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【インドの就労ビザE-3】企業内転勤でインド国内法人へ赴任!申請手順・必要書類・注意点を徹底解説
1.はじめに
インド経済は、IT産業や製造業、サービス業などを中心に目覚ましい成長を遂げており、世界各国の企業が進出を加速させています。特に日系企業においても、インド市場でのビジネス展開はもはや当たり前の選択肢となりつつあり、多くの企業が現地法人(子会社・支店・合弁会社など)を設立して事業を進めています。
こうした背景の中で、企業内転勤としてインドへ赴任する機会を得る日本人ビジネスパーソンが増えていますが、海外駐在・赴任となると避けては通れないのがビザ取得の問題です。インドには複数の就労ビザ区分がありますが、企業内転勤に特化したカテゴリーとして知られているのがE-3ビザです。
本記事では、「インドの就労ビザ E-3 企業内転勤 インド国内法人へ赴任」をキーワードに、E-3ビザの特徴や申請手順、さらに現地到着後に必要となる各種手続きや注意点を詳しく解説します。企業からの辞令でインドへ赴任することになった方、あるいは人事担当者として社員の赴任をサポートする立場の方にとって、本記事が少しでも参考になれば幸いです。ぜひ最後までご覧いただき、円滑なビザ取得とインドでのスムーズな生活立ち上げにお役立てください。
2.E-3ビザの概要と対象範囲
2-1.E-3ビザとは?
インドには、外国人が就労するためのビザとしてEビザ(Employment Visa)カテゴリーがあります。Eビザはさらに細かく区分されており、ITエンジニアや専門職、一般的な就労目的に対応するE-2ビザなど、いくつかのバリエーションが存在します。その中でE-3ビザは、「企業内転勤(Intra-Company Transfer)」に特化した就労ビザとして運用されているのが特徴です。
企業内転勤というのは、同一グループ企業内での異動により、海外拠点への派遣や出向、赴任を行うケースを指します。日系企業の場合であれば、日本本社からインド現地法人への赴任・駐在という形が典型例です。
たとえば、以下のような状況に該当する場合、E-3ビザを利用する可能性が高まります。
- 日本にある本社やグループ企業から、インドにある子会社・支店へ管理職や専門職として転勤
- インド国内法人に技術指導やマネジメントを任される立場で長期赴任する
- プロジェクトリーダーとして、一定期間インドで業務を継続する必要がある
こういったケースにおいて、E-3ビザを取得することで、インド国内法人での就労(有給の労働活動)が合法的に行えるようになります。
2-2.対象となる職種・ケース
E-3ビザの対象となるのは主に管理職や専門的技能を要する職務とされることが多いです。具体的には下記のような職種・ケースが典型例となります。
- 管理職(マネージャー職):部署や工場全体の管理、経営判断に関わるようなポジション
- 専門技術者:ITエンジニア、研究開発職、製造現場での高度な技術指導など
- プロジェクトマネジメント:長期プロジェクトを推進するリーダーやコーディネーター
ただし、インド政府や在外公館が審査の際にどのような基準で「企業内転勤」とみなすかは、実務上変化する可能性があります。また、E-2ビザとの境界がやや曖昧な場合もあるため、どちらが適切なカテゴリーになるかは企業の人事担当やビザコンサルタントとよく相談して確認することをおすすめします。
3.E-3ビザが求められる主な要件
3-1.企業内転勤の証明
企業内転勤と認められるためには、インド国内法人と海外(日本)本社・グループ企業との関係性を示す書類が求められます。具体的には以下のような資料の提示が推奨されます。
- グループ企業関係を示す証明書
- インド国内法人が日本の本社または親会社の子会社・支店であることを示す登記簿謄本や、会社案内資料など
- 転勤命令書や社内通知文書
- 日本本社側が正式に発行した「海外赴任命令書」など。赴任期間や職務内容が記載されているのが理想
- 業務内容の説明資料
- インド国内法人でのポジション、担当業務、求められるスキルセットなどを明確化
このように、「同一企業グループ内での人事異動である」ことが客観的にわかる資料を用意することで、E-3ビザに適合する転勤であることを示します。
3-2.給与・雇用条件の水準
インド政府は、外国人就労者に対する最低賃金ラインや雇用条件を厳しくチェックする傾向があります。なぜなら、現地の労働市場を保護しつつ、優秀な外国人を効果的に受け入れる仕組みを作りたい、という狙いがあるためです。
最低年収の要件:
過去には、「年収25,000米ドル以上」であれば外国人就労を認めるという指針があった時期もありました。ただし、具体的な金額基準や換算レートは状況によって変わることがあります。
雇用契約書/転勤条件:
- 給与の支払主体が日本本社なのか、インド現地法人なのか
- 赴任期間や役職、給与水準・手当の詳細
- 福利厚生や保険の取り扱い(日本側・インド側どちらが負担するか)
インド当局に対し、「赴任先で十分な報酬を得られ、生活が成り立つ」ことを証明するために、雇用(出向)契約書や給与証明書を用意する必要があります。
