小規模事業者持続化補助金は、申請すれば誰でも補助金が貰えるというものではなく、経営計画書や補助事業計画といった計画書類を作成し、申請をして、審査を受けたうえで、補助金が受けられるのか、受けられないのかが決まります。
小規模事業者持続化補助金の事業計画書の書き方と例について解説をしていきます。
まず、小規模事業者持続化補助金とは、持続的な経営に向けた経営計画に基づく、小規模事業者の地道な販路開拓などの取り組みなどに対する経費の補助を行う制度です。
例えば新たな市場への参入に向けた売り方の工夫や、新たな顧客層の獲得に向けた商品の改良や開発などの取り組み、地道な販路拡販などと合わせておこなう業務の効率化や生産性の向上の取り組みを支援するため必要な経費の一部を補助する補助金になります。
補助の対象となる経費としては、機械装置費用、広報費用、展示会出展費用、旅費、資材購入費、開発費、外注費など。
簡単に言うと、販路拡販のためのチラシやパンフレット、ポスター、ホームページの作成費用といった販促物や、イベントの出店費用や店舗の改装費用などが補助対象の経費になります。
補助金の上限額としては、50万円が上限になり、補助率は2/3になっています。
この小規模事業者持続化補助金を申請するためには、「経営計画書」と「補助事業計画書」を作成する必要があります。
簡単に言うと、経営計画書では、現在の経営状況に関する概要説明を行い、今後の具体的な経営方針、それに伴う補助事業の必要性について記載をしていきます。次に補助事業計画書では、実際にどのような補助事業に取り込んでいくのかということと、それによりどのような効果が見込めるのか?を説明していく必要があります。
少し詳細に説明していきます。
① 経営計画書の記載内容・作成の注意ポイント
経営計画書には
- 企業概要 → 経営状況の説明
- 市場動向 → 売上の源になっている背景
- 自社の強み→ 自社製品やサービスの強みとその根拠
- 経営方針 → 今後の目標や達成の為の具体的方策
1から3で現状の経営状況を分析し、その分析結果をもとに4である今後の方針や目標、方法を記載していきます。
・1の企業の概要には、企業の設立年月日、事業内容、主要取引先を記載していきます。
その際の事業内容は事業の特徴や、営業日や従業員の数、稼働状況など詳細を記載していきます。
・2の市場動向には、顧客の年齢層や性別、提供する商品の詳細や価格、受注率や問い合わせ数、競合の有無等を記載していきます。
・3の自社の強みには、自社が強みにしている事に対しての第三者の評価や評判、競合他社と比べての比較などを記載していきます。
これら1から3での分析をもとに、4の今後の具体的な経営方針を記載していきます。
経営方針といってもいきなり目標を記載しろ!と言われても漠然過ぎて書けないかもしれませんので、その際は、まず最終目標を考えて、それを達成するための中間目標とその方法、
更には、その中間目標を達成するための方法を考えていく、ブレイクダウン方式を考えると書きやすくなるかと思います。
また次の補助事業計画書につながるように、経営計画書の中に補助事業の必要性も記載するようにしてください。
② 補助事業計画書の記載内容・作成の注意ポイント
補助事業計画書には
1、補助事業で行う事業名 → 補助事業の概要
2、販路開拓・拡販などの取り組み内容 → 具体的な販促・販売方法
3、生産性向上の取り組み内容
4、補助事業の効果 → 具体的に数字を交えて効果を説明
以上4点を注意して、補助事業の内容から取り組み内容、その効果を記載していくことになります。
・1の補助事業で行う事業名は文字数に制限があるため、できうる限り簡潔に記載するようにしましょう。
・2の販路開拓・拡販などの取り組み内容には、商品やサービスの概要、ターゲットとする顧客層情報、取り組み方法や、売上目標を具体的に記載していきます。
・3の生産性向上の取り組みには、具体的な取り組み内容の詳細を記載します。
補助金の目的が、生産性の向上ではない場合は、記載をしなくても良いです。
1から3の内容から、4の補助事業の効果を記載していきます。その際に、補助事業に期待されている効果や今後の事業計画を主眼に置いた書き方にするように心がけてください。
以上が小規模事業者持続化補助金の事業計画書の書き方と例について解説になります。
小規模事業者持続化補助金は、説明してきた「経営計画書」と「補助事業計画書」を作成し、地域の商工会や商工会議所に確認してもらったうえで、「事業支援計画書」を作成してもらい、申請をすることになります。
そのため、補助金が貰えるか、貰えないかは「経営計画書」と「補助事業計画書」にかかっているといっても過言ではありません。
ご自身で計画書を作成するのに不安のあるかたは早めに行政書士の補助金専門家に相談されることをお勧めいたします。