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ニュージーランドに短期商用ビザはある?就労ビザが必要?期間や条件も解説

海外とのビジネス交流が盛んな現在、ニュージーランドにおいても商談や打ち合わせ、技術サポートなどをおこなう機会が考えられます。渡航先のビザ制度は国によって異なるため、日本のビザ制度と同様の感覚で渡航準備を進めると、思わぬトラブルを招くことも考えられます。

 

そこで、ニュージーランドの制度に基づく短期の商用渡航のほか、労働をともなう場合に必要な就労ビザなどについて触れていきます。

ニュージーランドに短期商用ビザはある?

日本の場合、短期商用ビザを取得すると外国人は最大90日間、日本に滞在できます。これにより、外国人は日本国内で取引先とビジネスにおける市場調査や打ち合わせが可能です。

 

一方、日本人がニュージーランドに滞在する場合はどうなるのでしょうか?

ニュージーランドのビザには短期商用ビザはない

日本とは異なり、ニュージーランドに短期で渡航するには、短期商用ビザに相当するビザはありません。

ただし、短期滞在が目的であれば、以下のような条件で入国することができます。

訪問者ビザ(Visitor Visa)を取得

訪問者ビザを取得することで、以下のような一定の活動において、定められた期間はニュージーランドに滞在できます。

 

訪問者ビザによるビジネス目的の滞在

訪問者ビザなら、1年間で3カ月以内の短期滞在の場合、次のようなビジネス活動を目的とした滞在も可能です。

 

APEC Business Travel Card(ABTC)の保持者

APEC(アジア太平洋経済協力のビジネストラベルカードを保持していれば、就労目的以外の3カ月未満の滞在が認められます。

ただし、ニュージーランド移民局のクライストチャーチオフィスで事前承認を受ける必要があります。

ビザ免除対象国であればビザでなくNZeTAで入国可能

目的が条件の範囲内であれば、ニュージーランドに短期滞在することが可能です。

また、ビザ免除国であれば、収入を得ない商談や会議への参加などの場合、NZeTA(ニュージーランド電子渡航認証:New Zealand Electronic Travel Authority)での渡航が取得できます。

 

NZeTAとは渡航許可証となっており、ビザ免除リストに掲載されている60カ国の国や地域のパスポートを所持していれば、ビザなしでニュージーランドに渡航できるものです。

 

ニュージーランドにおいて、日本はビザ免除対象国に指定されています。そのため、観光や商用等の短期滞在目的であれば、原則としてNZeTAを申請・取得すればビザが免除となります。

NZeTAの概要

NZeTAは国境管理を強化し、渡航者の安全を確保する目的で2019年の10月1日より導入されました。これにより、現在はビザ免除国であってもNZeTAの取得は必須です。

なお、NZeTAの概要は次のとおりです。

申請対象者

ビザ免除国のパスポートを所持し、下記の渡航目的と滞在日数でニュージーランドに滞在しようとする者

・クルーズ船の乗客

 (ただし空路入国後にクルーズ船に乗船する場合は除く)

・オーストラリアの永住者(ただしオーストラリア国籍者は除く)

・ビザ免除国のパスポートを所持し、オークランド国際空港のトランジットエリアから外出せず、かつ24時間以内に他国へ乗り継ぐ場合

 (ただし入国を伴う場合やオークランド国際空港以外で乗り継ぐ場合は除く)

渡航目的

観光・業務・就学・公用・経由(入国しない場合も含む)

 ※商用・公用に場合は機械の設置・修理や短期研修などについてはビザの取得が必要

 ※医療相談や治療を受ける目的での渡航は別途医療訪問ビザの取得が必要

1回の入国における

滞在可能日数

3か月以内(英国の場合は6か月)

複数回入国する場合にはあらゆる12か月のうちで最大6か月まで

有効期間

許可された日から2年間(複数回の入国も可能)

