補助金申請において、経営計画の作成は非常に重要であることはお伝えしてきました。事業計画を作成するにあたって、自社の経営課題や自社を取り巻く環境など客観的に申請書を作成することが採択率をアップさせるポイントです。
実は、補助金の公募要領にはそのような申請書作成を助けてくれるツールを紹介してくれています。その名も「RESAS」(リーサス)です。平成27年4月から提供が開始されました。
RESASとは?
地域経済に関する様々なビッグデータを地図やグラフで分かりやすく見せてくれるツールです。ビッグデータとは、簡単に言うと今の日本の様々な産業の強みや人の流れなどをまとめた「日本を客観視」できるデータになります。
RESASを活用すると次のようなメリットが訪れます。
このメリットをご覧いただければ、補助金申請にRESASを最大限活用できるはずです。
メリット1、その地域で強みのある産業を確認できる
ある事業者がRESASのデータを活用することで、その地域で強い産業を探すことも可能です。そうすることで、最近であれば新たな業態転換にかかる経費を補助してくれる「事業再構築補助金」の申請書作成の際に、RESASのデータを引用して、より説得力のある質の高い申請書作成も可能です。
メリット2、その地域における今までのこれからの人口推移を年代別・国籍別などで確認できる
地域ごとに今までの人口推移だけでなく将来的な人口推移もデータとして参照ができます。しかも人口推移も年代別や国籍別など細かく見ることが可能です。そのため、将来その地域でどのくらいの外国人が増えていくのかなどを推計することで、インバウンド需要に備えた対応など将来的な事業計画づくりの参考になります。
RESASについて誤解していること
正直、このシステムの名前を初めて知ったという方がほとんどかと思います。ですが、前述の通りこのシステムをうまく活用すれば、採択率がアップする質の高い補助金の申請書が作成できます。あまり知られていない「RESAS」。その中でも特に誤解をされていることがあります。その誤解についてここで解決をしておきましょう。そうすることで、今まで知らなかったRESASをより活用したいと思ってもらえるはずです。
誤解1 RESASを使うのは自治体職員だけ
RESASは自分自身でグラフ作成が不要です。様々なデータがしかも無料で見ることができますので、補助金の申請書作成においても十分活用できるツールです。
誤解2 RESASの活用事例が見つからない
RESASのサイトには、オンライン講座や活用事例も掲載されています。ここで、活用事例を挙げたいと思います。
(活用方法一例)
【質問】
従業員40名の介護事業者。このような民間事業者がRESASを活用する方法はどんなものが考えられるか?
【回答】
RESASは人口推移などもグラフなどで見やすく参照できます。人口マップの将来人口推計機能を活用し、その地域の老年人口推移を事前に調べておくことで、将来的な介護市場規模を推計することができます。そのデータを基にして新規事業所を開設することを検討したり、今ある事業所を統廃合することを検討して、必要人員数を推計することも可能です。
あまり知られていないけれど、使い方は簡単なRESAS。このツールを活用することでより効率よく、より質の高い補助金の経営計画書を作ることが可能です。
RESAS以外で補助金申請において使えるツールとは
「使えるツールその1」 経営計画つくるくん
このツールは、独立行政法人中小企業基盤整備機構機構が提供しているものです。
なんといっても、経営計画を30分で作成できるという魅力満載のツールと言えます。
機能として次のようなものがあり、難しい経営計画書作成を支援してくれる画期的なツールです。
【経営計画書作成機能】
事業内容や経営状況などを整理しながら、自動的に経営計画書のベースを作成することができます。しかも、表示される選択肢を選ぶだけで簡単に操作もできます。
「使えるツールその2」 業界動向サーチ
このサイトは、サイト名の通り、業界ごとの動向を確認することができるものになります。
業界ごとに一覧になっていて、探している業界の動向をすぐに確認することができ、補助金申請の際の市場動向を確認するにもってこいのサイトです。
業界動向を天気図に見立てたり、視覚的にも見やすいサイトになっています。