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【2022年版】日本の永住権の条件を徹底解説

永住権は、外国人が取得できる中で最も自由度の高い在留資格の一つ。

 

期間の定めなく日本に在留でき、就労制限もありません。

 

しかしその分、求められる条件が厳しく、取得が難しい資格でもあります。

 

今回は、日本で永住権を取得するための条件について詳しく解説。

 

具体的な年収などのボーダーラインや、国益適合要件の特例についてもお伝えします。

永住権とは?

永住権とは、日本国籍を持たない外国人が、期間の制限なく日本に滞在し続ける権利のことです。

 

正式には、在留資格の「永住者」というカテゴリを一般的に永住権と呼んでいます。

 

日本に在住する外国人には、日本に滞在する権利を得るために「在留資格(ビザ)」が必要です。

 

多くの在留資格には短くて3ヶ月、長くて5年の在留期間が定められていて、この期間の満了時には帰国かビザの更新を選ばなければいけません。

 

一方、永住者ビザには期限の定めがないため、帰国や更新手続きは必要ありません。

 

また、永住者ビザには多くのビザで定められている就労制限もなく、日本人と同じように自由に就労や転職ができます。

永住権の審査期間

永住者ビザは他のビザよりも自由度が高いため、審査も厳しいです。

 

一般的な就労ビザは1ヶ月程度で審査が終わるところ、永住権の標準的な処理期間は約4ヶ月といわれています。

 

また、必要な書類や満たすべき条件も他のビザより厳しいので、準備から含めるとさらに長い期間が必要になります。

永住権の取得するための条件【2021年版】

ここでは、外国人が日本の永住権を取得するための条件を3つご紹介します。

参照:こちらから

①素行が善良であること

「素行が善良であること」とは、これまで日本で法律違反や交通違反を犯さず、善良に暮らしてきたということです。

 

頻繁に法律を犯すような外国人を除外し、日本国内の治安を維持するために必要な条件です。

 

特にオーバーステイなど入管法違反の履歴があると、永住権の取得はまず難しいと言えます。

 

ただし、駐車違反など軽微な交通違反であれば、素行不良とは見なされないケースもあるようです。

②独立の生計を営むに足りる資産又は技能を有すること

「独立の生計を営むに足りる資産または技能を有すること」とは、日本で他の人に頼らず十分暮らしていける経済状況であるということを指します。

 

これは、経済状況のよくない外国人を受け入れることにより、日本の生活保護などの社会保障が逼迫することを防ぐための条件です。

 

具体的には、年収300万円程度がボーダーラインと言われています。

 

ただし、この条件は世帯単位で判断されるため、配偶者・親に扶養されている主婦/夫や子供などは、本人に収入がなくても永住権を取得できます。

③その者の永住が日本国の利益に合すると認められること

「その者の永住が日本国の利益に合すると認められること」とは「その外国人が日本に住んでいることでデメリットがない」という意味になります。

 

具体的な条件として、以下の5つが挙げられます。

・原則10年以上日本に在留していること、そのうち5年は就労資格か居住資格で在留していること

・罰金刑や懲役刑などを受けておらず、納税や書類提出などの義務も確実に果たしていること

・現在有している在留資格の最長の在留期間を持って在留していること

・生活の本拠が日本にあること

・公衆衛生上の観点から有害となる恐れがないこと

 

外国人に発行されているビザのうち、「技能実習」や「特定技能1号」は就労資格や居住資格に含まれません。

 

そのため、これらのビザで在留した期間はカウントされず、「特定技能2号」など他の在留資格で5年以上在留する必要があります。

 

また、「生活の本拠が日本にあること」とは、日本国内に住所や居所があることを指します。

 

しかし、日本に住所があったとしても長期で出国している期間がある場合、その理由によっては不利になる可能性があります。

永住権の条件には特例がある?