申請料金

Webサイトから申請

申請料:NZ$23

環境保護・観光税(IVL):NZ$100

アプリから申請

申請料:NZ$17

環境保護・観光税(IVL):NZ$100

NZeTAの申請で必要なもの

NZeTAの申請はすべてオンラインでおこなうため、事前に次のようなものを準備しておきます。

パスポート

ニュージーランド出国予定日から逆算して最低3ヶ月以上の残存有効期間のあるもの

クレジットカード

申請料および環境保護・観光税支払いの際に必要

顔写真

以下の条件を満たすJPGまたはJPEGファイル

 ・データ容量:500KB~3MB

 ・サイズ:900×1,200ピクセル~2,250×3,000ピクセル

メールアドレス

NZeTAの申請受領の通知や承認・却下などの結果受信用

※「@immigration.govt.nz」からのメールを受信可能な状態にしておく

NZeTAを取得する手続きの流れ

すべてオンラインでおこなうNZeTAの手続きは、必要な情報を入力していけば短時間で申請が完了します。

1.アプリをダウンロードするか公式サイトにアクセスする

NZeTAの申請には公式サイトまたはアプリから申請プラットフォームにアクセスする必要があります。

なお、上記にもあるように公式サイトとアプリでは、申請料金が異なります。

2.パスポート情報および個人情報を入力する

申請プラットフォームにアクセスしたら、パスポート情報および個人情報を入力します。アプリであればパスポートの顔写真ページをスマートフォンのカメラでスキャンすることで、情報を自動的にアップロードできます。

3.適格性に関する質問に回答する

各種情報の入力後には、適格性についての質問があります。このとき、申告については正確性が求められます。

4.顔写真を登録する

公式サイトからの申請の場合、顔写真の登録も必要です。

5.申請内容を確認する

情報の入力と適格性の質問への回答後は確認画面が表示されます。この段階で、内容に誤りがないか、最終チェックをおこないます。

6..申請料金と税金を支払う

各種情報に問題がなければ、申請料と環境保護・観光税を支払います。支払い方法はクレジットカードです。

 

支払い完了後は、登録しているメールアドレスに申請受領通知が届き、審査が開始されます。

なお、審査に時間はかかりませんが、追加情報の提出などを求められる場合があります。

NZeTAを取得・利用できない例

上記のような手順でNZeTAを取得していても、ニュージーランドへの入国が許可されないことがあります。以下のような場合は利用できないため、該当するものはないか確認しておきましょう。

NZeTAの有効期限が切れている

NZeTAには有効期限があり、この期限が切れているとニュージーランドには入国できません。

なお、承認されたNZeTAは有効期間である2年を超過すると、自動的に無効になります。有効期限が切れたNZeTAは新たに申請が必要です。

犯罪歴がある

過去に犯罪歴があったり、これによってビザを拒否されたことがあると、NZeTAは利用できません。この場合ニュージーランド大使館へ相談する必要があります。

必要な情報が不足している

申請時に必要なパスポート情報や個人情報が不足していると、NZeTAそのものの取得ができないことがあります。申請時には、あらかじめ必要情報を取りまとめておきましょう。

持ち込み禁止品を所持している

ニュージーランドへの持ち込みが禁止されている食品や植物、動物、危険物などの物品を所持していると、NZeTAの取得如何にかかわらず、入国を拒否される可能性があります。ニュージーランドは持ち込みへの規制が厳しくなっているため、ご注意ください。

NZeTAの注意点

NZeTAの申請はオンラインで比較的手軽におこなえる手続きですが、いくつか注意しておかなければならない点もあります。

申請は出発72時間前までに済ませる

NZeTAの申請は、最長で72時間かかります。そのため、少なくともニュージーランドへ渡航する72時間(3日前)までにおこなうことが推奨されています。

直前で申請すると承認に時間がかかった場合、搭乗手続きが間に合わなかったり、渡航予定に影響が出たりする可能性もあります。

パスポートの有効期限を確認する

有効期間が通常2年間となるNZeTAですが、この間に所持しているパスポートの有効期限が切れてしまうと、NZeTAも同時に失効します。

申請の際にも、パスポートの残存有効期間は出国予定日から起算して少なくとも3ヶ月以上求められます。

そのため、長期滞在を予定している場合には、渡航前にパスポートの残存期間を確認し、必要に応じて更新手続きをおこなっておくことが大切です。

申請の際は偽サイトに注意する

NZeTAの申請は、ニュージーランド移民局の公式ウェブサイトおよび公式モバイルアプリからおこなうものです。

しかしながら、NZeTAの申請には一部非公式サイトも存在します。こうしたサイトを利用してしまうと、余計な費用がかかるほか、申請が適切におこなわれなかったり、個人情報が流出し、悪用されるリスクもあります。

IVLを徴収される

ニュージーランドに入国する場合はIVL(International Visitor Conservation and Tourism Levy)が徴収されます。これは海外渡航者の観光保護税で、ニュージーランドに渡航するすべての者に適用されます。なお、支払いはNZeTA申請時で、費用はNZ$35.00となっています。

さらに、申請料金の項目にあるように、2024年10月1日からはNZ$100.00に金額が引き上げられました。

NZTDも必要

ニュージーランドへの入国手続きはNZeTAを取得しただけでは完了しません。IVL同様、渡航するすべての者はNZTD(New Zealand Traveller Declaration:ニュージーランド入国申告)をオンラインで提出しなければなりません。