3-3.学歴・職歴・専門性の要件
E-3ビザの審査では、申請者の学歴や職歴、専門性の高さもチェック対象となります。具体的には以下のような要素を確認されるケースが一般的です。
学歴:
- 大学卒以上の学位証明書(学士号)
- 専門分野の修士号や博士号があれば、より有利になる場合も
職歴・専門性:
- IT・エンジニアリング・マネジメントなどの分野で数年以上の実務経験
- 現地の労働者では代替が難しい高度な技術・知識を持っていること
転勤理由の合理性:
- なぜこの社員がインド赴任でなければならないのか
- 現地法人が求める専門知識を備えていることを示す説明資料
また、会社側としても、「特定の専門スキルを持つ社員だからこそインド赴任が必要」というロジックを用意しておくと、ビザ審査で有利に働きます。
4.E-3ビザ申請手順
4-1.書類準備
E-3ビザを申請するにあたって、まずは必要書類の収集・作成がスタート地点となります。以下は一般的に必要とされる書類の例です。ただし、最新の情報はインド大使館や総領事館、あるいはVFSグローバルのサイトでご確認ください。
- パスポート
- 残存有効期限が6か月以上、ビザ貼付用の余白ページが2ページ以上
- 写真
- インドビザ用の規定サイズ(通常5cm×5cm)で、背景色や表情にも決まりがある
- オンライン申請フォーム(India Visa Online)
- 英文で正確に入力し、記載ミス・誤字に注意
- 入力完了後にPDFを印刷し、署名したものを提出
- 企業内転勤を証明する書類
- 出向・転勤命令書、社内通知、グループ企業の関係証明など
- 雇用契約書・給与証明
- 転勤期間や給与額、福利厚生の内容を明示した文書
- 学歴・職歴の証明書類
- 卒業証明書や資格証明書、履歴書など
- その他の補足資料
- インド国内法人の事業登録証明、会社案内資料、組織図などを求められる場合もあり
4-2.オンライン申請と支払い
インドのビザ申請では、オンライン申請(e-Visa Portal)が基本的な手順となります。Employment Visaも大部分がオンライン申請で管理されており、E-3ビザの場合でも同様のプロセスを踏むことが一般的です。
- インド政府公式サイトにアクセス
- 指示に従い、申請者情報(氏名、国籍、生年月日、パスポート情報など)を入力
- ビザカテゴリー選択
- Employment Visa(Eビザ)内でE-3が該当するかチェック
- 企業内転勤であることを明示する項目がある場合は忘れずに選択
- 書類アップロード・写真登録
- パスポートのスキャンコピー、顔写真などをオンラインでアップロード
- 申請料の支払い
- クレジットカードや銀行振込など利用可能な支払い方法に従う
- 確認と申請完了
- 申請完了後、登録番号(Application IDなど)が発行される
- 申請フォームをPDFで出力し、署名をして書類一式に同封
4-3.大使館・総領事館またはVFSへの提出・面接
オンライン申請が完了しても、それだけでビザが自動的に発行されるわけではありません。多くの場合、インド大使館・総領事館、またはVFSグローバルへ必要書類を郵送または持参して提出する必要があります。
VFSグローバルの窓口
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- インドビザの受付代行を行う民間会社。各国で窓口が設置されている場合がある
- 郵送による書類提出や、対面窓口での受付も行われる
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面接の可能性
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- Employment Visa(E-3)では、赴任理由や職務内容などを確認するための面接が行われる場合がある
- 面接がある場合は日時や場所の指示があるので、書類と合わせてしっかり準備
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4-4.審査期間とビザ発給
審査期間は通常2〜4週間程度が目安とされますが、繁忙期(祝祭シーズンなど)や書類の不備があると、さらに時間がかかることもあります。追加資料を求められた場合には、企業側(本社・現地法人)と連携し、迅速に対応することが大切です。
結果通知とパスポート返送
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- 審査が完了すると、ビザが貼付されたパスポートが返送または窓口で返却される
- ビザの有効期間やカテゴリー(E-3)に誤りがないか確認
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再申請が必要なケース
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- 不許可となった場合は、書類の内容や要件を再度見直す
