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インドの就労ビザ「E-1」とは?6か月未満の短期就労に必要な申請手続きと注意点を徹底解説

1. 【導入】インドの短期就労にE-1ビザが必要な理由

1-1. インドで働くには基本的に就労ビザ(Employment Visa)が必要

インドへ仕事の目的で渡航する場合、観光ビザやビジネスビザでは就労そのものが認められないのが原則です。インド政府は外国人がインド国内で報酬を得る行為に対して、Employment Visa(就労ビザ)を取得するよう規定しています。このEmployment Visaの一種にE-1ビザというカテゴリーがあり、6か月未満の短期就労を行う際に適用されるのが特徴です。

1-2. E-1ビザの位置づけ:短期の就労・出張に最適

ビジネスビザと混同されがちですが、**ビジネスビザ(Business Visa)**は会議参加や商談などの活動を想定し、実際に労働・就労する行為(インド側から給与・報酬が支払われるなど)は不可とされています。そこで6か月未満の短期業務やプロジェクト参加、技術サポート、研修指導といった働き方の場合、E-1ビザが適用されるのが一般的です。

注意:E-1ビザは「就労ビザ」の一形態であり、短期・長期の就労を区分する複数カテゴリーがある中でも6か月未満に特化したものとして扱われます。

1-3. 本記事の目的

本記事では、インドのE-1ビザ(6か月未満のEmployment Visa)の申請方法や必要書類、審査で気をつけるべきポイントを中心に解説します。日本側企業・インド側企業の責任者や担当者、あるいは個人でプロジェクトに参加するエンジニアやコンサルタントの方々が、短期間で確実にビザを取得してインドで働くためのヒントをまとめています。

2. E-1ビザ(6か月未満の短期就労)の概要

2-1. Employment Visa全体の中でのE-1ビザの位置づけ

インドの就労ビザ全般は「Employment Visa(通称:Eビザ)」と呼ばれ、複数のカテゴリー・期限区分があります。その中でも、

  • E-1ビザ:6か月未満の短期就労
  • E-2ビザ:長期の就労(1年から最長5年まで延長可能など)

といった形で分かれており、E-1ビザが今回焦点となる「6か月未満の短期就労ビザ」です。

2-2. 在留期限と更新・延長可否

E-1ビザは原則6か月を上限とし、それより長い在留が必要な場合はE-2ビザなど別カテゴリーが対象になります。基本的には**「短期プロジェクト参加や研修などが終了すれば帰国する」**という想定のビザであり、延長や更新が認められにくいです。もし6か月以上の勤務継続が見込まれるなら、最初からE-2ビザを検討する方が適切でしょう。

2-3. 想定される活動例

  • プロジェクトベース:日本企業がインド企業と連携し、短期的にシステム導入やコンサルを行う
  • 研修サポート:インドの子会社で2〜3か月だけ技術指導を行う
  • エンジニアの短期出張:サーバー保守や設備設置作業、製品トラブルシューティング

いずれも実際に労働を伴う行為であり、単なる商談・会議以上の活動をするため、**就労ビザ(E-1)**が必須となるわけです。

3. 適用範囲と主な要件:どんなケースでE-1ビザを使う?

3-1. 6か月以内の就業を予定する場合

E-1ビザが使えるのは、インドでの就業期間が厳密に6か月以内に完結する場合です。たとえば「3か月の工場立ち上げサポート」「4か月のITプロジェクト導入」で十分足りるのであれば、E-1ビザを取得します。6か月を超える場合、あるいは不確定要素があるなら、初めからE-2ビザ(長期)を申請するほうが無難です。

3-2. 招聘元企業(インド側)からの招待状・契約書が必要

短期とはいえ、インド国内で労働する以上、雇用関係や契約内容を明確に示す書類が求められます。通常は、

  • インド企業からの招聘状(Invitation Letter)
  • 勤務予定の職務内容・給与・就業期間を記した契約書
  • 日本側企業とインド側企業の合意文書(MOUなど)