このNZTDは、税関、検疫、出入国管理に関する申告で、事前に渡航者の健康状態や持ち込み品などを確認するシステムです。

なお、NZTDは無料提出でき、ニュージーランド到着の24時間前から提出が可能です。

入国時に検疫上のリスクのある物品がある場合はNZTDでの申告が必要

ニュージーランドに入国する際、所持品の中に 検疫上のリスクのある物品がある場合は、必ずNZTDの申告が必要です。申告を怠ると不注意や申告忘れであっても法律違反とされ、その時点で罰金の対象となります。

 

また、物品を隠すなどして、故意に誤った申告や虚偽の申告をしたとみなされると、起訴される可能性もあります。

家族でまとめての申請はできない

NZeTAは家族まとめての申請はできません。それぞれ個別に1人1人申請する必要があります。3人家族であれば、3回分の申請手続きをしなければならず、支払いについても、家族まとめての支払いは不可です。

NZeTAを利用した乗り継ぎについて

NZeTAの概要でも触れているとおり、ビザ免除国のパスポートを所持し、ニュージーランド以外の国への乗り継ぎのために入国する場合であってもNZeTAは必要です。

オークランド国際航空の乗り継ぎについて

ニュージーランドで乗り継ぎをする場合、

この2つの条件の範囲内であれば、NZeTAを利用しての手続きが可能です。

 

ただし、以下の場合は対象外です。

 

また、オークランド国際空港のみの利用で、入国せずに国際線に乗り継ぐ通過目的であれば、IVLの支払いは不要です。

ただし、NZeTA申請料金は必要となるので、ご注意ください。

オークランド国際空港以外で乗り継ぐ場合

オークランド国際空港以外では、トランジットエリアがありません。NZeTAを利用のうえニュージーランドへ入国するものとみなされます。そのため、乗り継ぎであっても通常の入国手続きが必要となります。

トランジットビザの取得が必要になる場合

NZeTA利用による乗り継ぎは、日本を含むビザ免除国のパスポートを所持している場合にのみ認められます。この基準を満たしていないのであれば、事前にトランジットビザを申請しなければなりません。

ニュージーランドの就労ビザを入手する場合

ビザ免除国は、収入を得ない商談や会議への参加などの場合、NZeTAでのニュージーランドへの渡航が可能です。しかし、就労を目的とする場合その限りではありません。

NZeTAではなくビザ(就労ビザ)が必要なケース

次のようなケースではNZeTAではなく就労ビザを含むビザの取得が必要となります。

3カ月を超える長期滞在

NZeTAは観光や短期商用目的でニュージーランドに入国が認められる認証です。したがって1回の入国における滞在可能日数を超える3ヶ月以上の滞在には、就労ビザを含むビザを取得しなければなりません。

短期研修

数日〜数週間といった短期研修であっても、NZeTAでは就労や職業訓練は基本的に認められていないことから、次のようなケースでは就労ビザが必要です。

 

機械や装置の設置

下記のような物理的労働を伴い、現場で工具や技術を使って直接作業をおこなう際も、就労とみなされ、就労ビザが必要です。

 

修理・保守・点検作業

対価性のある技能の提供とみなされる作業は、有償・無償にかかわらず就労に該当します。これは次のような行為が、結果として顧客の業務に直接影響を与えるからです。

 

顧客先における技術的サポート

顧客の要望に応じた対面での現場対応は、業務提供にほかなりません。したがって次のような現地での作業は明確に労働と定義されます。

 

NZeTAから就労ビザに切り替えるには

NZeTAを活用してニュージーランドに滞在中であれば、必要に応じて就労ビザをはじめとした他の適切なビザへと、オンラインでも変更できます。

ただし、NZeTAで許可されている滞在期間(最長3ヶ月)が満了する前に、就労ビザの申請を完了させる必要があります。

 

なお、申請が受理されても、審査期間中にNZeTAの滞在期限をすぎてしまう場合には、一般的に「暫定ビザ(Interim Visa)」が発行されます。

「暫定ビザ」は延長ビザとも呼ばれ、申請中のビザの結果が出るまで合法的にニュージーランドに滞在し続けられるものです。

 

ただし、暫定ビザでの滞在条件は、所持しているビザの種類によって異なり、審査も難しい点にご注意ください。

なお、NZeTAでは就労が認められていないため、就労ビザの申請では暫定ビザaの段階で就労はできない点にもご注意ください。

就労ビザ(Accredited Employer Work Visa:AEWV)について

ニュージーランドで就労を目的として、外国人が就労ビザを取得する場合、選択肢としてはAEWVがあります。AEWVは主要な就労ビザのひとつです。2021年から段階的に導入され、従来のいくつかの就労ビザを統合し、置き換えるかたちで導入されました。このため、現在発行されている就労ビザの多くはAEWVとなっています。

