経営管理ビザの更新に際する所属機関ごとに必要な書類
経営管理ビザの更新の時期がきたけれど、どうすればいいのかわからない。
最初の申請のときと同じくらい、書類が必要なのだろうか。
そういった疑問を持たれる方も多いかと思います。新規申請の時にとても大変な思いをしているから尚更ですよね。
今回は、経営管理ビザの更新に際して、必要になる書類をご紹介いたします。
カテゴリーごとに分けてご説明しておりますので、申請される方の項目を確認してみてくださいね。
申請の流れや、注意点についてもご案内しておりますので、ぜひ最後までご覧ください。
経営管理ビザの更新に必要な書類とは?
経営管理ビザの更新は、在留期限の3ヶ月前から申請することができます。更新の際に、申請時のように書類の作成と提出が必要になります。
更新書類の提出が必要な理由は、以下の7つです。
●行う活動が在留資格と相違ないか確認する
●日本に入国する際の基準に適合しているか確認する
●素行に問題がないか確認する
●生計を営むことができる資産、または、技能を持っているか確認する
●雇用条件や労働条件が労働関係法規に適合しているか確認する
●納税義務を履行しているか確認する
●入管法に定められた届出等の義務を履行しているか確認する
上記を把握し、適切な書類の作成を心がけましょう。
所属機関にかかわらず共通して必要な経営管理ビザの更新の必要書類
経営管理ビザの更新をする際に、所属機関にかかわらず共通して必要な書類があります。項目ごとに分けて詳しく説明いたします。
在留期間更新許可申請書
在留期間更新許可申請書は、地方出入国在留管理官署にて用紙を受け取るか、出入国在留管理庁のホームページから様式をダウンロードすることができます。
在留期間更新許可申請書には、記入する用紙が下記の3枚あります。
●申請人等作成用1
●申請人等作成用2
●所属機関作成用1
それぞれの用紙に記入する項目について、ご説明いたします。
申請人等作成用1
国籍・地域 | 基本的には国名で問題ありません |
---|---|
生年月日 | 西暦で記入 |
氏名 | パスポートの通りに記入 |
性別 | 当てはまる方に丸をつける |
出生地 | パスポートに記載されていれば、記載されている国名を記入 |
配偶者の有無 | 当てはまる方に丸をつける |
職業 | 現在の職業を記入 |
本国における居住地 | 申請者の本国での住所を記入 |
住所地 | 日本での住所を記入 住民票などで確認し、正確に書く 電話番号の欄には番号の記入をする |
旅券(パスポート) | パスポートナンバーと有効期限を記入 |
現に有する在留資格、在留期間 | 申請者の現在取得している在留資格を記入 在留カードを確認し、在留期間を記入 |
在留期間の満了日 | 在留期間の満了日を記入 |
在留カード番号 | 在留カードに書かれている番号を記入 |
希望する在留期間 | 希望する在留期間を記入 審査の結果、必ずしも希望が通るわけではない |
更新の理由 | 更新する理由を記入 |
犯罪を理由とする処分を受けたことの有無 | 犯罪を犯し、処分を受けたことがあるか記入 ※日本国外のものも含む ※交通違反等の処分も含む |
在日親族(父・母・配偶者・子・兄弟姉妹など)及び同居者 | 家族や同居人がいない場合は「無」に丸をつける 家族や同居人がいる場合は「有」に丸をつけ「続柄、氏名、生年月日、国籍・地域、同居の有無、勤務先・通学先名称、在留カード番号もしくは特別永住者証明書番号」を記入 |
申請人等作成用2
勤務先 | 勤務先の名称、所在地、電話番号を記入 |
---|---|
最終学歴 | 該当するものにチェックを入れ、学校名と卒業年月日を記入 |
専攻・専門分野 | 該当するものにチェックを入れる |
事業の経営又は管理についての実務経験年数 | 実務経験の年数を記入 |
職歴 | なるべく正確に記入する |
代理人 記入欄 | 申請者が書類の申請を行う場合は、空欄にして置いておく 代理人が申請を行う場合は記入が必要 |
所属機関作成用1
経営を行い又は管理に従事する外国人の氏名及び在留カード番号 | 氏名と在留カード番号を記入 |
---|---|
勤務先 | 名称、法人番号、支店・事業所名、業種、所在地、資本金、法人税納付額、常勤従業員数を記入 雇用保険適用事業所番号(11桁)は、非該当事業所は記入省略 |
職種 | 別紙「職種一覧」より選択し、記入する |
活動内容詳細 | 活動内容の詳細を記入 |
就労予定期間 | 該当する方にチェックを入れる ※申請者が管理者の場合のみ |