などを用意し、E-1ビザの申請時に提出します。ビジネスビザではなく就労ビザなので、具体的な業務と報酬体系が大事な審査要素です。

3-3. 業種や業務によっては別のカテゴリーが該当する可能性

E-1ビザはあくまでEmployment Visaの短期版であって、活動内容によっては「ビジネスビザ」や「プロジェクトビザ」など他のカテゴリーが当てはまる可能性も。たとえば数日〜数週間の商談や会議だけならビジネスビザ(Business Visa)で済ませるケースが普通です。「6か月未満でも就労行為を行う」のか「単なる会議・商談に参加するだけ」なのかをきちんと区別しましょう。

4. 申請手続きの流れ:在日インド大使館・領事館での手順

4-1. 必要書類のリスト

  • パスポート(有効期限が申請時点で6か月以上残っていること)
  • オンラインビザ申請フォーム(インド政府の公式サイト)
  • 招聘状・就労契約書(インドの雇用主/受入企業からのオリジナル書類)
  • 在留資格証明(日本居住の外国人の場合、在留カード等)
  • 写真(規定サイズ:5cm×5cm推奨など)
  • 履歴書・職務経歴書(業務内容と関連した専門性を証明)

また、各在日インド大使館・領事館で要求書類やフォーマットが若干異なることもあるため、最新情報を公式ウェブサイトで必ず確認してください。

4-2. オンラインアプリケーションフォームの入力

インドのビザ申請は現在、基本的にオンラインポータルでフォームを入力し、申請者の情報をアップロードしてから、大使館/領事館に書類を郵送または持参する流れが一般的です。フォームには、

  • 個人情報(パスポート、住所、連絡先など)
  • インドでの雇用先情報、就労内容
  • 予定滞在先住所

などを細かく記入する必要があります。誤字や記載ミスがあると申請が遅延するので要注意です。

4-3. 申請料の支払い方法・提出先

在日インド大使館や領事館では、ビザ申請料の支払い方法(銀行振込や現金など)を指定していることが多く、金額は国籍や在日大使館の管轄によって違う場合があります。さらに、東京の大使館以外にも大阪や名古屋など地方領事館があるため、自分の居住地を管轄する領事館がどこなのか事前に調べましょう。

4-4. 審査期間の目安

短期就労ビザ(E-1)の審査期間は、通常1〜2週間前後と言われることが多いですが、在日インド大使館の繁忙具合や書類不備の有無、追加書類要求などで変動します。繁忙期(4〜5月、年末年始など)や国際情勢によってはさらにかかる場合もあるため、余裕を持ったスケジュールを組むのが得策です。

5. 書類準備のポイント:招聘状・雇用契約・企業証明書類

5-1. 招聘元からの正式レターの重要性

インド企業やプロジェクト先が発行する**招待状(Invitation Letter)**には、以下を必ず明記しましょう。

  • 招聘する外国人の氏名・パスポート番号
  • 具体的な業務内容と期間(例:3か月間のITサポートプロジェクト)
  • 報酬や費用負担について(給与が発生するのか、滞在費をどう負担するのか)
  • インド国内の担当者名や連絡先

このレターがないと就労ビザの審査官は「実態のない招聘」と疑いを持ちやすく、不許可になるリスクが高いです。

5-2. 6か月未満の契約書:具体的業務範囲を明記

招聘状に加えて、雇用契約書または業務委託契約書を用意します。そこには、

  • 勤務開始日と終了予定日
  • 業務内容(職種・タスク)
  • 報酬額・支払方法
  • 労働時間・休暇制度など

を記載し、インド側と外国人労働者の両者が合意していることを示します。勤務期間が6か月未満であることが明確化されれば、E-1ビザの要件にマッチしやすくなります。

5-3. 日本側企業とインド側企業の協力関係資料

もし日本人がインド出張する場合は、日本企業とインド企業との間にある業務提携契約や**MOU(Memorandum of Understanding)**などがあると、より信頼性が増します。インドで働く必要性やプロジェクトの正当性を審査官に説得する材料として有用です。

