ものづくり補助金

ものづくり補助金の「革新性」とは

ものづくり補助金は「革新性」がないと合格しません。そのため、「単なる設備更新」「設備の追加」では革新性がないため、ものづくり補助金はもらえません。

この「革新性」の考え方については、ものづくり補助金を管轄する中小企業庁の担当者が次のように発言しています。つまり、「革新性」というのは、①自社にとって新しい取り組みであり、②他社でも一般的ではなく、③地域・業種内における先進事例にあたる取り組みの事をいいます(①から③全て満たす必要があります)。
ですので、いくら「当社比」ですごい技術だったとしても、革新性は認められませんし、地域内の同業種で既に行われている技術であるならば、たとえ先進的な設備だったとしても、革新性は認められないこととなります。

なお、革新性はあくまでも「相対的」なものと考えます。そのため、仮に他業界では当たり前の技術だったとしても、自社を取り巻く業界において、「そんな事できるんだ!」といったサプライズが発生するのであれば、「革新性あり」といえることになります。

革新性の見つけ方

ポイントは「お客さんからの難しい要望に応えられるか否か」です。つまり、お客さんからの難題に応える設備投資であるといえれば、「革新性」が認められる方向に進みます。

例えば製造業においては、「もっと小さくしてほしい」「もっと耐熱性を高くしてほしい」「もっと強度をあげてほしい」といった無理難題が元請け会社から日々突き付けられます。そういった難題に対し、「この設備をいれれば応えられる!」ということであれば、「革新性あり」という方向に進みます。なぜなら、元請けからの難しい要求は、他の下請も対応できていないからこそ発生するのであって、その難題に応えられる設備投資にあたるのであれば、同エリア同業種における先進事例にあたる可能性が高いからです。

製造業の「革新性」のイメージ

製造業はサービス業と比べて「革新性がだしやすい」といわれています。なぜなら、細かい技術にフォーカスすることで、生産性アップや品質向上をアピールしやすいからです。

例えば生産性アップであれば、「今回の設備を導入することで、複雑な形状部品の一体加工が可能となり、納期を早められる」といったイメージです。

その他生産性アップにつながるキーワードとしては、「24時間生産体制の実現」「社内一貫体制の実現」「翌日納品化」「非熟練工でも熟練工に匹敵する生産効率の実現」「同じ時間でも倍以上の生産数量の実現」「同じ従業員数でも倍以上の生産数の実現」といったものがあげられます。

また品質向上であれば、「今回の設備投資により、それまで人が行っていた加工を機械化でき、ヒューマンエラーが撲滅される」といったイメージです。

その他品質向上につながるキーワードとしては、「非熟練工でも熟練工並みの品質が達成した」といったものがあげられます。

サービス業等の「革新性」のイメージ

サービス業の「革新性」は、「あっと驚くスケール感」があればベストではありますが、実際はなかなか難しいです。ですので現実的には、細かい要素に着目してアピールするといったアプローチにならざるをえません。

例えば鍋の素なら、「スーパーで売ってる一般的な鍋の素に入っていない素材を、この設備投資をすることで封入できるため、先進的である」とアピールするイメージです。

また例えば、AI技術なら「普通のチャットボットが反応できない言葉について、今回のシステムなら、最新のAI技術を備えているため、対応できるから先進的である」とアピールするイメージとなります。

この記事の監修

さむらい行政書士法人 代表 / 小島 健太郎

行政書士/財務コンサルタント

吉野 智成(よしの ともなり)

プロフィール

大学卒業後、税理士事務所で中小企業の会計を支援。
2019年 行政書士登録、個人事務所を開設
2021年 補助金・融資部門を法人化。「株式会社Gunshi」を設立
専門分野:事業者向け補助金、融資申請支援

書籍

中小会社で活用できる「補助金」のことがわかる本』(セルバ出版)

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