給与・報酬(税引き前の支払額) | 金額を記入し、該当する方にチェックを入れる |
職務上の地位(役職名) | 役職名を記入 |
事業所の状況 | 面積を記入し、該当する方にチェックを入れる |
申請者の署名が必要なところは、必ず自筆でなければいけません。代筆などは認められませんので、注意しましょう。
証明写真
顔写真は、前回と同じものは使用しないようにしましょう。
証明写真として使用できる条件は、下記の通りです。
●サイズは縦4㎝、横3㎝
●申請日の前、3ヶ月以内に撮影されたもの
●無帽
●無背景
●鮮明に撮影されたもの
●裏面に氏名を記載する
パスポート及び在留カード
経営管理ビザの更新の際に、パスポート及び在留カードの提示が必要になります。申請者以外の人が書類を提出する場合であっても、掲示が必要になりますので、忘れないようにしましょう。
所属機関ごとの経営管理ビザの更新に必要な書類
経営管理ビザの更新では、所属機関ごとに必要な書類が異なります。
所属機関ごとの経営管理ビザの更新に必要な書類を、カテゴリーに分けて4つご説明いたします。証明書はすべて、発行日から3ヶ月以内のものを提出しなければいけませんので、気をつけましょう。
カテゴリー1
カテゴリー1は、下記のいずれかに該当する機関です。
●日本の証券取引所に上場している企業
●保険業を営む相互会社
●外国の国、または、地方公共団体
●日本の国・地方公共団体認可の公益法人
●高度専門職省令第1条第1項各号の表の特別加算の項の中欄イ又はロの対象企業(イノベーション創出企業)
●一定の条件を満たす企業等
カテゴリー1に該当する場合、必要になる書類は下記の通りです。
●四季報の写し又は日本の証券取引所に上場していることを証明する文書(写し)
●主務官庁から設立の許可を受けたことを証明する文書(写し)
●補助金交付決定通知書の写しなど、高度専門職省令第1条第1項各号の表の特別加算の項の中欄イ又はロの対象企業であることを証明する文書
●認定証等の写しなど、一定の条件を満たす企業等であることを証明する文書
カテゴリー1は原則必要な書類は以上になりますが、審査の過程で追加で書類の提出が必要になることもあります。すぐに対処できるように、準備しておきましょう。
カテゴリー2
カテゴリー2は、下記のいずれかに該当する機関です。
●前年分の給与所得の源泉徴収票等の法定調書合計表中、給与所得の源泉徴収合計表の源泉徴収税額が1,000万円以上ある団体・個人
●在留申請オンラインシステムの利用申出の承認を受けている機関
カテゴリー2に該当する場合、必要になる書類は下記の通りです。
●前年分の給与所得の源泉徴収票等の法定調書合計表(受付印のあるものの写し)
●利用申出に係る承認のお知らせメールなど、在留申請オンラインシステムに係る利用申出の承認を受けていることを証明する文書
カテゴリー1と同様で、必要な書類はあまり多くありませんが、審査の過程で追加で書類の提出が必要になる可能性がありますので、いつでも提出できるように準備しておきましょう。
カテゴリー3
カテゴリー3は、カテゴリー2を除く前年分の給与所得の源泉徴収票等の法定調書合計表が提出された団体・個人に該当する機関です。
カテゴリー3に該当する場合、必要になる書類は下記の通りです。
●前年分の給与所得の源泉徴収票等の法定調書合計表(受付印のあるものの写し)
●直近の年度の決算文書の写し
●1年間の総所得及び納税状況が記載された住民税の課税(又は非課税)証明書及び納税証明書
カテゴリー3では、決算に関わる書類や納税状況を確認するための書類が必要になります。
カテゴリー4
カテゴリー4は、他のカテゴリーに該当しない団体・個人の機関です。
カテゴリー4に該当する場合、必要になる書類は下記の通りです。
●直近の年度の決算文書の写し
●1年間の総所得及び納税状況が記載された住民税の課税(又は非課税)証明書及び納税証明書
●外国法人の源泉徴収に対する免除証明書その他の源泉徴収を要しないことを明らかにする資料
カテゴリー4に該当する場合でも、経営管理ビザを申請するときの書類量に比べると、とても少ないです。
他にも、長期のビザを取得するためには、提出したほうが良い書類もあります。確実に更新許可を得たいという方は、専門家と相談して進めることをおすすめします。
経営管理ビザの更新の流れ
経営管理ビザの更新は、在留期限の3ヶ月前から行うことができます。ここでは、経営管理ビザの更新の流れをご説明いたします。流れを理解していることで、次にやるべきことが分かりますので、しっかり確認しましょう。
必要書類の準備,作成
