補助金Q&A

サポイン(戦略的基盤技術高度化支援事業)

サポイン(戦略的基盤技術高度化支援事業)というのは、サポーティングインダストリー(下請け企業)の略です。日本経済を支える下請けの技術力を強化するための補助金です。

サポインの目的は、日本のものづくりの「競争力強化」と「新たな事業の創出」で、2000件を超える採択実績があります。

単独申請はできず大学等と連携が必須

サポインは、中小企業が単独で申請するのではなく、大学や公設試験研究機関等と連携して申請する点が特徴です。

研究開発機関と連携して行う研究開発、試作品開発、販路開拓を最大3年間支援してくれます。

ちなみに、このように研究機関との連携が必須となるため、公募が始まってから研究機関と連携準備をしていては間に合わないことから、通常、公募開始前に開始予告がだされます。

公募開始前に予告が出されるからこそ、事前の情報収集が他の補助金に比べ大事になってきます。ひんぱんにホームページを確認して、しっかりとした申請準備をしてください。

サポインの対象事業

サポインの対象となる事業は、ものづくり高度化法第3条に定める「特定ものづくり基盤技術高度化指針」に記載された内容に関する研究開発等になります。

研究開発系の補助金のため、研究開発を伴わない販路開拓のみの事業は対象外となります。あくまでも対象となるのは、「製品化につながる可能性の高い研究開発、試作品開発及び販路開拓への取組まで」の段階になります。そして、「事業化までの道筋が明確に描けているもの」を対象としているため、審査でもその点がポイントとなってきます。

補助額9750万円!

サポインの魅力は、「3年間で9750万円」という多額の補助金を受けられる点にあります。この金額は、中小企業向けの補助金としてはトップクラスなので、非常に魅力的です。

もっとも、高額な補助金だからこそ、非常に狭き門でもあります。採択率自体は、約40%なので通常の補助金と変わりませんが、そもそもエントリーしている企業のレベル感が高いため、競争は激しいといえます。

サポインの補助額・補助率・補助事業期間・補助対象経費

・補助上限額9750万円(3年間) ※単年度上限4500万円
・補助率 2/3以内 ※大学・公的研究機関等は定額(100%補助)
・補助事業期間 2年又は3年
・補助対象経費 物品費、人件費・謝金、旅費、委託費など

サポイン事業申請の流れ

1 研究開発計画の作成

※「中小企業の特定ものづくり基盤技術の高度化に関する指針」に沿った計画が必要

2 実施体制の構築

※単独申請が出来ないため共同体を構成する必要

3 電子申請利用登録の確認

※申請は府省共通研究開発管理システム「e-Rad」による電子申請のみとなります

4 申請書類の作成
5 電子申請にて書類提出

 

●サポインの採択事例

こちらでは事務局から公表されているサポインの採択事例をご案内します。ちなみに、採択事例は中小企業庁のサポインの公式ページで紹介されています。

・手話の自動翻訳を実現させる高精度な動作検出と動作のパターンマッチングの技術開発
・ips細胞等の3次元大量培養技術の開発
・農業機械のさらなる高度化と海外進出に資する次世代電子制御ソフトウェア基盤の開発
・超高分子量ポリエチレン繊維を用いた海洋構造物係留ロープの耐久性向上技術の開発
・タッチパネル用新世代樹脂複合板材の曲線成形切断加工技術の開発
・AIを用いた診断根拠提示型細胞診断高度支援システムの研究開発
・環境汚染ガスを無害化するための、先進的な光触媒分解処理システムの開発
・高密度高集束水を用いたウォータジェット加工技術の高度化に関する研究開発
・標準コンダクタンスエレメントを用いた基準微小ガス流量導入装置の開発
・工法転換を実現する精密薄板プレス鍛造複合加工技術の開発
・環境に配慮した低コスト無線ICタグの開発
・長寿命・微細PCD(コバルト焼結ダイヤモンド)金型部品の開発
・特殊インモールド法による金型内加飾成型技術の開発
・自動車産業における生産技術の高度化に対応した産業ロボット用硬さ試験グリッパの開発
・化粧品・医薬部外品素材としての天然保湿因子の探索と生産技術の開発
・プラスチックペレット品質管理システムの高度化開発

この記事の監修

さむらい行政書士法人 代表 / 小島 健太郎

行政書士/財務コンサルタント

吉野 智成(よしの ともなり)

プロフィール

大学卒業後、税理士事務所で中小企業の会計を支援。
2019年 行政書士登録、個人事務所を開設
2021年 補助金・融資部門を法人化。「株式会社Gunshi」を設立
専門分野:事業者向け補助金、融資申請支援

書籍

中小会社で活用できる「補助金」のことがわかる本』(セルバ出版)

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