- ビザカテゴリーの変更が望ましいと判断されれば、改めて申請手続きを行う
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5.インド国内法人へ赴任後に必要な手続き
5-1.FRRO(外国人登録)の義務
インドでの滞在期間が一定期間(通常は6か月以上)になる場合、FRRO(Foreigners Regional Registration Office)またはFRO(Foreigners Registration Office)と呼ばれる当局への登録が義務付けられることがあります。E-3ビザで長期赴任する場合は、ほぼ確実にこの登録が必要になるため、入国後は速やかに対応しましょう。
登録期限
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- 多くの場合、到着後14日以内に登録する必要がある
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必要書類
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- パスポート、ビザ、在留先住所証明(賃貸契約書、光熱費領収書など)、雇用証明書など
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オンライン登録システムの活用
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- 大都市(デリー、ムンバイ、バンガロールなど)では、オンライン登録システムが整備されている
- 書類不備があると再度オフィスに出向く必要があるため、注意が必要
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5-2.現地住所変更や在留延長手続き
赴任期間が延長になったり、途中でインド国内の居住地を引っ越したりする場合、FRROへの報告・手続きが再度必要となります。特に住所変更は、決められた期間内(通常14日程度)に届け出を怠ると罰金を科される可能性があるため、気をつけましょう。また、ビザの有効期間が切れる前に更新手続きを行わなければならないケースも多く、在留延長については企業(本社・現地法人)の総務や人事担当と連携しながら計画的に進めることが重要です。
5-3.税務・社会保険関連の対応
インドで実際に就労し、給与を受け取る場合、インド国内の所得税や社会保険の扱いについても把握しておく必要があります。主に以下の点を確認しておきましょう。
インドでの個人所得税
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- インドでは給与所得に対して累進課税が適用される
- 一定期間を超えて在留する場合、インドのタックス・レジデント扱いになる可能性がある
- 日本とインドの間には二重課税防止条約が締結されているため、納税方法や控除の申請を確認
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社会保険加入の要否
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- インドではEmployee Provident Fund(EPF)と呼ばれる基金があるが、外国人駐在員がどの範囲まで加入義務を負うかは個々の雇用契約や現地の規定次第
- 日本の健康保険との連動や、民間の海外旅行保険・医療保険の加入状況も考慮が必要
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6.よくある質問(FAQ)
Q1.E-3ビザとE-2ビザの違いは何ですか?
A1: インドの就労ビザであるEビザは、職種や目的によってカテゴリーが細かく分かれています。E-2ビザは一般的な就労ビザとして知られていますが、E-3ビザは企業内転勤に特化しており、「同一グループ企業内での異動(Intra-Company Transfer)」を主目的とする場合に取得しやすいです。管理職や専門職が本社から現地法人へ派遣・転勤される際に多く利用されます。
Q2.日本本社の雇用契約のまま、インドで仕事をすることは可能ですか?
A2: 原則として可能ですが、その場合でもインド国内での就労活動が発生するならばEビザ(E-3)が必要となるケースが多いです。給与の支払元がどちらか(本社 or 現地法人)にかかわらず、インド国内で事実上業務に従事する以上はインド当局から「就労ビザを取得すべき」と判断されやすい点に注意しましょう。
Q3.家族を帯同させたい場合はどうすればいいですか?
A3: 配偶者や子どもを帯同させる場合、Dependent Visa(家族ビザ)を取得するのが一般的です。就労ビザ(E-3)を取得した本人が申請する形となり、家族用のビザカテゴリーも就労者に紐づく形になります。帯同家族は原則として就労は認められませんが、学生であれば現地の国際学校や大学に通うことが可能です。
Q4.短期の出張や会議参加ならビジネスビザ(Bビザ)で代用できませんか?