6. 注意点①:ビザカテゴリーの誤申請に気を付ける

6-1. 短期就労かビジネス出張かを区別

「ビジネスビザ」は商談や会議、展示会参加などの活動は認めますが、現地での労働・就労は不可です。たとえ1〜2週間でも、実質的に労働を行えば就労ビザが必要となり、ビジネスビザの乱用は違法になり得ます。入国管理局が取り締まりを強化しているため、活動内容を正確に見極めてください。

6-2. 長期化が見込まれるなら最初からE-2ビザ検討も

最初は「3か月で終了予定」と思っていたプロジェクトが延びて、結果的に半年を超えることがわかるケースもあります。その場合、E-1ビザで入国してから延長しようとしても、延長が認められない可能性が高いため、事前にE-2ビザ(長期就労)を申請する方が無難です。

6-3. インドビザ制度の頻繁な変更に注意

インド政府はビザ制度の細分化や要件変更を行うことがあります。たとえば、以前は「就労ビザ」全体で区分していたものが、現在ではプロジェクトビザなどが別枠で新設されるなど、随時アップデートがあるため、最新の在日インド大使館サイトを定期的に確認しましょう。

7. 注意点②:在留期間・更新の可能性

7-1. E-1ビザは原則6か月が最長

E-1ビザ自体は「6か月」を上限とし、それ以上の滞在には対応していないのが原則です。延長が必要になっても、審査が非常に厳しく、そもそもE-1ビザの延長制度がほとんど運用されていないケースも報告されています。長期滞在の選択肢としてはE-2ビザを改めて申請する形になるかもしれません。

7-2. 更新が難しい場合、再申請か帰国が必要

「もう少し滞在が必要」となった際に、ビザ延長や更新を試みても、根本的にE-1の資格範囲を超えると判断されると不許可となり、一度帰国→新しいビザの取り直しが必要となります。これは時間とコストが大きいため、最初の計画段階で「半年以内に終わるか?」を慎重に確認してください。

7-3. 不法滞在リスクを避けるためのマネジメント

ビザ期限を1日でも過ぎると、インド入管で罰金や強制退去等のリスクが生じます。プロジェクトが延びそうな場合や書類準備が遅れそうな場合は、余裕をもって在留期限前に対処しましょう。インドの官公庁手続きでは予想以上に時間がかかることも多いため、ギリギリにならないよう計画管理が重要です。

8. 成功事例:E-1ビザで短期プロジェクトに参加したケース

8-1. 事例①:IT企業のコンサルタントが3か月滞在

とある日本のIT企業がインドの子会社を立ち上げる際、3か月間のシステム導入サポートをするために日本人コンサルタントを派遣したケースが報告されています。以下の準備が行われたことにより、スムーズにE-1ビザが取得できました。

  • インド子会社からの正式招聘状に業務期間と賃金支払方法を明記
  • 日本企業とインド子会社の合意書(この期間にITシステムを導入し、終了後帰国)
  • プロジェクトのスケジュール表(3か月で完了)
  • COE交付申請ではなく、大使館へのEmployment Visa (E-1) 申請書と追加書類を提出

結果、1週間ほどでビザが発給され、予定どおり短期滞在を完遂し、問題なく帰国できました。

8-2. 事例②:製造業の技術研修で4か月間の短期指導

日本の自動車部品メーカーがインド現地工場へ日本人技術者を送り、4か月間の生産ライン技術指導を行うという例もあります。初めはビジネスビザで行こうとしたが、実際には工場で作業を伴う(ライン指導や機械調整)ため、E-1ビザを取得。雇用主としてインド現地法人が給与を一部負担する形にし、業務内容・報酬を明記した契約書を添付して申請したところ、2週間程度で許可が下りたそうです。

9. 不許可例:なぜ却下される?主な落とし穴

9-1. 業務内容があいまい、実質的な労働か疑われる

ビザ申請の書類に「業務期間:3か月、業務内容:サポート」とだけ書いてあり、具体的な作業が何も説明されていない場合、審査官は「本当に短期就労か?」と疑問を抱きやすいです。実は長期就労を隠している、単なる会議以上の仕事をしているのではないか、と勘繰られると不許可につながります。

