ものづくり補助金

ものづくり補助金の主な要件

ものづくり補助金にエントリーするためには、通常、次のような要件が必要となります(※毎年ルールが変わるため、必ず最新の公募要領をご確認ください)。

ここでは主な要件について解説します。具体的には、①補助事業実施期間内に納入して稼働までもっていけること(発注・納入・検収・支払等のすべてを合格後10か月以内に終えること)、②賃上げ計画等を作成し、従業員に表明していること(例:給与支給総額の年率平均1.5%以上増)、③補助事業の実施場所(工場や店舗等)を「申請時点」で確保していること、といった要件について解説していきます。

①補助事業実施期間内に納入して稼働までもっていけること(最重要)

補助金には「事業実施期間」という締切があり、その間に事業を完了させなければいけません。

ざっくり言ってしまうと、「交付決定日(補助金額が決定した日)から10か月以内に補助金で買った機械を稼働させ、補助事業を終える必要がある」というルールです。

つまり、「設備の発注・納入・検収・支払等の全ての事業手続き」を補助事業実施期間内(10か月)に終えなければいけないという事です。

ちなみに、この「10か月」という期間が具体的にどのくらいの期間に設定されるかは、年によって変わる可能性がありますので、必ず最新の公募要領をご確認ください(公募要領の中で真っ先に確認すべきところでもあります)。

なお、期間の延長は認められておりませんので、事業実施期間内に終わらなかった場合、補助金はもらえなくなります。

こういった期限がありますので、「補助事業期間内に納品できるか?」といった調整を納品業者と事前につめておくことが必須となります。なぜなら、事前調整をしておかないと、「せっかく補助金に合格したのに、期限が守れなかったから補助金はもらえなかった」なんて悲劇がおきるからです。

以上のように、補助金には「締切」がありますので、「この機械は、期限までに納品できないリスクが高いな」といった場合、最初からものづくり補助金の利用をやめておいた方が賢明かもしれません。

②賃上げ計画等を作成し、従業員に表明していること

ものづくり補助金には、「賃上げ計画等を作成し、従業員に表明していること」といった要件が入ってくる場合があります。つまり、「給与支給総額・年率1.5%以上アップが必須で、それを従業員にちゃんと表明していないと、ものづくり補助金にはエントリーできませんよ」といったルールが設定される場合もあるということです。

なお、この賃上げ要件は、年によって扱いが変わるので、最新の公募要領が発表された際、「今年は賃上げ要件あるのかな?」という視点で真っ先にチェックすることが大事です。なぜなら、賃上げ要件が必須の場合、「設備投資する以上に賃上げ負担が大きかった」といったケースも従業員数によってはありえるからです。

なお、「ものづくり補助金に合格したけど、賃上げ要件を満たせなかったよ」といった場合、補助金は返還となりますのでご注意ください。。

③補助事業の実施場所(工場や店舗等)を申請時点でもっていること

ものづくり補助金は、申請時点で「補助事業の実施場所(工場や店舗等)の確保していること」が必要となります。あくまでも「申請時点で工場や店舗が必要」ということになりますので、工場もろとも新規に立ち上げる場合は、スケジューリングに注意して申請しないと失格となってしまうので、注意しましょう。

特別枠特有の要件にも注意

新型コロナウイルス対応の特別枠ですと、「経費の1/6以上をコロナ対策に使わないとダメ(例:非対面ビジネス転換への投資)」といった要件がありました。こういった特別枠特有の要件もありますので、公募要領が発表された際、きっちり確認するようにしましょう。

この記事の監修

さむらい行政書士法人 代表 / 小島 健太郎

行政書士/財務コンサルタント

吉野 智成(よしの ともなり)

プロフィール

大学卒業後、税理士事務所で中小企業の会計を支援。
2019年 行政書士登録、個人事務所を開設
2021年 補助金・融資部門を法人化。「株式会社Gunshi」を設立
専門分野:事業者向け補助金、融資申請支援

書籍

中小会社で活用できる「補助金」のことがわかる本』(セルバ出版)

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