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技能実習生の監理団体(組合)を変更する時のポイント
団体監理型で技能実習生を受け入れている場合は、監理団体の良し悪し・相性はとても重要になります。
では、様々な事情から監理団体を変更したいとなった場合はどのようにすればよいでしょうか。
今回は、技能実習生の監理団体(組合)を変更する時のポイントを解説します。
1. 変更方法・ポイント
監理団体(組合)の変更は、受け入れ企業の意向のみでは原則できません。技能実習制度は、送り出し機関や監理団体を含めたみんなで技能実習生をサポートしていくシステムになっており、受け入れ企業のみの意向では技能実習生に不利益となる場合もあるためです。
したがって、監理団体を変更する場合は、以下の4者の合意が必要になります。
・現在の監理団体
・新しい監理団体
・送出し機関
・技能実習生
監理団体の変更をしたい場合には、現在契約中の監理団体の合意が一番のネックとなる恐れがあります。トラブル防止のためにも、いきなり「変えたい」ということを言うのではなく、まずは現在の不満等をしっかりと伝えてみましょう。
監理団体の職員の重大な任務懈怠があれば、担当職員を変えてもらうなどの措置をとってもらうことで、改善が認められる場合が多いです。
もっとも、再三の改善要望にもかかわらず、改善が見られない場合には、契約解除を申し出ることをおすすめします。特に、監理がいい加減で、技能実習生と受け入れ企業に不利益が生じてしまうような場合には、早く変更した方がよいといえます。
技能実習生には、監理団体を変える理由を伝え、納得してもらえれば合意は得られやすいでしょう。
新しい監理団体に技能実習生を移管する調整に関しては、新しい監理団体と契約解除した監理団体等がやってくれるので、受け入れ企業として特に何かする必要はありません。
ただ、変更には監理団体との多くのやり取りなどの手間や費用がかかり、変更するとなった場合は、技能実習生にも負担がかかってきます。
したがって、監理団体の変更は、新しい技能実習生を受け入れるタイミングが手続きをまとめてできるため、負担が少ないといえます。
以上の変更のポイントをまとめます。
①まずは現在起きている問題・不満等を監理団体に伝える
②改善の余地が見られない場合は、変更を考える
③新しい技能実習生を受け入れる予定があれば、できればその時に監理団体を変更する
④監理団体を変更する際には技能実習生に、変わることを伝えておく
余計な労力が必要になってしまうことからできれば、監理団体の変更は避けたいところです。不満等があれば、その都度伝えるようにし、なるべくコミュニケーションを図っておくことをおすすめします。
2. 監理団体を変えたい理由
監理団体を変えたい場合によくある理由についてまとめました。
監理費が割高
なるべく安く技能実習生を雇いたいと考えている受け入れ企業は多いのではないでしょうか。そうすると、この監理費が安ければ良いと考えがちです。
しかし、監理が適切に行われていないと、最悪の場合、技能実習生が失踪…なんてことにもなりかねません。技能実習生の多くは、はるばる日本にやってきて、憧れの日本の技術を学べているということがあるため、何か不満があっても雇ってくれて企業には言いづらい傾向があります。そこで、技能実習生は、そういった不満等を監理団体に伝え、改善を求めることがあります。
ですから、監理が適切に行われるためには、人件費や交通費を含めた適切なコストがかかってしまいます。監理費が他の監理団体と比べて高いかどうかだけではなく、監理内容についても勘案するとよいでしょう。
担当者が不安
監理団体の担当者が毎月の監理に来なかったり、連絡がつかなかったり、知識が不足していて、任せることに不安を感じているのであれば、まずは監理団体に相談し、担当者を変えてもらいましょう。監理団体のシステム自体に問題があれば、変更することをおすすめしますが、担当者変更によって改善されることも多いです。
3. 監理団体の役割
最後に、監理団体の役割を確認しておきます。
監理団体の主な役割は、外国人技能実習生を受け入れ、実習実施機関の企業で技能実習が適正に行われているのか確認・指導を行います。
① 監理
技能実習生の受入団体が、技能実習計画に従い、適正に技能実習が実施されているかどうかを確認します。技能実習計画に基づいて行われていない場合、適正な実施について企業等を指導します。
② 技能実習制度の趣旨の理解と周知
技能実習制度の趣旨が、「人づくり」という国際貢献にある点から、実習実施機関や技能実習生の送出機関にこの趣旨を周知します。このような技能実習制度の正しい趣旨を周知することで、技能実習生を安価な労働力と考えている実習実施機関や送出機関が技能実習制度に参入するのを防ぎます。
③ 監査・報告
3か月に1度の定期監査を行います。技能実習生1号については1か月に1回、定期的に訪問指導を行うほか、違反の疑いがあると認めた場合は、直ちに臨時の監査を実習実施機関に対し行います。その結果を地方入国管理局に対して報告します。
この記事の監修者
プロフィール
2009年4月 行政書士個人事務所を開業
2012年8月 個人事務所を行政書士法人化し「さむらい行政書士法人」を設立
専門分野
外国人VISA・在留資格、外国人雇用・経営管理、永住・帰化申請
入管業務を専門とし、年間1000件以上の相談に対応