「経営革新計画書で補助金申請が有利になる?」答えを先に言ってしまえば、経営革新計画書は補助金申請に有利に働きます。
経営革新計画書は補助金申請の際に有利に働く事以外にもメリットがあります。経営革新計画書ってそもそも何? 経営革新計画書が何で補助金申請に有利に働くの?
その点を解説していきたいと思います。
まず「経営革新計画書」とは、都道府県や地方機関から評価され、承認された経営計画書の
ことをいいます。この制度を「経営革新制度」といいます。
たとえば、上場企業など大手の企業は投資家や金融機関、関連会社の利害関係者向けに
中期経営計画を作成し、その内容を説明します。
これは会社の将来向かうべき方向性を示し、具体的な数理目標を落とし込んだものになります。
大手企業がこのような計画書を作成するのは、もちろん投資家など利害関係者への自社アピールという面もありますが、それ以上に作成した計画書と実績の差を検証するためです。
仮に事業が計画書の数値通りにいかなかった場合、なぜ計画書通りにすすまなかったのかの原因を探り、次期以降の対策を立てることができるので、計画書作成は非常に意味のあることになります。
しかしながら中小企業の中にはこのような経営中期計画を作成しない企業も多く、計画を立てないので、売上が減った場合などの原因を把握できず、そのため友好的な対策が立てられていないことになります。
そのため、中小企業に「経営計画」を立てさせ、国(正確には都道府県)が承認すれば、
さまざまなメリットが付与することで、中小企業にも「経営計画」を広く活用してもらい、
経済活動の円滑化を図っているのが目的になります。つまりは計画書作成を国が後押ししているんですね。
それでは「経営革新計画」の承認を受けた場合どのようなメリットがあるか解説します。
①補助金申請で加点があり、採択されやすくなる。
例えば、中小企業の事業者の方で「ものづくり補助金」というものを聞いたことが
ある方もおみえになると思います。
「ものづくり補助金」は仮に採択された場合、一般的なものでもMAX1000万円の補助金を
貰うこともできる人気の補助金制度です。
人気であるため、競合も多く採択率は4割程度ですので、その4割に入るために「経営革新計画」の承認をとっていれば、加点され、採択に向け有利に働きます。
「ものづくり補助金」以外にも「経営革新計画」の承認を得ている場合、有利になる補助金制度は他にもあります。
②資金調達面で優遇される
「経営革新計画書」の認証をうけた場合は、日本政策金融公庫等の政府系金融機関からの
融資の際、金利を優遇してもらうことができます。日本政策金融公庫は元々低金利で融資をしてくれる金融機関ですが、そこからさらに0.4%から0.9%ほど金利をさげた条件で融資を受けることも可能になります。
また、民間企業から融資をうける際につける信用保証協会の保証限度額も優遇されるようになります。具体的には通常の保証枠と同額の別枠保証を付けてもらうことができるようになります。
他には新規事業開拓の保証限度額があがったり、海外展開の際に支援を受けられたりと
様々な資金調達の面で優遇されるようになります。
③新たな販路の開拓をしやすくなる。
「経営革新計画書」の承認を受けた企業は、各都道府県のホームページ上に社名が記載されたりするため、知名度があがります。また、中小企業総合展で審査加点を受けられたり、中小機構が行う販路開拓コーディネート事業でサポートを受けられたり、いままで獲得できていなかった新たな客層を獲得するのに有利に働き、販路が拡大しやすくなります。
以上が「経営革新計画書」の承認を得た場合のメリットになります。最初にも言いましたが
補助金申請に有利に働くだけでなく、様々の資金調達や販路拡大の手助けになりますね。
「経営革新計画書」の申し込み条件としては、
①中小企業であること。
②創業して1回以上決算を行っていること
③指定の書式で書類を申請していること
④新事業に該当する計画であること
⑤計画書に記載した計画・目標値に実現性があること
以上が大まかな条件になります。
最後に「経営革新計画書」の申請の流れを説明すると
①条件の確認
申請先や承認先は各都道府県になります。都道府県により違いがあったりしますので、事前確認のうえ、準備をすすめます。
②申請書の作成
申請書の書式も都道府県により違いがあります。事前確認を必ずするようにします。
③申請書の提出
各都道府県の窓口に申請をします。
④結果(経営革新計画書の承認)
目安として申請から約2カ月程度で結果通知が届きます。以上が経営革新計画で補助金申請が有利に?のテーマの解説になります。