共通して必要な書類と、カテゴリーごとに必要になる書類を準備します。記入が必要なものもありますので、注意しましょう。
経営管理ビザの更新は、申請のときと同じくらい審査が厳しいです。申請時に出した事業計画書と対比して、現状がどうなっているかなどしっかりチェックされます。そのため、作成が必要な書類は、しっかりと作成するようにしましょう。
出入国管理局へ書類を提出
必要な資料、更新申請書、在留カード、パスポートの準備ができたら、出入国管理局へ提出します。行政書士など、専門家に相談する場合は、代理で書類の提出を行ってくれるところが多いようです。
審査結果が通知される
審査には、1ヶ月程時間がかかります。在留期限のギリギリになってしまわないように、早めに申請を行い、結果を待ちましょう。
審査が許可されれば、出入国在留管理局へ新しい在留カードを受け取りに行く必要があります。その際に申請結果のハガキが要りますので、在留カード・パスポートと合わせて持って行きましょう。
経営管理ビザの更新の審査ポイント
経営管理ビザの更新の際は、審査のポイントがあります。ここでは、経営管理ビザの更新の審査ポイントについてご説明いたします。
ビジネスの継続性があると判断されるポイント
経営管理ビザの更新で、継続性があると判断されるポイントは下記の通りです。
売上利益がきちんと出ている | 黒字決算で利益も出ていると、経営がうまくいっていると判断され、継続性を認められます。 |
---|---|
欠損金が0の状態 | 前期は黒字決算だったが今期は赤字という場合、黒字だった分が減少しただけで、実際にはプラスだったり0だったりしたときは、継続性をありと判断されます。 |
ビジネスの継続性が無いと判断されるポイント
経営管理ビザの更新で、継続性が無いと判断されるポイントは下記の通りです。
経営者が長期の間、海外に出国している | 日本での経営がちゃんと行われているのか、海外ばかりにいるのであれば日本に滞在するためのビザは必要ではないのではないかと、ビザの必要性を疑問視されてしまいます。 |
---|---|
2期にわたる、売上総利益がない場合や債務超過の場合 | 債務超過:負債の総額が資産の総額を上回っている状態。資産をすべて返済に当てても、返しきれない状態。 売上総利益:売上利益から原価を引いた金額のこと。 2期続くということは、1年の間に改善がみられなかったと判断され、不許可になる可能性が高くなります。 |
経営管理ビザの更新の注意点
ここでは、経営管理ビザの更新の注意点についてご説明いたします。
中長期的な事業計画を示す必要がある
具体的な実現性と安定性、継続性を重視する経営管理ビザは、中長期的な事業計画を示し、証明する必要があります。
経営をする上でも大切ですが、証明することで3年や5年の長期滞在が可能なビザを取得することができます。更新の手続きが短期間でこないことも魅力的ですが、今後永住者の在留資格を取得するために必要になります。
永住者になることで、何かがあったときに更新が許可されるか不安にならなくて済みます。安定して利益を出し、経営実績をしっかりとすることで長期滞在のビザを取得できるようにしましょう。
安定した売上の確保をする必要がある
会社を経営する上ではもちろんですが、安定した売り上げを確保する必要があります。ビジネスの継続性が無いと判断されるポイントで説明した通り、赤字が続いたり債務超過したりした場合、更新で不許可になる可能性が大きくなります。
その年は黒字でも、実は欠損金の方が多いというパターンもありますので、見えている数字だけに惑わされないようにしましょう。直近の3年間が安定していることで、経営管理ビザの在留期限も長くなるケースが多いです。
まとめ
今回は経営管理ビザの更新に際する所属機関ごとに必要な書類について、ご紹介いたしました。申請のときと同じくらい審査が厳しいため、しっかりと準備して更新の申請に臨みましょう。
実際に経営が始まっているため、経営者の方は経営に忙しくなっているかもしれません。専門的な知識も必要なため、不安な方は行政書士などの専門家に相談することをおすすめします。最後までご覧いただき、ありがとうございます。
この記事の監修者
プロフィール
2009年4月 行政書士個人事務所を開業
2012年8月 個人事務所を行政書士法人化し「さむらい行政書士法人」を設立
専門分野
外国人VISA・在留資格、外国人雇用・経営管理、永住・帰化申請
入管業務を専門とし、年間1000件以上の相談に対応
外国人会社設立・支店設置
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