上で挙げた3つの条件のうち、3つめの国益適合要件には特例があります。

 

以下の5つの特例に当てはまる場合、国益適合要件を全て満たしていなくても永住権の対象になり得ます。

①日本人と結婚している場合

日本人と結婚している配偶者、またはすでに永住権を取得している外国人の配偶者は、10年未満の在留でも永住権を取得できる可能性があります。

詳しくは、後の項目で解説します。

②定住者として5年以上日本に在留していること

定住者とは、在留資格の一つ。

ただし一般的な外国人が申請して取得するのは難しく、出生の事情などにより取得する場合が多いです。

法務大臣が人道上の理由やその他の特別な理由を考慮して、個別に指定した外国人に日本の居住を認める在留資格となっています。

 

具体的には、以下のような人が対象です。

・いわゆる日系2世および3世

・日本人の子として出生し「日本人の配偶者等」の在留資格を有する者の配偶者

・1年以上の在留期間を指定されている「定住者」の配偶者

・1年以上の在留期間を指定されている「定住者」の扶養を受けて生活する未成年かつ未婚の実子

・日本人等の配偶者で「日本人の配偶者」等の在留資格を有する者の未成年かつ未婚の実子

・日本人等の扶養を受けて生活する6歳(場合により8歳)未満の養子

・いわゆる中国残留邦人等とその親族

・インドシナ難民のうち一定範囲の者

 

その他、個別の理由によって定住者ビザが認められる人もいます。

 

この定住者ビザで日本に5年以上在留している人も、永住権の対象者となります。

③難民の認定を受けた場合

難民とは、「人種、宗教、国籍、政治的意見やまたは特定の社会集団に属するなどの理由で、自国にいると迫害を受けるかあるいは迫害を受けるおそれがあるために他国に逃れた人々」のこと。

 

このような理由で日本に亡命してきて難民として認定を受け、そのまま5年以上在留している人も、永住権の対象者です。

④日本への貢献があったと認められる場合

ノーベル賞やグッドデザイン賞を受賞した、スポーツ大会で入賞したなど、様々な分野で著しい活躍が見られ、日本に貢献していると認められる人も特例の対象です。

 

ただし、このような場合でもビザの種類は問わず5年以上の在留が必要となります。

 

特別に永住権が認められるというより、永住権が取得できる時期が早くなったり、取得条件が緩められるというイメージです。

⑤高度人材外国人として日本に来た場合

「高度専門職」のビザを持ち、高度人材外国人として日本に在留している外国人も、特例の対象となって永住権の取得を早められます。

 

高度人材外国人とは、特別な知識やスキルを持ち、日本に受け入れることで特に大きなメリットがあると認められた外国人のこと。

 

高度人材として認められるためには、学歴・職歴・年収・在留期間などさまざまな条件があり、それらを点数化したポイントによって判断されます。

高度人材ポイントについて

永住権の特例を受けるためには、高度人材ポイントについて以下のいずれかの条件を満たす必要があります。

 

・高度専門職の在留資格で3年以上在留していて、70点以上のポイントが累積している

・高度専門職の在留資格で1年以上在留していて、80点以上のポイントが累積している

 

高度人材ポイントの条件はさまざまなものがあり、例を挙げると以下のようなものがあります。

 

・経営管理に関する専門職学位(MBA,MOT)を保有:25点

・博士もしくは修士の学位、または専門職学位:20点

・大卒またはこれと同等以上の教育(博士,修士を除く):10点

・複数の分野における2つ以上の博士もしくは修士の学位、または専門職学位:5点

・職歴10年以上:25点

・職歴7〜10年:20点

・職歴5〜7年:15点

・職歴3〜5年:10点

・年収3,000万円以上:50点

・年収2,500〜3,000万円:40点

・年収2,000〜2,500万円:30点

・年収1,500〜2,000万円:20点

・年収1,000〜1,500万円:10点

など

 

例えば大学院卒(博士)・職歴10年以上・年収2,500万円という外国人の場合、20点+25点+40点で累積が85点になります。

 

このような人材は、在留1年以上で永住権の対象者になり、原則10年以上必要な在留期間を大幅に短縮できます。

永住権の条件に関するよくある質問

ここでは、永住権の条件についてよくある質問に、Q&A形式でお答えします。

永住権の許可に必要な年収は?

永住権の取得条件としては、経済状況は「独立の生計を営むに足りる資産または技能を有する」と定められているだけで、具体的な年収要件は決まっていません。

 

しかし、一般的には300万円くらいが目安と言われています。

 

また、扶養家族がいる場合、一人当たり70〜80万円ほどが追加となります。

 

そのため、一家の大黒柱として家族を支えている場合、必要な年収の目安は以下の通りです。

 

・一人暮らし:300万円

・二人家族:370〜380万円

・三人家族:440〜460万円

・四人家族:510〜540万円

・五人家族:580〜620万円

 

経済的な要件は他の事情とも合わせて総合的に判断されるため、上の条件はあくまでも目安です。

 

この年収を超えていないと、絶対に永住権を取得できないということではありません。

 

先にもお伝えしましたが、年収は世帯単位で判断されるため、一人の年収で足りなければ、配偶者が働くなどしてカバーすることも可能です。

 

また、年収の証明としては、5年分の住民税の課税証明書が求められます。

 

一時的に上記の年収を超えているだけではなく、継続的に安定的な収入を得ているということも重要視されるのです。

配偶者ビザからの永住権の取得は可能?

