ留学生は、週28時間以内の就労時間が定められています。例外として、夏休みなどの長期休暇の間は、1日8時間・週40時間まで認められています。

 

規定の時間以上のアルバイトは、オーバーワークとみなされます。在留資格を更新したい場合に、オーバーワークをしていると不許可になってしまいます。

 

それどころか、規定の時間を超えて働くことは不法就労です。不法就労として罰則されると、最悪の場合、強制退去処分になる可能性もあります。就労時間には十分に気を付けてください。

 

加えて、アルバイトの業種にも注意が必要です。風俗営業関連などの業種は禁止されています。

 

具体的には、

・バー、スナックなどの客席に同席してサービスをする業種
・性風俗に関わる業種
・パチンコ、マージャン点など

などが挙げられます。例えば、皿洗いや清掃などの業務であっても、上記のようなお店で働くことは禁止されています。

 

近年、留学生の不法就労が多く報告されています。例えば、「留学」の在留資格で来日したのに、実際にはほとんど学校へ行かず、アルバイトをするケースが多いです。

 

こうした就労目的に来日する偽装留学生は、出入国在留管理局において大きな問題となっています。そのため「留学」の在留資格における審査は厳格化しています。留学の本来の目的を忘れずに、規則を守ってアルバイトをしましょう。

成績不振だと在留資格の更新が出来なくなってしまう恐れがある

成績や出席率が悪いと、在留資格の更新が不許可になる恐れがあります。入管法21条によると、『法務大臣は、在留期間の更新を適当と認めるに足りる相当な理由があるときに限り、これを許可することが出来る』としています。

 

つまり、在留状況が厳しく審査されるのです。「留学」の在留資格では、成績や出席率、アルバイト状況などが厳しくチェックされます。

 

学校の種類によって出席率の基準が異なります。以下の表を見てください。

出席率

日本語学校

専門学校

大学・大学院

80%以上

問題なし

問題なし

単位制のため、出席率は関係がありません。
取得単位数が更新に影響するので、良い成績をキープしましょう。

70%以上80%未満

理由書や説明書が必要

理由書や説明書が必要

60%以上70%未満

不許可

合理的な理由が必要

60%未満

不許可

不許可

 

出席率が80%以上であれば、更新は許可されます。大学は、出席率はあまり関係がありません。

 

しかし、取得単位の不足で留年してしまうと、審査に大きく影響します。留年を3回すると、更新は難しいので注意しましょう。

 

出席率が悪ければ、単位を得るのも難しくなります。関係がないからといって、出席をないがしろにしてしまうと、結果的に留年する可能性も高まります。良い成績で単位を取得するためにも、しっかりと授業に出席しましょう。

 

やむを得ない事情で出席率が悪い場合は、更新をする際に理由書や説明書が必要です。なぜ出席率が悪いのかを合理的に説明できないといけません。よくある原因の1つとして、病気で学校に行けない期間があったなどが考えられます。

 

理由書に加えて、病院の診断書や領収書なども更新の際に提出しましょう。病気などの特別な理由があれば、更新が認められる可能性があります。

まとめ

この記事では、日本に留学したい外国人に向けて、「留学」の在留資格の要件と審査のポイントについて解説しました。

 

「留学」の在留資格を取得するには、活動・資力・教育の3つの要件を満たさなければいけません。加えて、勉学の意志と能力、特に日本語能力が審査されます。

 

在留資格を取得できても、アルバイト状況や出席率、成績などが、更新の際に厳しく審査されます。近年、「留学」の在留資格の審査は厳格化しています。

 

「留学」の目的である勉学を最優先し、ルールを守って留学生活を送るようにしましょう。

 

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