中小企業や小規模事業者の方が、業務の生産性を上げるために新しいITツールを導入したいと考えたとき、資金繰りの手段として使えるのが、「IT導入補助金」です。このIT導入補助金は、個人事業の方でも利用することができるのでしょうか?
ここでは、個人事業主でもIT導入補助金は使えるの?というテーマについてみていきます。
IT導入補助金とは?
「IT導入補助金」とは、中小企業や小規模事業者が業務効率化・売上アップのために、ITツールを導入しようと考えたときに、その導入費用を補助する目的で給付される補助金です。
補助金の金額は、ITツールの導入費用の2分の1、最大で450万円となっております。(補助率が最大4分の3になる特別類型もあります)。
個人事業主でもIT導入補助金は使える?
IT導入補助金は、中小企業や小規模事業者の支援を目的としています。
それでは、個人事業主は「中小企業・小規模事業者」に含まれるのでしょうか?
中小企業については、中小企業基本法で以下のように定義されています。
業種分類 |
中小企業基本法の定義 |
---|---|
製造業その他 |
資本金の額又は出資の総額が3億円以下の会社又は常時使用する従業員の数が300人以下の会社及び個人 |
卸売業 |
資本金の額又は出資の総額が1億円以下の会社又は常時使用する従業員の数が100人以下の会社及び個人 |
小売業 |
資本金の額又は出資の総額が5千万円以下の会社又は常時使用する従業員の数が50人以下の会社及び個人 |
サービス業 |
資本金の額又は出資の総額が5千万円以下の会社又は常時使用する従業員の数が100人以下の会社及び個人 |
このように、業種によって中小企業となるかどうかの基準が違うことがわかりますが、常時雇用する従業員の数が50人以下であれば、どの業種でも個人事業主は対象となります。
また、小規模事業者の定義は以下のようになっています。
業種分類 |
中小企業基本法の定義 |
---|---|
製造業その他 |
従業員20人以下 |
商業・サービス業 |
従業員 5人以下 |
従って、従業員の雇用が5人以下の個人事業主の方であれば、IT導入補助金の対象となります。
どんなITツールが対象?
IT導入補助金の対象となるのは、あらかじめIT導入補助金事務局に登録されているITツールのみとなっています。
そのため、「このシステムがよさそうだから契約したい」と思ったとしても、そのシステムがIT導入補助金事務局に登録されていない場合は補助金を受けることができませんので注意が必要です。
それでは、どのようなITツールが補助金の対象となっているのでしょうか?
事務局に登録されるITツールは、①業務プロセスに関するソフトウェア、②オプションに関するソフトウェア、③付帯サービス等の役務という3つのジャンルに分類されています。
具体的には、以下の表のように分類されています。
ソフトウェア |
ソフトウェア |
役務 |
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① 顧客対応・販売支援 ②決済・債権債務・資金回収管理 ③調達・供給・在庫・物流 ④業種固有プロセス ⑤会計・財務・資産・経営 ⑥総務・人事・給与・労務・教育訓練 |
①自動化・分析ツール ②汎用ツール ③機能拡張 ④データ連携ツール ⑤セキュリティ |
①導入コンサルティング ②導入設定・マニュアル作成・導入研修 ③保守サポート |
IT導入補助金はこれらのうち、必ず業務プロセスに関するソフトウェアを導入した上で申請しなければなりません。
対象となるかどうかは、以下で確認することができます。
:https://www.it-hojo.jp/applicant/vendorlist.html
自分で確認してもよくわからないときは、システム導入の契約をする前に、会社に「IT導入補助金の対象になりますか?」と聞いてみるようにしましょう。
いかがでしたでしょうか。
補助金についてお悩みの方は、専門家に相談してみるとよいでしょう。代行を依頼するための費用はかかりますが、自分でやる場合よりも許可可能性が高くなり、かかる時間、手間等も短縮が可能です。これらの要素を比較しながら、利用を検討してみてください。