企業を経営している方が、新商品を開発したいと考えたり、新しい設備を導入したいと考えたときに、資金調達に活用できるのが「ものづくり補助金」です。
それでは、このものづくり補助金を申請したいと思ったときに、申請することができるのはどのような企業でしょうか?
ここでは、ものづくり補助金の対象企業についてわかりやすく解説していきます。
1.ものづくり補助金とは?
まずは、ものづくり補助金がどのようなものかについての概要を見ていきましょう。
ものづくり補助金は、正式名称を「ものづくり・商業・サービス経営力向上支援補助金」といいます。
中小企業や小規模事業者が革新的な商品・サービスの開発や生産プロセスの改善などを行いたいと考えたとき、それを支援することを目的として交付される補助金です。
2.対象となる企業は?
ものづくり補助金の対象企業となるためには、以下の2点を充たす必要があります。
1.中小企業または小規模事業者であること
ものづくり補助金は、中小企業や小規模事業者を支援することが目的であるため、大企業は対象になりません。対象となるのは「中小企業または小規模事業者」です。
「中小企業・小規模事業者」は、法律で以下のように定められています。
①中小企業の定義
業種分類 |
中小企業基本法の定義 |
---|---|
製造業、建設業、運輸業その他 |
資本金の額又は出資の総額が3億円以下の会社又は |
卸売業 |
資本金の額又は出資の総額が1億円以下の会社又は |
旅館業 |
資本金の額又は出資の総額が5千万円以下の会社又は |
小売業 |
資本金の額又は出資の総額が5千万円以下の会社又は |
その他サービス業 |
資本金の額又は出資の総額が5千万円以下の会社又は |
②小規模事業者の定義
業種分類 |
中小企業基本法の定義 |
製造業その他 |
従業員20人以下 |
商業・サービス業 |
従業員 5人以下 |
このように、業種によって会社の規模の制限が異なっています。
中小企業の資本金と従業員数の制限は、「又は」となっておりますので、どちらか一つをみたしていれば大丈夫です。たとえば、業種がその他サービス業で、資本金は5000万円以上であっても、常時雇用する従業員が100人以下であれば対象となります。
2.賃金引上げ計画を従業員に表明していること
ものづくり補助金の対象企業となるためには、賃金引上げ計画を従業員に表明している必要があります。
賃金引上げ計画には、以下の内容が含まれていなければなりません。
①事業計画が終了するまでに、従業員の給与支給総額を年率1.5%以上増加させること
②事業計画が終了するまでに、最低賃金を地域別最低賃金の+30円以上の水準にすること
③事業計画が終了するまでに、付加価値を年率平均3%以上増加させること
付加価値=営業利益+人件費+減価償却費
これら3つをすべてみたす必要があります。
申請を行う時点で、これらを従業員に表明していることがわかる資料等を提出します。
3.対象となる費用は?
ものづくり補助金の対象となる経費は以下のように定められており、これ以外は対象となりません。新しい設備を導入しさえすればすべてものづくり補助金の対象となるわけではありませんので、この点に注意が必要です。
1)機械装置費
機械装置や専用ソフトウェア等の制作、購入、借用
2)技術導入費
事業遂行の為に必要な知的財産権等の導入
3)専門家経費
事業遂行のために招聘される専門家に支払われる謝礼や旅費
4)運搬費
運搬料、郵送等
5)クラウド利用費
クラウドコンピューティング利用
4.申請手続きの流れ
ものづくり補助金の申請手続きは、以下のような流れで行います。
申請手続きの流れ
- 事業計画書の作成
- ものづくり補助金事務局に申請
- 事務局の審査
- 採択の通知
- 補助事業の実施
- 実施内容を補助金事務局に報告
- 補助金の交付
- 補助金交付後、5年間の継続事業状況報告
いかがでしたでしょうか
ものづくり補助金の申請についてお悩みの方は、専門家に相談してみるとよいでしょう。代行を依頼するための費用はかかりますが、自分でやる場合よりも許可可能性が高くなり、かかる時間、手間等も短縮が可能です。これらの要素を比較しながら、利用を検討してみてください。