 

現在は配偶者ビザを持っていて、そこから永住権の取得に挑戦したい場合、以下の条件を満たす必要があります。

 

・実体を伴った婚姻が3年以上継続し、かつ、引き続き1年以上日本に在留していること

 

つまり、結婚してから3年以上経っていて、日本に住んでいる期間が継続して1年以上あれば永住権を取得できる可能性があるということです。

 

ただし、配偶者ビザを新規で取得した場合、最初に定められる在留期間は「1年」となることが多いです。

 

また、初回の更新で延長される期間も「1年」ということが多いでしょう。

 

その後、早ければ2回目の更新で在留期間「3年」の配偶者ビザが得られることになるので、実質的には5年間の在留が必要になるといえます。

 

また、在留資格が配偶者ビザではなくても、実態上「日本人の配偶者」である場合、例えば就労ビザで在留している間に日本人と結婚した場合なども、同じ条件が使えます。

永住権の申請には年金の加入が必須?

永住権に限らず、日本に在留する20歳以上60歳未満の外国人は日本の年金に加入し、保険料を納める義務があります。

 

また、2019年からは永住権を申請する条件として、年金への加入が必須となりました。

 

永住権の申請の際には、過去2年以上年金保険料を支払っていることを証明する資料の提出が求められます。

 

具体的には、以下のいずれかの書類が必要です。

 

・ねんきん定期便(封書で届いているもの)

・ねんきんネットの「各月の年金記録(月別の年金記録)」の画面を印刷したもの

永住権を取得するメリット

最後に、外国人が日本の永住権を取得するメリットについてお伝えします。

①在留期間の期限がない

先にもお伝えしましたが、永住権は在留期間の期限がない在留資格です。

 

そのため、在留期間が満了するということがなく、一度取得すると更新手続きの必要がありません。

 

外国人が更新手続きの手間なく日本に在留する手段として、他に「帰化」がありますが、帰化すると母国の国籍を手放すことになります。

 

国籍はそのままで、期間の定めなく日本に在留し続けられるのが永住権のメリットです。

②配偶者が死亡した場合でも帰国不要

就労制限などの条件が永住権に近く、より取得しやすい在留資格として「日本人の配偶者」ビザがあります。

 

配偶者ビザは学歴や職歴などの条件がなく、日本人と結婚しているという事実があれば取得できます。

 

しかし、このビザは日本人の配偶者に依存する在留資格なので、配偶者と死別した場合、ビザの種別の変更または帰国が必要です。

 

一方、永住権は外国人本人に対して与えられる在留資格なので、配偶者と死別しても帰国や変更の必要はありません。

 

現在、配偶者ビザで日本に生活の拠点があり、日本でずっと暮らしたい場合には、不慮の事態を考えて永住権への変更を検討した方が良いかもしれません。

③日本国内において社会的信用が得られる

永住権を持つ外国人は、ビザの更新が必要なく、就労制限なく働けるなど、日本人とほぼ同じような生活を送ることができます。

 

また、永住権を取得できるということは、これまで日本で問題なく暮らしてきて、経済状況などもしっかりしているということで、社会的な信用を得やすいです。

 

そのため、就職・転職や家の賃貸契約、ローンを組む時、起業して融資を受ける時など信用力が重視される場面で、他のビザより審査が有利になるというメリットがあります。

まとめ

永住権は自由度が高い在留資格である分、必要な条件も他のビザより厳しくなっています。

 

ただし、特例に該当すれば期間を短縮して永住権の取得に挑戦することも可能です。

 

今回ご紹介した永住権の取得条件や特例を、ぜひ参考にしてみてください。

 この記事の監修者

さむらい行政書士法人 代表 / 小島 健太郎

さむらい行政書士法人
公式サイト https://samurai-law.com

代表行政書士

小島 健太郎(こじま けんたろう)

 

プロフィール

2009年4月 行政書士個人事務所を開業
2012年8月 個人事務所を行政書士法人化し「さむらい行政書士法人」を設立

専門分野

外国人VISA・在留資格、外国人雇用・経営管理、永住・帰化申請
入管業務を専門とし、年間1000件以上の相談に対応

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