AEWVの概要

AEWVは次のようなビザです。

 

※ANZSCOはオーストラリアとニュージーランドで用いられる職業分類

申請要件

申請の際に満たすべき要件も定められています。

 

※市民権や学歴により免除あり

AEWV申請の手順

AEWVの取得は、認定雇用主から仕事を受ける必要があるため、雇用主と申請者となる外国人労働者双方で手続きが必要です。

1.雇用主認定(Employer Accreditation)を取得する

雇用主はまず、移民局のオンラインシステムで申請をおこないます。

申請にあたっては、事業の信頼性や労働条件の遵守、外国人労働者への支援体制などを証明する必要があります。

このときに、必要書類と料金も提出しなくてはなりません。

2.ジョブチェックを申請する

ジョブチェックとは、特定の求人がAEWVにふさわしいかどうかの審査です。

承認されると外国人労働者を特定の職務で雇用するために、INZ (ニュージーランド移民局:Immigration New Zealand)から発行される固有の識別子である「ジョブトークン」が発行されます。

3.外国人労働者に申請リンクを送信

発行されたジョブトークンは、認定雇用主ポータル(My Accredited Employer portal)経由で外国人労働者に専用リンクを送信します。

4.AEWVをオンライン申請

外国人労働者は送信された専用リンクから移民局のビザ申請ポータル「Immigration Online」でAEWVを申請します。

5.INZによる審査と結果通知

INZでは申請に基づき、健康状態や性格、職歴などの条件が満たされているか審査をおこないます。通常は数週間で審査が完了し、ビザ発行が承認されれば、メールで通知されます。

6.ニュージーランドへの入国と就労の開始

AEWVが発行されると、ニュージーランドへ入国し、指定された雇用主と職務のもとで就労が可能になります。

また、雇用主は外国人労働者に銀行口座の開設や税番号取得などを案内し、労働開始後1ヶ月以内に移民者を生活面で支援する義務が発生します。

AEWV申請の必要書類

上記の申請にあたっては、申請者、雇用者それぞれで必要となる書類があります。またこれらはいずれもオンライン申請時にアップロードします。

申請者が用意する書類

など

申請者が用意する書類

 

このほか状況に応じて追加書類の提出を求められることもあります。

申請の注意点

AEWVについても、申請にあたっては注意しなければならない点がいくつかあります。

書類は基本的に英文で提出する

INZへ提出する書類が英語以外で書かれている場合、正確な英語翻訳を添付して提出する必要があります。また、原則原文と英訳をセットで提出しなければなりません。翻訳文のみでは不十分で、両方の提出が求められます。

ビザ取得には時間がかかるため、早めに準備する

AEWVの申請全体の平均処理時間はおよそ2.5週間とされていますが、場合によっては5週間を要します。そのため、スムーズなビザ取得のためには、申請前にはANZSCOレベルの確認や書類の準備を十分におこなっておきましょう。

再申請ではスタンドダウン期間がある

AEWVでは、最大3年〜5年の継続滞在が可能です。しかし、この期間を経過して新たにAEWV申請する場合、通常12か月以上ニュージーランド国外での滞在期間を設けなければなりません(スタンドダウン期間)。これを怠ると、ビザの再申請が却下されるリスクとなります。

まとめ

ニュージーランドへの渡航には、「短期商用ビザ」という名称の制度は存在しません。そこでNZeTAを活用することで、一定の条件のもと、ビジネス活動が可能です。

 

ただし、就労とみなされる行為については、必ずAEWVなどの就労ビザの取得が必要となります。このため、ビジネス目的での渡航については、計画段階からビザの要否を明確にし、必要書類の準備や手続きをもれなく進めなければなりません。

 

ニュージーランドビザの短期商用の取得においては、制度を正しく理解し、余裕を持った準備を心がけておくことで、ニュージーランドにおける活動もより円滑になります。

 この記事の監修者

さむらい行政書士法人 代表 / 小島 健太郎

さむらい行政書士法人
公式サイト https://samurai-law.com

代表行政書士

小島 健太郎(こじま けんたろう)

 

プロフィール

2009年4月 行政書士個人事務所を開業
2012年8月 個人事務所を行政書士法人化し「さむらい行政書士法人」を設立

専門分野

外国人VISA・在留資格、外国人雇用・経営管理、永住・帰化申請
入管業務を専門とし、年間1000件以上の相談に対応

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