A4F: 短期的な会議・展示会への参加や商談などであれば、ビジネスビザ(Bビザ)で対応可能です。ただし、長期就労や報酬を伴う業務(例えばプロジェクト参加や現地でのマネジメント活動)を行う場合はBビザでは違法就労とみなされるリスクがあります。企業内転勤の場合はE-3ビザを取得するのが適切です。
7.トラブル事例・注意点
7-1.書類不備・誤記入で審査が長引くケース
インドのビザ申請は、オンライン申請と書面提出の両方をクリアしなければなりません。記入ミスやアップロードした写真の規格違反、求められた書類の不足などがあると、追加書類の要請や審査中断につながり、結果として赴任スケジュールに大きな狂いが生じる可能性があります。
転勤理由の説明が曖昧
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- 「本当に企業内転勤なのか?」「インド現地法人でどういった活動をするのか?」と疑問を持たれる場合
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給与条件の不明瞭
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- 本社が給与を支払うのか、現地法人が支払うのか、あるいは両方なのかが不明確
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学歴証明書類が不完全
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- 卒業証明書の英訳がない、あるいは翻訳が不正確
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7-2.現地での入国管理上のトラブル
インド入国後も、FRRO登録やビザ更新手続きを怠ると違反とみなされ、罰金や退去処分が下される恐れがあります。また、E-3ビザに明記されている在留期間を超過すると、不法滞在扱いとなるため非常にリスクが高いです。
住所変更の報告忘れ
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- 転勤先の都市であっても、再度引っ越しがあれば届け出が必要
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在留延長手続きを失念
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- プロジェクト延長で追加の滞在が必要にもかかわらず、ビザ更新をしないまま期限が切れる
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7-3.労働条件の不一致・現地法人との食い違い
日本本社とインド法人との連携が不十分なまま社員を送り出すと、労働条件の齟齬が発生する可能性があります。現地法人が想定していた業務内容と、日本側の指示が合っていない場合、ビザ審査や入国管理の面で疑義を生む要因となりかねません。
役職や給与が突然変更される
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- 当初の契約条件と実態が異なり、当局から「不正就労」と疑われる
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企業グループ関係がはっきりしない
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- 実際は関連会社ではなく取引先企業に派遣されているだけ、など不透明要素があるとE-3ビザ対象外とみなされるリスク
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8.専門家(行政書士・コンサルタント)を活用するメリット
企業内転勤でのインド赴任は、日本本社・インド現地法人・個人の三者が絡む複雑な手続きとなりがちです。さらに、インド政府のビザ関連法令や運用基準は頻繁に変更されるため、常に最新の情報を入手して書類を整えなければなりません。このような理由から、行政書士やビザコンサルタント、インド在住の現地専門家などの協力を得るメリットは大きいといえます。
8-1.申請書類の整合性チェック
必要書類のピックアップ
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- 企業内転勤を証明するための最適な資料を選定し、余計な書類提出や不足を防ぐ
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英文文書の精査・翻訳サポート
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- 学歴証明書や契約書の翻訳を正確に行い、審査官に誤解を与えないようにする
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8-2.最新のインド就労ビザ情報を入手
政府の方針変更へ迅速に対応
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- 年収要件や手続きフローに変更があった場合、すぐに情報をキャッチし書類内容を調整できる
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在日インド大使館やVFSの運用ノウハウ
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- 実際の審査の流れや面接の要点など、経験に基づくアドバイスを受けられる
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9.まとめ
- 企業内転勤にはE-3ビザが最適
- インドの就労ビザ(Employment Visa)の一種であるE-3は、同一グループ企業内での派遣や転勤を目的とする人向けに設計されたカテゴリーです。長期でインド国内法人へ赴任する場合は、E-2ビザよりもE-3ビザの方が適切となるケースが多く、管理職や専門職が対象になりやすいと言われています。
- 申請時の最大のポイントは「企業内転勤」であることの証明
- インド政府は、外国人の就労がインド国内の労働市場に及ぼす影響や必要性を厳密にチェックします。したがって、インド赴任が単なる転職ではなく「グループ企業内での異動」であることを明確に示す書類を用意しましょう。
- 専門家の活用でリスクを最小化
- インドのビザ関連規定は変動しやすく、日本語の最新情報が少ないケースもあります。企業の人事担当や駐在員が個人で全てを調べ上げるよりも、信頼できる行政書士やコンサルタントに依頼するほうが、書類不備や審査遅延のリスクを大幅に減らせます。
インドは世界第2位の人口と高い経済成長率を誇る、非常に魅力的な市場です。日系企業のインド進出が加速する中、企業内転勤として現地法人へ赴任する機会は今後ますます増えるでしょう。しかし、ビザ申請や現地での法定手続きに不備があると、せっかくのチャンスを棒に振るリスクも否めません。
本記事で解説したE-3ビザの申請プロセスや書類要件、FRRO登録、さらによくあるトラブル事例などのポイントを押さえ、入念な準備を行うことが重要です。企業の人事担当者や派遣されるご本人が協力してスケジュール管理をし、「いつまでに、どの書類を、誰が用意するか」を明確にしながら進めることで、インドでの就労ビザ取得をスムーズに実現できるでしょう。
プロフィール
2009年4月 行政書士個人事務所を開業
2012年8月 個人事務所を行政書士法人化し「さむらい行政書士法人」を設立
専門分野
外国人VISA・在留資格、外国人雇用・経営管理、永住・帰化申請
入管業務を専門とし、年間1000件以上の相談に対応







