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国際結婚で別々に住む場合に在留資格審査に与える影響は?

夫婦が別々に住んでいると、ビザの取得や更新が困難になるということを聞いたことがある方もいると思います。

 

ただ、結婚したにもかかわらず、別々に住む理由として多いのは、単身赴任です。

会社からの命令など、別居がどうしようもないこともあるでしょう。

 

そこで、今回は国際結婚をしたが、住まいは別々という夫婦は、配偶者ビザの審査にどのような影響を与えるのかについて解説します。

1 なぜ夫婦別々に住むと在留資格審査に影響があるのか

 

結婚したら夫婦一緒に生活を送るのが一般的ですので、夫婦が別々に住む場合は、入管庁は「偽装結婚」を疑います。

 

ビザ取得を目的とした偽装結婚の場合は、お互い愛し合っていないという場合と一方のみ愛している場合とがありますが、どちらも形式的な夫婦なので、双方又は一方の心情としては、一緒には住みたくはありません。

 

ですから、偽装結婚の場合は通常、一緒には生活しません。

 

このような理由で、夫婦が別々に住む場合は、入管庁はまず「偽装結婚ではないのか」を疑うため、在留資格審査に大きく影響を与えることになります。

2 夫婦別々に住む理由が合理的なものであればよい

 

では、次の場合はどうでしょう。

 

・会社からの命令で転勤になってしまったが、妻も仕事があるので、ついて来られない。

・結婚後、妻の実家の親の介護が必要になり、妻のみ実家にしばらく帰って世話をすることになった。

 

このように日本人同士の結婚でも、共働きや介護のために結婚しても一緒に生活できないという夫婦は珍しくなくなってきました。

 

したがって、国際結婚の場合も、夫婦が別々に暮らしていることのみを原因として、配偶者ビザが不許可となるのは不合理ですよね。

 

入管庁の審査基準でも、別々に住む場合の特別な理由があり、合理的な説明があれば、別居の事実だけでビザを不許可にしないとあります。

3 判断基準

 

先ほど述べたように、入管庁は配偶者ビザの審査の場合、偽装結婚を疑います。

 

これは、偽装結婚の多さに原因がありますが、偽装結婚が多いのは、偽装結婚が容易かつその利点が大きいことが理由です。

 

まず、結婚には学歴要件や実務経験といった就労ビザに必要な「資格」がありません。お互いが「結婚しよう!」といえば、年齢要件さえクリアしていれば結婚できます。結婚する際には、真実の愛かどうかを調査することはないので、偽装結婚も容易にできてしまいます。

 

また、この在留資格は、就労制限がないため、就労ビザではできない単純作業や風俗関係の仕事もできます。さらに、永住権取得や帰化の要件も緩和される強力なビザといってよいでしょう。

 

したがって、日本で生活したいと思う外国人が、このビザ欲しさに実態のない結婚いわゆる偽装結婚をしてしまうケースが多くあります。日本人を騙すケースもあれば、日本人がお金などの対価をもらって、協力するケースもあります。

 

このように、国際結婚の場合は、偽装結婚に大きな利点があるため、ビザを取得する際に厳格に審査がなされるのです。

 

では、どのように厳格に審査されるでしょうか。

判断基準としては、「結婚の信憑性」です。

 

真実の結婚であれば、この結婚の信憑性が高いことをしっかりと説明する必要があります。

真実の愛の下に結婚しているのに、申請書類に偽装結婚を疑われるような記述や説明不足があると、その時点でアウトです。審査官の前で夫婦の仲の良さをアピールしたり、口頭で説明したりすることはできず、書面審査のみですので、申請書類は偽装結婚を疑われないものを作る必要があります。

4 別居の事実がある場合

 

別居の場合であっても、結婚の信憑性があることをしっかりと説明できれば問題ありません。

 

したがって、理由書で別々に住んでいる理由を入管庁に疑いを持たれることなく、合理的に説明する必要があります。説明だけだと、嘘もつけますし、実際に嘘を書く人もいるので、その理由を裏付ける証拠も提出します。

 

例を挙げると、転勤の辞令ともう一方の配偶者の勤務地がわかる会社が発行した書面や介護の場合は、介護が必要であることを示す医師の診断書と親の住民票等です。介護の場合は、親を夫婦の家に連れてきて介護する場合もあるので、夫婦と同居できない理由(家の広さやかかりつけの病院の関係等)の説明もあった方がいいでしょう。

 

一方で別々に暮らすことの合理的説明が難しいケースとしては、夫婦ともに同じ東京に住んでいて介護などがないにもかかわらず、別々に暮らしている場合などが挙げられます。

 

以上のように、結婚後も別々に住む場合は、書面で合理的に説明する必要があり、入管庁は疑いの目で審査するので、一度疑われると、それを覆すのは難しくなります。

 

別々に住んでいる場合など、イレギュラーの夫婦生活の場合は、経験豊富な行政書士に一度相談することをおすすめします。

 この記事の監修者

さむらい行政書士法人 代表 / 小島 健太郎

さむらい行政書士法人
公式サイト https://samurai-law.com

代表行政書士

小島 健太郎(こじま けんたろう)

 

プロフィール

2009年4月 行政書士個人事務所を開業
2012年8月 個人事務所を行政書士法人化し「さむらい行政書士法人」を設立

専門分野

外国人VISA・在留資格、外国人雇用・経営管理、永住・帰化申請
入管業務を専門とし、年間1000件以上の相談に対応

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