9-2. 書類の不備(招待状なし・契約書がない)

E-1ビザでは、インド側がしっかり受入態勢を整えていることが必須です。にもかかわらず正式な招待状も雇用契約書も用意せずに申請しようとすると、**「就労行為の実態が不明」**と見なされて却下されます。場合によっては追加資料要求がくるが、間に合わずビザ発給できないというパターンもあります。

9-3. ビザカテゴリーを誤ってビジネスビザを申請していた

短期滞在だからといってビジネスビザで渡航し、実質的に工場作業や現地スタッフ指導を行うのは違法就労となり、不許可はもちろん入国拒否や強制退去のリスクすらあり得ます。実務上、「短期出張だからビジネスビザでいいよね?」と誤解しがちですが、給与が発生する労働はE-1就労ビザが必要です。

10. 【まとめ】インドのE-1ビザで6か月未満の就労を成功させるために

  1. E-1ビザは短期就労専門の在留資格
    • 6か月以内に完結する業務ならこれを選ぶ
    • それ以上の長期予定ならE-2ビザなどを検討
  2. 具体的業務内容・雇用契約を明確に
    • 招聘状・契約書・プロジェクト内容を詳細に書面化
    • ビジネスビザでは認められない「労働行為」を明確に区別
  3. 必要書類を漏れなく用意
    • 招待状や契約書、パスポート、顔写真、オンライン申請フォームなど
    • 日本側企業とインド側企業の連携をスムーズにし、追加書類要求を減らす
  4. 審査期間に余裕を持つ
    • 1〜2週間で発給されることが多いが、混雑期や不備があると数週間~1か月超えも
    • インド出張の開始日をギリギリに設定しない
  5. 長期化しそうならE-2ビザなど別の選択を
    • E-1は更新や延長がほぼ難しいので、6か月超の作業計画なら最初から別枠申請を検討

以上のポイントを踏まえて申請をすれば、インドのE-1ビザ(6か月未満の短期就労)をスムーズに取得できる可能性が高まります。インド大使館・領事館の最新情報をチェックしながら、書類の不備やカテゴリー選択ミスを避ければ、短期プロジェクトや研修を成功裡に進めることができるでしょう。

11. 今後の展望:短期就労ビザの拡充と注意点

11-1. インド政府のビザ制度は頻繁に変更される

インド政府は近年、観光促進や海外投資誘致のためにe-Visa(電子ビザ)やカテゴリーの細分化を進めています。今後も短期就労ビザに関して改訂が起こり得るため、申請前には在日インド大使館の公式サイトや専門家に確認するのが必須です。

11-2. ビジネスビザやプロジェクトビザとの区別をより明確に

将来的に、短期就労(E-1)とプロジェクトビザの線引きが変わる可能性もあります。たとえば、特定の業種・プロジェクトに対してプロジェクトビザを用意するなどの動きがすでに一部行われています。申請者側は、自分の業務がどのビザに合致するかを常にアップデートしていく必要があります。

11-3. 社内規定や契約書の整備でリスク軽減

日本企業であっても、インド赴任・出張規程を見直し、ビザに合わせた契約書や渡航手順を作成しておくとスムーズです。海外部門や総務が整合性のある文書を用意すれば、インド側で余計なトラブルを回避できます。短期就労のみに従事するなら、雇用期間や任務範囲を明確に制限する条項があると尚良いでしょう。

 この記事の監修者

さむらい行政書士法人 代表 / 小島 健太郎

さむらい行政書士法人
公式サイト https://samurai-law.com

代表行政書士

小島 健太郎(こじま けんたろう)

 

プロフィール

2009年4月 行政書士個人事務所を開業
2012年8月 個人事務所を行政書士法人化し「さむらい行政書士法人」を設立

専門分野

外国人VISA・在留資格、外国人雇用・経営管理、永住・帰化申請
入管業務を専門とし、年間1000件以上の相談に対応

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